VNEXTの会社紹介資料

資料ダウンロード

ホーム > V-BLOG > 技術・サービス

【アプリ開発を始める前に】失敗パターンから学び、成功に導くためのAtoZ

2023/09/11

現代、情報収集やECでの買い物などのほとんどがスマートフォン経由で行われていることは想像がつくでしょう。

 

この傾向から、モバイルアプリを始めたいという企業様からのご相談は年々増えています。

 

本記事では、アプリ開発を始める前に学んでおきたい失敗パターンや成功に導くポイントについて詳しく解説していきます。

 

目次

● よく起こりがちな失敗パターン

 ▶︎ アプリそのものに関する知識不足

 ▶︎ 開発プロジェクトがうまくいかない

 ▶️ 開発したアプリが使われない

● アプリの役割とゴール

 ▶️ アプリの役割とメリットを把握する

 ▶️ アプリ事業のゴールを設定する

● アプリ開発時のチェックポイント

 ▶︎ アプリ開発の工程を把握する

 ▶︎ 最低限の機能を絞る

 ▶︎ 本開発前にPoCを実施する

 ▶︎ 開発会社と密なコミュニケーションをとる

 ▶︎ パッケージ開発の場合はリスクも理解しておく

● アプリを使ってもらうために

 ▶︎ プロモーションを行う

 ▶︎ ユーザーとの接点を増やす

 ▶️ 操作ログなどでユーザーを分析する

 ▶️ PDCAを回す

 ▶️ 運用・保守体制を万全にする

● まとめ

 

|よく起こりがちな失敗パターン 

アプリの開発・発注や運用に関しては社内に知見が乏しいという声も多く、事業を始めてから想定外のトラブルに見舞われるというリスクもあります。

以下では、アプリ開発でよく起こりがちな失敗パターンを3つご紹介します。

 

アプリそのものに関する知識不足 

アプリ開発における失敗は、そもそも「アプリ自体が何か」を把握していないことが原因のひとつです。

アプリそのものに関する知識がないと、アプリ事業を始めても目的が達成できない、開発をする際にトラブルが生じるといったことが起こります。

 

アプリに関する必須知識として得たいものは以下の3つです。

 

  1. アプリの役割とメリット
  2. アプリ化することによるゴール(目的)
  3. アプリを開発する流れ

 

これらは後述で詳しく解説しますが、まずはアプリそのものを知ることが重要になってきます。

 

開発プロジェクトがうまくいかない 

アプリ開発を進める中で、以下のような課題が出てくるケースが多々あります。

 

・類似アプリがあるため、要件を固めなくても作れると思ったが、想像と違ったアプリができてしまった

・作りたい機能を絞りきれず、そのまま実装したら、機能や特徴に一貫性のないアプリができてしまった

・予算を抑えるためにパッケージ開発で進めていたが、増え続ける要件に対応できなくなってしまった

 

これは、事前準備がしっかりできておらず開発を進めてしまったことが原因です。

アプリを開発する目的を明確にし、「ビジネスゴール」や「ユーザーゴール」「コンセプト」「特徴」などをしっかり設定することで、

どのようなアプリを実現したいかが具体的になります。

 

そうすると、実際に開発フェーズに入る時に、開発会社にどのようなアプリを作りたいかを伝えることができ、実現したいアプリに近づけるための

提案などをしてくれるので、上記のような課題や問題を解消しやすいです。

 

開発したアプリが使われない 

せっかくアプリを開発しても、ユーザーに使われなければ意味がありません。

継続して使ってもらうアプリにするためには、大きく以下の4点をしっかり行うことが重要です。

 

・アプリ制作の目的を明確にする

・競合や市場の調査を行う

・適切なプロモーションを行う

・リリース後にPDCAを回す

 

こちらも後述で詳しく説明しますが、まずはこの4つの事項を念頭においてプロジェクトを進めていきましょう。

 

|アプリの役割とゴール 

アプリ事業を始めるにあたり、「競合や他社も行っているから」「アプリが流行っているから」といったあやふやな理由でプロジェクトを進めると

失敗パターン行きになってしまいます。

まずは、アプリ化することでどのようなことができるのか、何が実現できるのかといったアプリの役割やアプリ事業におけるゴールを設定しましょう。

 

