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2024/06/20
仮想空間で自分の分身を使ったコミュニケーションができる「メタバース」。
そんなメタバースに関連する新規サービスが続々と登場して、少しずつ盛り上がりを見せています。近年では、ビジネスシーンにおいてもメタバースを活用した新たな動きが見られるようになりました。メタバースが普及すれば、人々の働き方にも大きな影響を与える可能性があるでしょう。
本記事では、メタバースの基礎知識やビジネスに取り入れる際のポイントを活用事例も交えて解説していきます。
目次
|メタバースとは?
メタバースは、インターネット上の3次元の仮想空間を表す言葉です。「超越」という意味の「Meta」と、「世界」「宇宙」という意味の「Universe」という言葉が組み合わされ、「Metaverse(メタバース)」と呼ばれるようになりました。
と言っても、メタバースの概念は現在も漠然としており、確立された定義があるわけではありません。しかし、メタバースと呼ばれるものは以下のどれかにあてはまる傾向にあります。
・インターネットを介して人とリアルタイム・同空間でのやりとりができる ・独自の経済圏がある ・現実との連動性がある |
メタバースでは、ユーザーは自身の分身となるアバターを使って生活を送ります。仮想空間で物の売買、他者とのコミュニケーション、イベントの開催、街の散策などが可能です。これまでは主にオンラインゲームで先行して活用されていましたが、近年ではビジネスや音楽などのシーンでもメタバースが利用され始めています。バーチャルオフィスで仕事をしたり、仮想空間でオンライン会議やバーチャルライブに参加したりと、仮想世界は生活者の身近な存在になりつつあります。
|XRとメタバースの違い
XR(クロスリアリティ)とは「Cross Reality」を略した言葉で、仮想現実を体験するためのデバイスや技術の総称です。メタバースが仮想空間そのものを指すのに対して、XRは仮想空間に入り込むためのツールを指す点であるところに違いがあります。XRは、「VR(仮想現実)」「AR(拡張現実)」「MR(複合現実)」などの技術から成り立っています。
VRの技術では、ヘッドセットタイプのゴーグルやセンサーなどを用いて、仮想世界への没入感を高められるのが特徴です。ARは、現実世界をディスプレイに映した際に、仮想世界の情報を重ねて表示させる技術によって、現実世界を拡張させます。MRでは、現実世界に立体映像を浮かび上がらせることで、まるで実在しているかのような感覚を与え、現実世界と仮想世界を融合させます。
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|メタバースが注目される理由
メタバースは徐々に認知が広がりつつあり、新規事業の創出や市場の拡大など将来性が期待されています。ここでは、現在メタバースが注目を集めている理由を解説します。
|テクノロジーの進化
近年では技術の進歩によりメタバースを利用するハードルが下がっています。メタバースを活用したコンテンツやサービスは2000年代初頭から存在していましたが、当時は一般ユーザーや企業には浸透しませんでした。
その理由として、技術が未成熟でリアリティのあるコミュニケーションやクオリティの高い空間演出が難しかったことが挙げられます。これらの技術的課題は、テクノロジーの進化により解決しつつあります。また、昨今ではスマートフォンが普及し、VRゴーグルが低廉化したことで、メタバース利用に必要な機器を購入しやすくなりました。
今後はさらに多くのユーザーが流入し、マーケットサイズが拡大すると見込まれています。
また、2021年後半から再びメタバースが注目されるようになった理由は、Facebookの企業名変更の影響が大きいと言えるでしょう。
FacebookはSNS企業からメタバース企業へ転身すべく、2021年10月に社名を「Meta」に改めることを発表しました。この件で、メタバースという言葉は一気に市民権を得るようになります。
|NFT市場の盛り上がり
NFTとは、ブロックチェーンの仕組みを使って、デジタルデータの保有者情報を管理する技術です。「Non-Fungible Token」の略語で、日本語では「非代替性トークン」と呼ばれます。
NFTの登場によって、デジタルデータの保有者情報の証明が可能となり、偽造やコピーを防止できるようになりました。つまり、デジタルデータにも資産価値を与えられるようになったのです。
