VNEXTの会社紹介資料
2019/09/24
営業支援事業を行っているREGAIN GROUP株式会社。オフショア開発でリリースした、AIを利用した営業支援ツールが好評です。プロジェクトを進めた執行役員CTO土屋様は、これまでに複数のオフショア開発の経験があり、改めてオフショア開発の利点や、成功のために注意している点などをお聞きしました。
|開発案件に対する「熱量」と「人間性」が決め手! オフショア開発を選んだ理由とは
—— 御社がオフショア開発を選ぶ基準はどのようなところだったのでしょうか?
土屋さん:前職で過去に何件もオフショア開発を経験しておりますが、それらの主な理由は開発コストの低さです。そして同じくらい大きな要素となっているのが、開発案件に対する「熱量」です。
通常、システム開発チームを日本のSES派遣などで構成した場合、工程数から費用を算出する時間給となるため、開発期間が長ければ長いほど、システム会社にとって受注額が高くなります。つまり、短い開発期間の中で、精度と質の高いモノを生み出す仕組みになっているとは言い難いのが現状です。
ところが、過去にベトナムのオフショア開発の会社と仕事をした時、ベトナム人は仕事の対価として、「やりがい」や「スキルアップ」を求めていると感じました。あくまでも私の個人的意見ですが、受注の判断が新しい仕事、面白い仕事なのか、難度の高い案件であっても積極的に受注する姿勢があり、より良いモノを生み出そうという気概を感じました。ですので、今回の案件では最初からオフショア開発に決めており、その中でも取り組み姿勢に信頼があるベトナムのシステム会社が第一候補だったのです。
—— VNEXT SOFTWAREを選んだ理由はどのようなところだったのでしょうか?
土屋さん:オフショア開発を前提に、IT関連のイベントでパートナーを探しており、VNEXT SOFTWARE(以下、VNEXT)さんのブースで話を聞きました。最初にいいなと思ったのは、その時ブースにいらっしゃったキムさんの誠実さと仕事に対する熱量、人間性です。私たちの案件に対して前向きな姿勢を見せていただけたことから手ごたえを感じ、翌月には会社を訪問しました。
決め手は、会社としての、この案件への取り組み姿勢です。今回、開発チームのメンバー選考や実際に案件がスタートしたのちのチェック作業、リリース作業などは私が現地で行う予定でした。そのため私自身、ベトナムに滞在する期間が長くなることが予想され、ベトナムのオフィス環境などが気になっていたのです。
実際にベトナムに行ってその点を相談したところタイミングが上手く重なり、事務所を新しいところに移転して、そのうち 1室を弊社のために用意してくれることになりました。弊社のクライアントはセキュリティに厳しいことから専用のセキュリティも構築していただけるなど、VNEXTさんがこの案件にとても力を入れてくれることが伝わり、お願いすることになりました。
今回のオフショア開発のプロジェクトリーダー:土屋さん
—— どのようなプロダクトでオフショア開発を行ったのでしょうか?
土屋さん:弊社では営業支援を行っており、その支援のひとつとして「eigyo intelligence」を開発・リリースし、VNEXTさんにはそのシステム開発をお願いしました。
営業活動の目的は、商品の魅力を100%お客様に伝えて買っていただくことです。そのためには、営業戦略を立て、それに則った営業方法を現場に落とし込むことが必要です。しかし、実際には男性向け、女性向けで営業トークは異なりますし、お客様のタイプによっても変わっていきます。そういったノウハウを社員にトレーニングをしているため、弊社の社員は高いスキルを持っていますが、販売代理店などのアルバイトや派遣に同じレベルを求めるのは難しいものがあります。そこで、このツールを使って、誰でも一定レベルの営業活動ができるようにするのです。
利用方法は簡単で、最初に販売するものを登録します。お客様が来店されたら事前アンケートで男女や年代などお聞きし、そこで得た情報で属性を設定して、スタートさせます。すると、そこからAIが会話を記録し始め、お客様の会話から「こういうことを聞きたいのでは」と分析し、その場合に最適な回答、つまり営業トークを提示するのです。これらを、トークの出だしであるアイスブレイクから、最終的に購入していただくためのクロージングのトークまで、段階を追って導いていきます。
「eigyo intelligence」の画面。会話がその場で記録されていきます。
——「eigyo intelligence」開発の進め方はどのような感じだったのでしょうか?