アプリの役割とメリットを把握する 

なぜ Web サイトをアプリ化するのか、SNS ではできないことなのかを考えず、「とりあえずアプリが必要だから開発しよう」と考えても、

軌道に乗せるのは難しくなります。まずは、アプリの役割がどのようなものなのか、アプリ化するメリットは何かを把握しましょう。

 

◆ アプリの役割 

アプリの役割は、新規顧客の集客ではなく、「顧客ロイヤリティの向上」です。

デジタルマーケティングの観点から役割を分担すると以下のようになります。

 

・自社のWebサイト:新規顧客の獲得・接客、ブランディング

・自社のアプリ:既存顧客の訪問頻度および単価等の向上

・他社のプラットフォーム:認知拡大、新規顧客の獲得

 

自社のアプリでは、顧客との接触頻度と好感度を高めていくことに注力することで、役割のバランスがよくなります。

 

Role of the app

 

SNS や オウンドメディア、広告プロモーションで認知を獲得した上で、自社アプリでは既存顧客と継続的に接点を持ち、

自社店舗やサービスへの顧客のロイヤルティを上げる役割を担います。

 

多くの企業にとって、アプリ化する目的は大きく2点でまとめる傾向にあります。

 

  1. 顧客との継続的な接点の増加、および機会損失の防止
  2. 自社店舗・サービスへの訪問頻度・滞在時間および購買単価の向上

 

◆ アプリのメリット 

Webサイトと比較したときに、アプリ化をするメリットは以下が挙げられます。

 

  • ページの読み込みを高速化でき、回遊中のストレスを軽減できる
  • プッシュ通知で顧客と継続的に接点を持てる
  • アプリ内で限定のポップアップを出すなど、デジタル接客に向いている
  • 顧客がログイン状態を保持しやすく、企業側も顧客を識別しやすい
  • 顧客の詳細なデータが残り、ユーザー分析などを行いやすい
  • 顧客データを活用することで、デジタル接客がしやすい

 

特に現代では、Web サイトを運用する上でも、スマートフォンから見やすいデザインの制作や読み込みの高速化といった「モバイルフレンドリー」

施策は必須になっています。

 

しかし、スマートフォンのブラウザから Web サイトを閲覧する場合は、どうしてもサービス品質に限界があります。

これを解消してくれる点が、アプリ化の最大のメリットでしょう。

 

また、情報過多の時代で、多くの企業が悩んでいることが「顧客と継続的に接点を持てない」という点です。

アプリであればホーム画面のアイコンやプッシュ通知からすぐに起動できるので、迷うことは少なくなります。

 

このように、アプリ化することで顧客をリピートさせやすくなるのもメリットです。

 

アプリ事業のゴールを設定する 

アプリの開発にはある程度のコストとリソースが必要になります。

 

だからこそ、「アプリによって新規顧客も増やしたい」「実店舗への貢献もマストだ」と複数の大きな目標を同時に掲げてしまう場合がありがちです。

複数のゴール設定をしてしまうと、「何のためにアプリをやっているのか」が浸透せず、現場がまとまらないというのがよくある失敗パターンです。

 

そのため、事業計画ではフェーズに分けてゴール設定をすることをおすすめします。

以下のように、フェーズごとにマイルストーンを設定するといいでしょう。

 

フェーズ1:社内の運用体制が整い、○万人のユーザーが定着する状態に

フェーズ2:売上へのコミットを強化し、投資を回収する

フェーズ3:ユーザーデータを活用し、施策などをできる状態にする

 

また、アプリを運用する上でKPIの設定」も必要です。運用における主要KPIは以下が挙げられます。

 

  • インストール数:アプリをストアからインストールした数
  • イベント数:インストール後のアプリ内イベントのアクション数
  • リテンション率:インストールしたユーザーがどれだけ継続して利用しているのか
  • DAU/MAU:特定の期間(日、週、月)アプリを起動したアクティブユーザーの合計数
  • ARPU:一定期間におけるユーザー1人あたりの平均収益