このNFTと仮想通貨を組み合わせれば、メタバース内で世界中の人々と経済活動を行えるようになることから、市場が盛り上がりを見せています。企業にとっては新規事業創出の可能性があり、大きなビジネスチャンスが期待できるでしょう。
|AR・VRとの関連性
「仮想空間」と聞くと、ARやVRを思い浮かべる方がいるかもしれません。以下では、ARやVRとメタバースの関連性について説明します。
|ARとは・ARとメタバースの関連性
ARは、「拡張現実(Augmented Reality)」の略で、デバイスを介して現実世界にデジタルデータを表示させる技術のことです。
メタバースは「インターネット上の仮想空間」のことなので、現実世界がベースとなるARとはまったく別のものとして語られる傾向にあります。
一方、現在「ARメタバース」の開発も進んでおり、ポケモンGOの開発元であるNiantic(ナイアンティック)は現実世界にメタバースをもたらすための「リアルワールドメタバース」を掲げています。
ARメタバースは本記事で説明しているメタバースとは異なる概念ではありますが、ARも広義な意味ではメタバースとしての開発が進んでいることにも留意しておくとよいでしょう。
|VRとは・VRとメタバースの関連性
VRは「Virtual Reality(仮想現実)」の略で、3次元のデジタル空間のことを指します。VRはメタバースと非常に親和性が高く、両者の区別をあいまいにしたまま語られることもよくあります。
メタバースを体験するにはVRゴーグルを用いることもあります。そのため、仮想空間のことを「メタバース」と呼び、アクセスするための手段や方法を「VR」と呼び分けることがあります。また、PlayStation 4のように1人でプレイする閉じた空間をVRと呼び、インターネットで複数人と繋がり、経済活動があるものをメタバースと呼ぶこともあります。
いずれにしても、現在はまだVRとメタバースを明確に分ける違いが確立されているわけではありません。
|ブロックチェーンとの関連性
また、メタバースを語る上で非常に重要な要素がブロックチェーンです。ブロックチェーンの技術により、メタバースに注目が集まったと言っても過言ではないほど、メタバースを語る上で欠かせません。
以下では、ブロックチェーンとメタバースの関連性について解説します。
|ブロックチェーンとは
ブロックチェーンとは仮想通貨に使われているデータベース技術のことです。ブロックチェーンは1つのデータを複数箇所で管理しているため「分散型台帳」とも呼ばれ、データの改ざんが非常に難しくなっています。
「データの改ざんがほぼ不可能」、つまりブロックチェーンによってデータが「唯一無二のものである」証明が可能となりました。
そして、この唯一性がデジタルデータに価値を生み出すようになりました。この価値のあるデジタルデータを売買する場としてメタバースが利用され始めています。たとえば、ゲーム内のアバターやアイテム、メタバース内の土地などが資産価値のあるデータとして実際に取引されています。
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|NFTが新しいビジネスを生んでいる
ブロックチェーンによる、データを唯一無二のものと証明できる機能を利用したのが「NFT(非代替性トークン)です。これは、デジタル資産の所有者を明確にできるもので、オリジナルデータを所有することに価値が生まれるようになりました。
「NFTアート」としてデジタルアートのデータ所有権の売買が行われており、日本人VRアーティストのせきぐちあいみ氏のNFTアートが約1,300万円で落札されたこともあります。このように高価な取引をされているNFTアートもあり、投資商品としても注目を浴びています。
たとえば、デジタルデータとしてのコスチュームや武器などもNFTとして売買できます。売買したNFTをメタバース内で利用できるよう開発が進んでいます。
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|ビジネスにおけるメタバースの活用事例
メタバースはビジネスシーンでどのように活用されているのでしょうか。さまざまな業界での活用事例をご紹介します。
|バーチャルショップ
バーチャルショップとは、3DCGで作成されたメタバース上の店舗のことです。メタバースECとも呼ばれます。従来のオンラインショップとは異なる形で、顧客の購買体験の向上を見込めると期待されています。
