VNEXTの会社紹介資料
2022/06/28
株式会社ブレイン・ラボ
株式会社じげん(東証プライム市場上場)の子会社として、HR領域のCRMを展開する株式会社ブレイン・ラボ。人材紹介の「CAREER PLUS」、人材派遣の「MatchinGood」を主力としながら毎年新規事業を立ち上げているこちらの会社では、適材適所のオフショア開発を活用しています。コロナ禍によりフルリモートとなった開発現場で、プロジェクトを成功に導く秘訣とは?開発部 Dev.1 GRP マネージャーの田岡様にお話をうかがいました。
|HR領域に特化したto Bで重要なのは、いかに開発をスムーズに進められるか
—— オフショア開発を検討したきっかけは?
田岡さん:実はVNEXTさんに依頼する前から、弊社にとってオフショア開発は身近でした。ブレイン・ラボの親会社にあたるじげんは、ベトナムにオフショア開発の子会社(ベンチュラ)を持っており、様々な開発を行っていました。私がじげんに在籍していた時、プロジェクト担当者としてホーチミンを訪れたこともあります。
ベンチュラを通じて、現地のいくつかの会社とネットワークができ、オフショア開発を成功させるアイデアを話し合ったりしました。そのとき知り合った現地の会社に、後になってブレイン・ラボが開発を依頼したこともあります。
以前から外部の協力を得ながら開発を行っていたんですが、ここ数年でパッケージ製品の刷新や新規事業の立ち上げのシステム投資が増え、より多くのIT人材が必要になってきたんです。パートナー企業やフリーのエンジニアに参加してもらうなかで、オフショア開発も選択肢のひとつでした。
—— 開発パートナーを選ぶときの基準は?
田岡さん:開発パートナーを選ぶ際は、やりやすさを重視しています。弊社が提供するのはWEBサービスの延長線上にあるパッケージ製品なので、とびぬけた高い技術が必要なものではないんです。「CAREER PLUS」や「MatchinGood」のような、常時数百社のお客様が利用するto Bのサービスには、安定した品質が求められます。そのため弊社の開発現場では、高い技術力よりも開発をスムーズに進められるかをチェックします。
今回VNEXTさんにご協力いただくようになったきっかけは、私の前任のマネージャーが、前職でVNEXTさんと取引があったことでした。もともとお付き合いがあり、どんな会社か知っていたため依頼しやすかったんだと思います。
—— VNEXTにはどんな仕事を依頼しましたか?
田岡さん:これまでVNEXTさんにご協力いただいているのは、CAREER PLUSのテスト、MatchinGoodのテストとオプション部分の開発、新規事業のプロダクトにおける初期構築などですね。弊社側には私と企画の人間が立ち、VNEXTさん側はそれぞれ10数人のチームで対応いただいています。国内でITエンジニアの確保が難しいなか、必要なときに確かな技術を持ったエンジニアをまとめてもらえるのは心強いです。
これ以外にも、VNEXTさんに新たなプロジェクトを打診しているところです。VNEXTベトナム代表のソンさんと弊社代表の中江が親しいことから、いろいろお声掛けさせていただいています。
—— VNEXTの開発品質はどうでしたか?
田岡さん:一番動いているのはテストチームなんですが、まじめにやっていただいているという印象です。ビジネス向けパッケージという性質上、検索条件やその結果が多岐に渡り、テスト項目は多くなりがちですが、細かく対応してもらっています。リリースぎりぎりまで開発がずれこんだり、直前にビジネスサイドから修正が入ったりすると、その都度新たなテストが必要になりますが、無理をお願いするなかでいつも真摯に取り組んでいただき、最終的な品質担保につながっているので感謝しています。
昨年依頼した新規プロダクトの開発は、時間がなくふわっとした仕様でのスタートでしたが、短時間で馬力を出して仕上げてもらうことができました。弊社がご一緒した人やチームは、全体的にスピード感を持った真摯な対応が印象に残りました。
—— VNEXTのエンジニアとのコミュニケーションはどうでしたか?