土屋さん:私はシステム開発の経験があり、基本設計書や仕様書などの作成もできるため、基本的にはすべて設計書を基にして進めていきました。ベトナムで実際にコードを書くプログラマーの選定も私が行ったのですが、その際に求めたスペックはUML図と呼ばれるシステムの構成や動作を俯瞰的に見られる図を書くことができて、こちらで用意したUML図を読み取ることができるかのみでした。ベトナムには、日本語を話せる人や日本企業で働いた経験のある人が多いのですが、敢えてそこは必須にしていません。なぜなら、UML図は国際標準で世界共通。図で示すため、齟齬が生じにくく、これさえ見れば、システムが間違った方向に行くはずがないのです。
日本語、ベトナム語といった言語の壁は、UML図で越えることができます。むしろ、日本人同士だと言葉が通じてしまう分、UML図以外で案件を進めていこうとしてしまいがちですので、「共通言語はUML図のみ」「これさえ見てくれれば大丈夫」という形だったからこそ、滞りなく進められたと思います。
|オフショア開発成功の鍵はブリッジSEの質と管理方法。日本での勤務経験がプラスに
—— VNEXTの開発品質はいかがでしたか?
土屋さん:ベトナムでプログラマーを募集し、人材を集めましたが、運が良いことにとても優秀な方が来てくださいました。なかには、優秀で上昇志向が高いため、半年ほどで「独立して会社を立ち上げる」と退職してしまう人もいましたが、それこそがベトナム人の意識の高さかと思っています(笑)。
今回の案件で、特に中心となってくださった2名のプログラマーがおり、とても助けられました。この方たちがいなければ、正直、期限内で高いレベルでのリリースは難しかったと思います。
—— ズバリ!オフショア開発成功の鍵はなんだと思われますか?
土屋さん:基本設計書やテスト項目書が書ける担当者や上流SEがいるならば、オフショア開発はとてもいいと思います。そういった人がいなくても、VNEXTさんの場合は、その橋渡しをしてくれるブリッジSEに、日本語ができたり日本企業での勤務経験がある方がいるため、やりやすいと思います。特に、弊社の案件に関わってくれた方は、日本で4~5年働いたことがあり、とても優秀で頑張ってくれました。
ただ、気をつけたいのはスケジュール管理です。これはベトナムに限ったことではなく、ほかの国でも起こりうることではありますが、オフショア開発では設定した期日ギリギリに「とりあえず作りました」という状態になりがちなのです。発注側としては、その前に作ってもらって問題点などを洗い出して、仕上げたものを提出してもらいたいのですが、なかなかそうはなりません。そこで、要所での確認ポイントを早めに設定しました。
もう一点、私が気をつけたのは、本番のシステム環境は私のみが触れるようにした点です。日本的に考えると、リリース時に大な問題があればリリースを延期するなどして対処し、予定にないことは行わないのですが、これまでの経験上、オフショア開発ではリリース直前に重大な問題が出るとその場で直すなどしてしまい、さらに二次災害が発生するといったことが起こりがちでした。そこで、リリース作業はすべて弊社にて行うことにしています。
|オフショア開発を振り返る。VNEXTの「誠実な対応」と「協力体制」が導いた成功
—— VNEXTの対応はいかがでしたか?リリースは予定通りにできたのでしょうか?
土屋さん:おかげで、弊社でこの事業をスタートしようと決めてからVNEXTさんと出会い、無事リリースができるまで、たったの6ヶ月程度という早さで進めることができました。実質、コーディングにかけていただいた時間は2ヶ月、テスト期間は1ヶ月ほど。リリース日を先に決定して、その中でできるところまでをやるスケジュールではありましたが、無事にリリースできたのは優秀なプログラマーやブリッジSEの方々のおかげです。
—— 今回のオフショア開発を全体的に振り返り、成功要因だと思うことを教えてください
土屋さん:オフショア開発は、日本のシステム会社と比べるとコスト面において大きなアドバンテージがあります。ただ、品質面では、会社としての対応はもちろんのこと、ブリッジSEの手腕がとても影響されると思っています。自分と現地プログラマーの方たちとの橋渡しをしてくれる方がいかに優秀で、熱量を持って取り組んでいただけるのかといったところですね。
今回、VNEXTさんから、「eigyo intelligence」を担当しているスタッフは特に優秀な人が集まっていると言われましたが、そういったスタッフを集めることができたのも新しいオフィスを用意するなど、VNEXTさんが全面的に弊社に協力してくれたからです。弊社にとっても、オフショア開発の良い成功例になったと思います。
【プロフィール】
◆ 会社概要
REGAIN GROUP株式会社
2008年創業。営業支援事業を専門に、営業の現場に支援ソリューションを提供している。9つのグループ会社からなる営業のプロフェッショナル集団。2017年にAIを活用した営業支援ツール「eigyo intelligence」をリリース。
◆ インタビュー
執行役員CTO
土屋 則幸
システム会社やグーグル株式会社を経て、同社へ。前職場でのオフショア開発経験を含め、多くの開発経験を持つ。