たとえば、友人のアバターと一緒に買い物を楽しめる点や、ショップのスタッフに相談しながら商品を選べる点は、メタバースならではの魅力といえるでしょう。海外顧客の獲得を目的として、すでに大手百貨店やコスメブランドがバーチャルショップを出店しています。
|オンラインイベント
近年、仮想空間を活用したオンラインイベントの開催が増えています。イベントの種類は、音楽フェス、バーチャルマーケット、ファッションショーまで多岐にわたります。メタバースではアバターで会場内を移動したり、他の参加者と交流したりと、まるでその場にいるかのような臨場感を味わえるのが魅力です。
また、イベントを開催する企業側は、会場のキャパシティを考慮する必要がありません。場所による制約がないため、リアルで開催する場合よりも多くの人を呼び込むことで、売上アップが期待できるでしょう。
|メタバース観光
国内外の観光地では、地域観光を仮想空間上で提供する取り組みが加速しています。代表例として挙げられるのは、沖縄県や大阪府、韓国のソウル市などです。
メタバースでは時間や場所、身体的な事情などを問わずに、誰でも世界中を旅行する感覚を味わえます。大手の旅行会社や代理店はメタバース観光への投資を進めており、仮想空間内に期間限定でバーチャル支店を設置する試みも行われました。
|バーチャルオフィス
メタバースに設置されたオフィスは「バーチャルオフィス(仮想オフィス)」と呼ばれます。
複数人が同じ仮想空間に集まって仕事をしながら、アバターで会議や息抜きの会話ができるのが特徴です。
社員がオフィスを離れて個別に働くテレワークでは、孤独を感じやすい点が課題となっています。そこでバーチャルオフィスを活用すれば、従来のオフィスと同様に、仕事中のコミュニケーションの活性化が期待できるでしょう。
|メタバース広告
メタバース上でも広告スペースが提供され、企業が広告を出稿できるようになりました。
仮想空間であるメタバースでは、デジタル技術を用いてこれまでにない新たな方法でユーザーにアプローチできることから、広告の可能性がさらに広がると考えられています。すでに多くの広告代理店がメタバース広告に参入し、メタバースの強みを生かした広告設計や広告戦略を模索しています。
|遠隔医療
医師がロボットを通じて遠隔で患者を診察するなど、メタバースで医療サービスを提供する試みが始まっています。医療分野では少子高齢化の影響を受けて、過疎地域における医療機関不足や、通院が困難な高齢者のケアなどが課題となっています。
このように医療にアクセスしにくい住民に対して、メタバースを活用して遠隔医療を提供できるようになれば、地域医療の問題を解決できる可能性があるでしょう。
|メタバースをビジネスに導入するメリット
メタバースを自社のビジネスに取り入れると、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。企業にもたらされるメリットをご紹介します。
|作業状況を可視化できる
企業がメタバースオフィスを活用すると、社員の勤務状況や作業進捗を可視化しやすくなります。メタバースオフィスには、ステータスの共有機能や社員同士のコミュニケーション機能など、便利な機能が搭載されています。テレワークを導入している企業でも効率的なマネジメントが可能です。管理職の負担軽減やジョブ型雇用の推進に役立つでしょう。
|経営コストの削減につながる
メタバースによる代替で、経営や事業に必要なさまざまなコストを削減できます。メタバースオフィスを利用する場合は、社員の交通費やオフィスの賃料・光熱費などが発生しません。イベントやセミナーを開催する際も、会場のレンタル料を抑えやすくなるでしょう。メタバースの構築には一定の費用がかかるものの、総合的に見てコスト削減が期待できます。
|情報を正確かつ迅速に届けやすい
メタバース内には、情報伝達の手段が豊富に用意されています。通話やチャットでコミュニケーションが取れるだけでなく、仮想空間に設置されたスクリーン上で複数人が同時に資料を閲覧したり、画面を共有したりすることも可能です。業務に必要な情報を効率的かつリアルタイムに届けられます。
|ビジネスチャンスの創出につながる可能性がある
メタバースのビジネス活用は、まだ始まったばかりです。参入企業には、メタバースを利用して販路拡大につなげたり、メタバース上で提供する新規サービスを開発したりと、多くのビジネスチャンスが期待できます。今後もテクノロジーの進化により、メタバースでできることの幅がさらに広がる可能性があると言えます。
|現実世界でのハンディキャップを解消しやすい
