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GPT-4o vs GPT-4|各モデルの違いや特徴をわかりやすく解説!

2024/06/18

2024年5月13日にリリースされた「GPT-4o」は、GPT-4の後継モデルとして、前モデルからの性能の向上や、新たに追加された機能に世界中から注目が集まりました。

 

そこで今回は、「GPT-4o」と前モデルの「GPT-4」の違いを深掘りし、それぞれの機能や性能、そして応用の可能性を詳しく解説します。

 

「結局、どっちのモデルを使ったら良いの?」「GPT-4oは何ができるようになったの?」など、 ChatGPTの最新情報をキャッチアップしたい方はぜひご覧ください。

 

 

 目次 

● GPT-4oとは?

● GPT-4oの主な特徴

 ▶︎ リアルタイムマルチモーダル処理

 ▶︎ 人間に近い応答時間

 ▶︎ 高度な言語サポート

 ▶︎ コスト効率

● GPT-4oとGPT-4の特徴を比較

 ▶︎ マルチモーダル機能

 ▶︎ 応答時間

 ▶︎ パフォーマンスとコスト効率

 ▶︎ 自然言語理解

 ▶︎ 会話能力

● プログラミング使用時の比較

 ▶︎ コードのシンプルさと可読性

 ▶︎ エラー処理

 ▶︎ インポート

● モデルの安全性と制限の比較

 ▶︎ 安全機能

 ▶︎ 制限事項

 ▶︎ 提供とアクセス

● GPT-4oにアクセスするには?

● まとめ

 

 

 

|GPT-4oとは? 

GPT-4oは、OpenAIの最新の生成AIモデルで、より強化された自然言語処理(NLP)機能を備えています。このモデルは、出力速度・解答の質・対応言語など、前モデルに欠けていた性能も向上しています。また、GPT-3.5とGPT-4をベースに、テキスト、音声、画像をリアルタイムでシームレスに統合処理します。

 

この統合によって、より高速で多用途、かつ統一された自然な対話体験が実現できるようになりました。

 

OpenAI CTOのミラ・ムラティ氏は、GPT-4oの発表イベント(ライブデモ)にて、以下のような発言をしました。

 

“GPT-4oはGPT-4よりはるかに高速で、テキスト、ビジョン、オーディオのすべての面でその能力を向上させています。過去数年間、私たちはこれらの

モデルの知能を向上させることに非常に集中してきました。”

 

実際に、GPT-4oは50以上の言語に対応し、グローバルなユーザーに対応することで、カスタマーサポートからコンテンツ作成まで、さまざまなタスクに対応する多用途なアシスタントとなっています。

 

 

 

|GPT-4oの主な特徴 

GPT-4oにはどのような特徴があるのでしょうか?ここでは、主な特徴を4つ挙げてご紹介します。

 

 

|リアルタイムマルチモーダル処理 

GPT-4oは、テキスト、音声、画像を同時に処理し、違和感なく統合することができます。また、これらの形式を自由に組み合わせて出力することも可能です。

 

下記はGPT-4oと他モデルの画像認識の性能を比較した図ですが、すべての値でGPT-4oの性能が優れていることがわかります。

 

出典:Hello GPT-4o|OpenAI

 

 

|人間に近い応答時間 

音声入力に対して、わずか最短232ミリ秒(平均320ミリ秒)で応答することが可能です。これは人間の会話速度に近く、よりインタラクティブな会話を実現します。

 

 

|高度な言語サポート 

GPT-4oは、GPT-4 Turboの英語テキストおよびコード生成のパフォーマンスに匹敵しながら、英語以外の言語においても優れた性能を発揮します。

 

下記は、GPT-4oと他モデル(Meta、Google)の音声翻訳のパフォーマンスを比較したものです。すべてのモデルよりも音声翻訳の性能が優れていることがわかります。

 

出典:Hello GPT-4o|OpenAI

 

 

|コスト効率 

APIを通じて使用する際に、高速かつコストが50%削減され、より手頃な価格で利用できます。

 

以下は、OpenAIが公開したChatGPT-4oのデモ動画です。

出典:Hello GPT-4o|OpenAI

 

会話では、OpneAI社員に向かって「OpenAIのパーカー、良いチョイスだね!」や「周りの雰囲気を見る感じだと、何か収録してるの?」 といったリアルタイムで音声・映像を認識しながら、自然な会話を実現しています。 