田岡さん:弊社との窓口は日本にいるブリッジSEになるんですが、彼らもまじめな人ばかり。日本語能力が高いので、コミュニケーションに問題を感じることはありませんでした。人材派遣会社における給与の支払いや税金、控除といった料金計算のように、ビジネス要件が高くなるとさすがに理解が難しい場面があるくらいです。
コミュニケーションに齟齬がある場合は、しっかり説明するようにしています。弊社は社内に開発チームを持っているので、難しいものは巻き取ることもあります。「発注したから何が何でもやれ」ではなく、柔軟な対応を意識しています。
オフショア開発をいくつか経験するなかで、円滑なプロジェクトはブリッジSEの日本語能力に依存する部分が大きいと感じています。そうでなければ、依頼元がどれだけ現地に歩み寄れるかですね。たまたまなのかもしれませんが、これまでブレイン・ラボにはいいブリッジSEの方をつけてもらったと思います。
|オフショア開発を成功させる鍵は、考えすぎないこと
—— コロナ禍によってさらに拡大した、フルリモート開発について
田岡さん:コロナ禍で、フルリモート開発が浸透しました。コロナとほぼ同時期に沖縄に拠点を設けたこともあり、遠隔地にいるエンジニア同士の開発は特別なものではなくなりました。社員は在宅勤務になり、それまで常駐していたブリッジSEも自宅からのリモートになりましたが、業務に支障が出ることはなかったと思います。
私の場合、フルリモートではオフショアに限らずマイクロマネジメントをしないように気を付けています。お願いしたものは信頼して任せる。日中何をやっているかはチェックせず、どこまで進んでいるか状況のみをこまめに確認するようにしています。
—— スムーズなオフショア開発のために、意識していることは?
田岡さん:複雑な要件をどう伝えるかですね。オフショア開発は、「仕様をつくりきってから依頼するものだ」とよく言われます。確かにしっかりした仕様書がなければ、思ったものは上がってこないでしょう。しかし仕様を検討しきれていない、まだ見えていないものがあるなかで開発が進むケースは珍しくありません。恥ずかしながら弊社はドキュメントづくりが苦手で(笑)、詰め切れていない仕様でVNEXTさんに依頼することもあるんです。そのなかでいかに意図したものに仕上げるかは、密なコミュニケーションで支えています。
オフショア開発では、ブリッジSEが現地のエンジニアに向けてドキュメントを起こさなければなりません。日本側との重要なハブとなるブリッジSEに、必要な情報をしっかり渡すことが重要です。そのために有効なのは、コミュニケーションの接点を持ち続けること。毎朝オンラインでミーティングの場を設定し、私たちがどういうことをやろうとしているのかを共有しています。
また、オフショア開発だけではないんですが、外部の協力を仰ぐ場合、なるべく社内・社外の壁を無くすように意識しています。「これはこっちの仕事」「これはそっちの仕事」という壁や線引きがあると、問題が起きたとき検知しにくくなるんですよね。エンジニアが問題を抱え込んでしまうのを防ぐには、なんでも言えるようなコミュニケーションが有効です。遠隔地にいるリモート開発では特に、コミュニケーションの接点を持ち続けることで同じプロジェクトに携わる仲間として必要な情報をしっかり共有し、同じゴールを目指す意識づくりを大切にしています。
—— オフショア開発成功の鍵とは?
田岡さん:オフショア開発はハードルを上げ過ぎると失敗しがちなので、最初は軽い感じで依頼するのがいいと思います。オフショアだからといろいろ考え込むと、逆にうまくいかない気がします。何はともあれ「やってみる」ことで、成功に向かう道筋が見えてくると思います。
もうひとつは、お金を気にしすぎないことですね。コストカットの文脈でオフショア開発を選択するケースが多いですが、お金で選ぶとかえって途中で揉めがちだと感じます。確かに人件費が安い国ではエンジニアの人数を増やせますが、人がたくさんいればいいわけではないのが開発現場です。ただ安いからではなく、ここにお願いしたら一緒にやっていけるか、双方協力できるかという、日本企業に依頼するときと同様の視点でオフショア開発を選択するのがいいでしょう。
—— 今後、VNEXTに期待することは?
田岡さん:VNEXTさんとは、いつか難しいことに一緒に挑戦してみたいですね。さきほども言いましたが、弊社はto BのWEBサービスを提供している会社なので、社内に高い技術力があるわけではないんです。もし弊社が抜きんでた高い技術を持っていれば、新たなビジネスチャンスが生まれると常に考えています。社外のパートナーとして高い技術でサポートいただくことで、新たな領域に挑戦できたらうれしいですね。
今回のインタビューを通じて、オフショア開発の経験が豊富な株式会社ブレイン・ラボには、フルリモートで開発を円滑に進めるためのノウハウがたくさんあることがわかりました。ネットワークを活用することでエンジニアの働き方や協業の仕方が大きく変わりつつある今、これからも新たな挑戦を続けていくことでしょう。