 

このように、Web サイトではあまり馴染みのない指標が KPI として検討されることも多いです。まずはこれらを事前に整理しておきましょう。

 

|アプリ開発時のチェックポイント 

技術的なことは社内のエンジニアや外注先の開発会社に頼るしかありませんが、アプリ事業に関わる部門が前提知識を持っているかは成否に影響します。

次は、開発プロジェクトをスムーズに進めるためにチェックしておきたいポイントをご紹介します。

 

|アプリ開発の工程を把握する 

アプリを開発する上で、全体的な流れを把握することが重要です。一般的にアプリの開発工程は以下の流れとなります。

 

  1. 企画:アプリを開発する目的や目標、ユーザーに提供したい体験などを明確にする
  2. 要件定義:必要な機能や操作フローやデータ管理などの要件を決める
  3. 設計・デザイン:求める機能を具体的な開発方法へ落とし込む
  4. 開発・実装:要件定義や設計を基に実際にアプリの開発を始める
  5. テスト:テストで実装した成果物が正確に動作するか仕様書を基に検証する
  6. リリース:完成したアプリをユーザーに提供するための準備する

 

特に重要なフェーズは、”何を作るか”を決める「要件定義」です。要件定義では企画書で出した機能案を具体的に落とし込んでいきます。

その際、「ユーザーストーリー(ユーザーがアプリを使ってできること)」を整理することが重要です。

 

【あわせて読みたい】アプリ開発にかかる期間の目安や一般的な流れを詳しく解説!

 

|最低限の機能を絞る 

よくある失敗ケースは、「作りたい機能を絞りきれず、予算を超えてしまうほど機能を詰め込んでしまった」といったことです。

この場合、最初から複雑な機能を実装しようとせず、必要最低限の機能を優先的に開発し、後から必要な機能を追加することをおすすめします。

 

なぜなら、アプリをリリースした直後と数年後では状態が異なっているからです。

アプリはリリースして終わりでなく、実際にユーザーが利用する中でレビューを受け改善していきます。

 

そのため、最初から機能を詰め込みすぎず「シンプルさ」に重点を置き、ユーザーを分析していくことで本当に必要な機能が見えてきます。

 

|本開発前にPoCを実施する 

作ってみたいアプリのアイデアはあるものの、実現可能かわからない場合は「PoC」を実施しましょう。

PoCとは、新しい概念・理論・アイデアを実際の開発に移す前に、実現可能性や効果を検証する工程のことです。

これを行うことで、実現可能性の評価を行い、改善点や課題を洗い出してみるのもひとつの手段です。

 

|開発会社と密なコミュニケーションをとる 

開発プロジェクトをスムーズに進めるためには、内製化の場合は開発メンバー、外注する際は開発会社と密なコミュニケーションをとることが必須です。

 

コミュニケーションが曖昧だと、完成イメージと違ったものができてしまったというケースに陥りやすいです。

 

特に、外注するときは「アプリ開発をする目的」をしっかり伝え、相手に自分がイメージしているものと齟齬がないようにすることが重要です。

開発工程の最初のフェーズである「企画」で、ビジネスゴールやユーザーゴール、コンセプトなどを設定した企画書を作成しておくことが鍵となります。

 

|パッケージ開発の場合はリスクも理解しておく 

はじめてアプリ事業を始める際、初期費用を抑えるために「パッケージ開発」を検討するケースが多いです。

 

開発手法には、ゼロから作る「スクラッチ開発」」と既存のパッケージを利用した「パッケージ開発」の2つの手法があります。

 

パッケージ開発は、既にある汎用性が高い機能が揃っているので、それをカスタマイズすることでアプリを作り上げることができます。

既存の機能を流用するためコストを抑えることができますが、あくまで決められた機能の中でカスタマイズをするため、自由度はスクラッチ開発と

比べると低いです。

 

そのため、パッケージ開発でアプリを構築してしまうと、いざ運用を始めてから「もっと顧客にパーソナライズした施策をやりたい」と思っても、

カスタマイズできないという失敗パターンもあります。

 

企画段階からリリース後もPDCAを回しながら改善していくことを想定し、パッケージ開発で事足りるのかを考えましょう。

 

|アプリを使ってもらうために 

開発したアプリをユーザーに使ってもらうためには、どうしたらいいのでしょうか?