メタバースが普及すると、多くの人にとって住み良い社会を実現できます。前述のメタバース観光や遠隔医療などの事例でも、現実世界でのハンディキャップが解消されて、必要なサービスにアクセスしやすくなるケースをご紹介しました。メタバースによって、身体的な事情がある人も気軽に旅行を楽しんだり、住環境にかかわらず平等に医療サービスを享受したりできる社会が実現されるかもしれません。
|メタバースをビジネスに活用する際の課題
メタバースのビジネス活用には、いくつかの課題があります。自社のビジネスにメタバースを取り入れる際は、以下のポイントを確認しましょう。
|法整備が追いついていない
現状、メタバース内での事象に対する法律やルールの整備は十分とはいえません。商取引やメタバースオフィスでの法人設立をはじめとして、今後の法整備を待たなければならない部分も多くあるでしょう。また、メタバースではアバター同士のコミュニケーションにおけるトラブルや、ハラスメントの被害なども報告されています。メタバースを導入する際は、社内のルール整備を進めると同時に、法整備について常に最新情報を確認することが大切です。
|メタバースの構築に時間と費用がかかる
自社のメタバースオフィスや顧客向けのコミュニティなど、独自のメタバースプラットフォームを構築するには、一定の時間と費用がかかります。ただし、近年ではメタバース構築に関するサービスも増えつつあり、社内でエンジニアを確保できない企業でも、プラットフォームを作りやすくなっています。
|セキュリティに留意する必要がある
オンライン上でサービスを提供するメタバースでは、セキュリティ対策が必須となります。特に、社員がメタバースオフィスで働く場合には、自社の営業秘密や顧客データをはじめとした機密情報を、オンラインで取り扱う可能性もあるでしょう。情報漏えい事故を防ぐためにも、セキュリティ強化に取り組み、セキュリティに信頼がおけるベンダーやサービスを選定することが大切です。
|メタバースオフィスの導入時に確認すべきポイント
メタバースサービスの中でも、ビジネスに導入しやすいのが「メタバースオフィス」です。ここではメタバースオフィスを導入する際に確認すべきポイントを解説します。
|PCへの負荷
PCへの負荷が大きいメタバースオフィスを導入すると、操作性が悪くなるおそれがあります。業務効率や生産性の低下を招くため、負荷が大きいサービスは避けて、可能な限りメモリの使用量が少ないサービスを選びましょう。PCの性能がサービスの推奨スペックを満たしていない場合は、リプレースも検討しましょう。
|機能の充実度
メタバースオフィスのサービスは、機能面を重視して選ぶようおすすめします。
たとえば、社内コミュニケーションの活性化を目的に導入する場合は、社員同士がスムーズに連携できるよう、チャットやオンライン会議などの情報共有に役立つ機能が必要です。ほかにも、勤怠管理やタスク管理をはじめ、自社が求める機能に関する充実度を確認して選ぶようにしましょう。
|社内ツールとの連携性
メタバースオフィスと既存の社内ツールを連携させると、業務効率化の効果が期待できます。
テレワークを実施している企業では、すでにオンラインで仕事を進めるために活用している業務ツールが多くあることでしょう。これらの社内ツールとの連携性を確認した上で、メタバースオフィスのサービスを選定するようにしておくと安心です。
|デザインやUIの使いやすさ
社員が快適に働けるメタバースオフィスを提供するためにも、サービスのデザインやUIの使いやすさを重視しましょう。操作性の悪さにより社員がストレスを感じると、生産性の低下を招くおそれがあります。導入前に無料トライアルなどを利用して、社員からのフィードバックを参考にサービスを選定すると良いでしょう。
|まとめ
メタバースは3次元の仮想空間のことで、特にブロックチェーンによる経済圏を持つものを指すこともあります。しかし、まだ確立された概念ではないので、現状メタバースはさまざまな意味で使われているという点に留意しておきましょう。
近年のテクノロジーの進化などを背景に、ビジネスシーンでも徐々にメタバースの活用が始まっています。これまでにない新たなビジネスの創出や、より良い社会の実現につながるとして、多くのメリットが期待されている状況です。社員が仮想空間で働くメタバースオフィスが身近になり、テレワークと併せて導入する企業が増えつつあります。ご紹介したポイントを参考に、注目のメタバースを自社のビジネスでご活用ください。
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