男性の「今、君の発表をしているんだよ!」という言葉に対して、 「え、私!?(笑)」とリアクションする様子は衝撃的です。

 

 

 

|GPT-4oとGPT-4の特徴を比較 

次は、GPT-4oとGPT-4の特徴を下記の項目ごとに比較していきましょう。

 

◯ マルチモーダル機能

◯ 応答時間

◯ パフォーマンスとコスト効率

◯ 自然言語理解

◯ 会話能力

 

 

|マルチモーダル機能 

GPT-4 主にテキストベースのインタラクションに焦点を当てており、さまざまな文脈や言語におけるテキストの理解と生成に優れています。
GPT-4o テキストに加えて、「音声」や「画像」も扱うことができます。このマルチモーダル機能により、音声入力の理解、画像生成、テキストと組み合わせたより豊かなインタラクションが可能です。

 

 

|応答時間 

GPT-4 テキスト生成を迅速に処理しますが、入力と出力によっては遅くなることがあります。
GPT-4o テキスト、画像、音声入力に対してわずか232ミリ秒で応答、平均応答時間は320ミリ秒です。これは人間の会話速度に近く、インタラクションがよりスムーズでリアルに感じられます。

 

 

|パフォーマンスとコスト効率 

GPT-4 テキスト生成とその理解において高いパフォーマンスを発揮しますが、リソース集約的です。
GPT-4o テキストにおいてGPT-4 Turboと同等のパフォーマンスを発揮しながら、APIを通じて使用する際に高速でコストが50%削減されます。英語以外の言語認識も優れていて、視覚および音声の理解度も高いです。

 

 

|自然言語理解 

GPT-4 テキストの理解と生成に優れており、長い会話でも文脈を維持しながら、正確な応答が可能です。
GPT-4o テキストの理解と生成を強化、および音声・画像処理を統合することで、入力の全体的な理解が深いです。また、テキスト、音声、画像を含む出力を生成できます。

 

 

|会話能力 

GPT-4 これまでの文脈を理解し、詳細で正確な応答を提供します。
GPT-4o 会話のトーン、複数の話者、背景ノイズを理解することで、インタラクションをよりダイナミックかつリアルにします。

 

 

 

|プログラミング使用時の比較 

続いて、プログラミングにおける異なるアプローチを使用したときの結果を比較してみましょう。

 

|プロンプト 

'React Hook Form' を使用して「パスワード確認」フィールドを実装し、確認パスワードを入力中にエラーメッセージがリアルタイムで表示されるようにしてください。この実装にReactを使用しています。

 

|生成結果 

 

 

|コードのシンプルさと可続性 

GPT-4 clearErrorsの含有とuseEffect内の追加ロジックにより、やや複雑です。エラーの設定とクリアの両方を明示的に管理する必要があります。
GPT-4o clearErrorsを含まないため、useEffectフック内の複雑さが減少し、よりシンプルです。

 

 

|エラー処理 

GPT-4 useEffectとonSubmitの間でエラー処理が分割されており、エラー状態の管理が分散され、デバッグが困難になる可能性があります。
GPT-4o パスワード不一致エラーをonSubmit関数内で直接処理し、エラー状態の管理をより直接的かつ一か所で完結させます。

 

 

|インポート 

GPT-4 clearErrorsの追加インポートがあるため、多少整理されていないです。
GPT-4o 不要なインポートを避け、よりクリーンで一貫性のあるインポート文が特徴です。

 

 

GPT-4oは、シンプルさと可読性の点でより最適化されていました。パスワードが一致した際のエラーを明示的にクリアする余計な複雑さがなく、状態とエラーの管理を効果的に行っています。これにより、コードのメンテナンスと理解が容易になります。

 

しかし、これはAIによって生成された分析であり、実際にはGPT-4のコードが特定の状況でより最適な結果をもたらす場合もあります。どちらが自分にとって最適かは、実際に試してみることをおすすめします。また、テキスト生成の速度に関しては、GPT-4oが優れていました。

 

 

 

|モデルの安全性と制限の比較 

GPTに限らず、生成AIはセキュリティ面と制限も重要な要素となります。GPT-4oとGPT-4のモデルの安全性と制限についても比較していきます。

 