以下では、実施すべきポイントを5つ挙げてご紹介します。

 

|プロモーションションを行う 

リリース時は、効果的なマーケティングや広報活動も含めて実施することが重要です。

想定したターゲットに刺さるプロモーションが行われているか、サービスの魅力やポイントがシンプルでわかりやすいかなどをチェックしましょう。

その際、ユーザーと同じ目線で「サービスに”興味”や”熱意”などの感情を抱けるか」を評価することもポイントです。

 

|ユーザーとの接点を増やす 

アプリをダウンロードされてはいるけど、継続的に使ってもらえないケースもあります。

 

その場合は、コンテンツを充実させたり、プッシュ通知などでユーザーとの接点を増やすなど、ユーザーを飽きさせない工夫が必要です。

 

2021 年秋にマッキンゼーが調査したレポートでは、「現代の消費者の 7 割はパーソナライズされたサービスを求めており、そのうちの 7 割は一元的な

サービスをされるとイライラする」というデータが出ています。

 

アプリは Web サイトに比べて「狭く、深く」の接客ができるため、プッシュ通知とアプリ内メッセージングというマーケティング施策を、

顧客の属性・グループごとに出し分け、ユーザーがパーソナライズされたと感じられるサービスを提供しましょう。

 

|操作ログなどでユーザーを分析する 

アプリでは、ユーザーの操作ログなどを基にユーザー分析が可能です。

ユーザーがどのような使い方をしているのか、どの機能が人気なのかを分析して把握しましょう。

また、ニーズの把握のためにはレビュー評価やユーザーインタビューも効果的です。

このように、ユーザー視点でデータ分析をし、時代とともに変わるニーズに合ったアプリへと改善していきましょう。

 

|PDCAを回す 

ユーザーのニーズを満たすアプリにするためには、しっかりとPDCAを回しましょう。

特に、リリース直後や初期段階では、ユーザーレビューやそこから得られたフィードバックを意識し、早い段階で分析・改良の小規模な

PDCAを回すことをおすすめします。

 

|運用・保守体制を万全にする 

アプリを安定稼働するためには、運用・保守の体制が万全である必要があります。

 

リリース後の不具合対応やOSのバージョンアップ対応、トラブル時の対応はアプリを運用する上で必要不可欠です。

 

たとえば、キャンペーンなどを行ったとき当初想定したユーザー数より膨れ上がります。

その際、アクセス遅延やサーバーダウンが起こってしまうといったトラブルが発生する可能性があります。

 

このようなトラブル時に、保守体制がしっかりしていないと復旧ができずユーザーにストレスを与えてしまいます。

 

内製化の場合は社内で運用・保守チームを作り、アプリ開発を外注する場合は、その開発会社が「運用・保守」までサポートしてくれるのかを

しっかり確認しましょう。

 

|まとめ:アプリ開発は事前準備が大切 

ここまで、アプリ開発を始める前に学んでおきたい失敗パターンや成功に導くポイントについて解説してきました。

 

アプリ開発でよく起こりがちな失敗パターンは以下の3つです。

 

・アプリそのものに関する知識不足

・開発プロジェクトがうまくいかない

開発したアプリが使われない

 

アプリ事業を計画し、アプリ開発をすることになったら、上記のような失敗パターンを把握し、その対策を練るなどの「事前準備」

しっかり行いましょう。

 

アプリ開発を始める前に、

 

・アプリの役割

・アプリ化の目的

・アプリ開発の流れ

 

を把握することで、本当にアプリ化する必要があるのか、アプリ化することによって何を実現したいのかが明確になり、開発に進める段階で

企画や要件定義がスムーズになるでしょう。

 

アプリ開発を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。