 

|安全機能 

GPT-4 テキスト生成に特化した安全対策を実装しており、有害なコンテンツのフィルタリングや倫理的なガイドラインの遵守を徹底しています。これにより、ユーザーが安心して利用できる環境を提供しています。
GPT-4o すべてのモダリティに対して安全性を強化しています。高度なフィルタリングやトレーニング後の調整に加え、新しい音声出力の安全システムを導入しています。また、外部の広範なテストと評価を通じて、包括的なリスク管理を実現しています。

 

 

|制限事項 

GPT-4 テキストインタラクションに限定されており、マルチモーダルな理解を必要とするシナリオでは適用が制限されることがあります。このため、複数の感覚情報を統合するような高度なタスクには不向きです。
GPT-4o 高度な技術を持ちつつも、複雑な感情の理解や複数話者の環境の正確な解釈においてこれらの制限を克服するために、継続的な改良が必要です。

 

 

|提供とアクセス 

GPT-4 さまざまなプラットフォームやAPIを通じて広く利用可能であり、特にテキストベースのアプリケーションに重点を置いています。これにより、多くの開発者や企業が簡単に導入できるようになっています。
GPT-4o テキストおよび画像機能を提供することで、さらに多くの利用シーンに対応しています。無料ティアおよびPlusユーザーには、より多くのメッセージ制限が設けられており、ChatGPT Plusでは新しいバージョンのボイスモードが近日中に利用可能になる予定です。開発者はAPIを通じてGPT-4oにアクセスでき、音声およびビデオ機能は信頼できるパートナー向けに提供される予定です。

 

 

 

|GPT-4oにアクセスするには? 

GPT-4oは、ChatGPTのさまざまなプランで利用できます。以下に各プランごとの利用方法を簡単に説明します。

 

 

|ChatGPTの無料プランの場合 

無料プランのユーザーは、基本的にGPT-4oを使用できますが、メッセージ数に制限があります。この制限は、使用状況や需要によって変動します。GPT-4oが利用できない場合、無料プランのユーザーは自動的にGPT-3.5に切り替わります。

 

無料プランのユーザーは、以下のような高度なツールを使用する際にメッセージ数に制限があります。

 

◯ データ分析

◯ ファイルアップロード

◯ 検索

◯ GPTの検索および使用

◯ ビジョン

 

なお、無料プランのユーザーは、いつでもPlusにアップグレードできます。

 

 

|ChatGPT PlusおよびTeamの場合 

ChatGPT PlusおよびTeamの加入者は、chatgpt.comでGPT-4およびGPT-4oにアクセスできます。これにより、より多くの機能と高性能なモデルを利用できます。

 

|モデルの選択 

ChatGPT PlusおよびTeamのユーザーは、ページ上部のドロップダウンメニューからGPT-4oを選択できます。

 

 

 

|メッセージの制限 

・Plusプランの制限:

 2024年5月13日から、PlusユーザーはGPT-4oを使用して3時間ごとに最大80メッセージ、GPT-4を使用して3時間ごとに最大40メッセージを送信できます。ピーク時には、より多くのユーザーがアクセスできるように制限が減少することがあります。

 

・Teamプランの制限:

ChatGPT Teamのワークスペースでは、GPT-4およびGPT-4oのメッセージ制限がPlusプランよりも高く設定されています。

 

・未使用メッセージの累積なし:

未使用のメッセージは次の時間枠に持ち越されません。たとえば、6時間待っても次の3時間で利用できるメッセージ数は増えません。

 

モデル 無料 Plus Team
GPT-4o 制限あり 最大80メッセージ(3時間ごと) Plusプランより多い
GPT-4 最大40メッセージ(3時間ごと) Plusプランより多い
GPT-3.5 無制限

 

このように、ChatGPT PlusとTeamのプランは、より多くのメッセージを送信でき、強力なモデルにアクセスできるため、より多くの機能と利便性を提供します。

 

 

 

|まとめ 

GPT-4oはGPT-4の強固な基盤の上に構築され、マルチモーダル処理とリアルタイムインタラクションにおいて大きな進歩を遂げています。

 

どちらのモデルにも強みがありますが、GPT-4oはテキスト・音声・画像を統合し、より迅速にテキストや結果を生成できる能力があり、幅広いアプリケーションに対してより多用途で効率的なツールとして際立っていました。

 

無料で体験できるので、この機会にぜひお試しください!

 

 

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