VNEXTの会社紹介資料
2023/12/11
ネットショップで食品や衣服、雑貨などを購入した経験がある人は多いのではないでしょうか?
これらを購入するWebサイトを「ECサイト」とも言います。
PCやスマートフォンの普及に伴いユーザーが増え、これまで店頭での販売を行っていた企業も多くECサイト上での販売を取り扱うようになりました。
本記事では、今さら聞けないECサイトの基本や種類、ECサイトの導入成功事例などについて詳しく解説していきます。
目次
|ECサイトとは?
ECサイトとは、本来は「Eコマース(EC,E-Commerce)」(電子商取引)を行うすべてのWebサイトを総称する言葉で、ネットショップ以外にも
ネットオークションサイト、コンテンツ配信サイト、オンライントレードのサイトなどが含まれます。
しかし、近年では『インターネット上で商品やサービスを販売するWebサイト』という意味で、ECサイトという言葉が使われています。
ECサイトには、営業時間や休業日の概念が一切なく「いつでも・どこでも・誰とでも」取引を行い、利益を上げることが可能です。
そのため、実店舗だけでなくECサイトで商品を販売する企業が年々増加しています。
また、時差も関係なく、世界中の国や地域とビジネスができることから「越境EC・クロスボーダーEC」という言葉も生まれ、海外へ販路を拡大したい
企業からも注目を集めています。
|ECサイトとネットショップの違い
『インターネット上で商品やサービスを販売するWebサイト』としては、ECサイト以外にネットショップやオンラインショップという言葉もあります。
両者に明確な違いはなく、基本的には同じものです。
誰の視点でサイトを呼ぶかで、ECサイトまたはネットショップと呼ぶかが変わります。
ECサイトは、サイト設計者や運営者側から見た名称です。
Webサイトの種類を区別する名称としてECサイトという言葉を使っています。(例:ECサイトを開設する)
一方、ネットショップやオンラインショップは、利用者側から見た名称です。
買い物する場所がインターネットか実店舗かを区別する呼び方となっています。(例:ネットショップで買い物する)
|ECサイトの基本的な仕組み
ECサイトは、商品やサービスを販売するための仕組みになっています。
ECサイトの仕組みは非常にシンプルで、下記の3つが基本的な仕組みです。
- 商品の画像・紹介文・値段などの情報をサイトに掲載する
- ユーザーが購入ボタンをクリックし、決済をする
- 運営社が商品を発送する
ユーザーがネットで買い物をする際は、画像を見て商品を選び、カートに入れてお金を払い、商品が届くのを待ちます。
運営する場合も基本的な段取りは同じで、商品を送る側になるだけです。
ただし、運営側は商品が売れるように画像の見映えに気を配ったり、利用者の多い決済方法を取り入れたり、どうやって商品を配送するかなどを
1つずつ決めていく必要があります。
また、ECサイトが軌道にのってくると、在庫管理や伝票管理、仕入れ先や配送先との連携などといった「管理業務」も発生してきます。
これらを楽にするための機能を、ECサイト制作ツールを提供する各社が競って開発しており、「Shopify」、「EC-CUBE」、「Magento」など、
さまざまなサービスが出ています。
ECサイト制作ツールでは機能が多すぎて使いこなせないケースもありますが、骨格はとてもシンプルなのがECサイトです。
たくさんの機能はおいおい導入を検討するとして、まずは画像や商品説明などを載せて、注文を待ってみるところまで進めてみましょう。
|ECサイトの種類
ECサイトの種類は大きく分けて、下記の2種類があります。
種類 | 概要 | 例 |
モール型ECサイト | 1つのECサイトに複数のショップが出店しているECサイト | 楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonなど |
自社ECサイト | 商品やサービスを販売する企業自体が運営するECサイト | ユニクロ、無印良品、ニトリなど |
|モール型ECサイト
モール型ECサイトの特徴は、自社でドメインやサーバーを契約する必要がなく、実店舗のショッピングモールのように「モール内の敷地を借りる」と
いう感覚で出店できることです。
また、モール型ECサイトはモールが提供するシステムを利用し、決済もモールが代行します。
ショップのひな型や店舗管理システムが用意されているので、出展者はECサイトを自分で構築する必要がありません。
モールに出店する最大のメリットは「モールの集客力に期待できる」という点が挙げられます。
特に、楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazonなどの大手ECモールにはすでに多くのユーザーが存在しているため、集客力に自信がない企業にも
おすすめです。
一方で、独自性が出せないことやコスト面でデメリットがあります。
モール型ECサイトは、出店者・出品者がサイトに使用料や手数料を支払う仕組みになっています。また、ユーザーは出品者がどこかは意識せずに
買い物をするため、ブランドのファンを作りにくいのも欠点です。
|自社ECサイト
自社ECサイトは、自分でECサイトを構築する方法で、全く何もないところから立ち上げるケースや、「ECサイト構築ツール・サービス」、
「ショッピングカート・サービス」を使ってつくり上げるケースなど、さまざまです。
メリットとしては、サイトの「自由度が高い」点です。
世界観を大切にしたいブランドや、すでに知名度があり自社で集客できる企業などにおすすめです。
また、独自の会員制度やポイント制度をはじめ、新商品発売のキャンペーン実施なども可能で、顧客の要望を反映してサイトを育てていくような
楽しみ方もできます。
ただし、自社でECサイトを構築する必要があるため開発費用がかかるだけでなく、モールのようにあらかじめ用意されたシステムがないので、
決済システムやセキュリティシステムなどを自社で制作する必要が生じます。
自社ECサイトの構築方法や開発費用に関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
|ECサイトの市場規模
年々、増加傾向にあるEC市場ですが、実際に国内のECサイト市場規模はどのくらいあるのでしょうか?
経済産業省より2023年8月に発表された「令和4年度電子商取引に関する市場調査」によると、2022年の消費者向けEC(BtoC-EC)の市場規模は、
約22.7兆円(前年約20.7兆円、前年比9.91%増)で拡大傾向です。
また、同年の企業向けEC(BtoB-EC)の市場規模は約420.2兆円(前年比12.8%増)と、消費者向けのECよりも市場が拡大傾向にあります。
食料品や衣料品、生活家電、AV 機器、PC・周辺機器など、これまでは手にとって購入する機会の多かった品目でもEC化が進んでいます。
この背景として、新型コロナウイルス感染症拡大により在宅時間が増えたことが挙げられています。実店舗で購入していた物をネットショップで
購入するスタイルが定着しつつあり、2022年も引き続きEC化率が進んでいることから、この先もEC市場は拡大していくでしょう。
|ECサイトのビジネスモデル
インターネット上でモノやサービスを販売するECサイトは、「販売者」と「販売対象者」によってのビジネスモデルが異なります。
以下では、ECサイトの代表的なビジネスモデルについて、それぞれご紹介します。
・BtoC-EC
・BtoB-EC
・CtoC-EC
・DtoC-EC
・越境EC
・卸売EC
|BtoC-EC
BtoCは「Business to Consumer」の略で、企業から消費者にモノやサービスを販売することを指します。
幅広い商品を取り揃える「総合通販」や、特定のジャンルやブランドに絞った「単品通販」など、販売方法はさまざまです。
一般消費者を対象にしているため、広告やブランディングに力を入れる企業も多く、ブランドイメージや流行によって売上が左右されるという
一面もあります。
|BtoB-EC
BtoBは「Business to Business」の略で、企業間の取引のことを指します。
たとえば、自動車部品の製造企業が自動車メーカーに部品を卸す、半導体を製造する企業がパソコン製造メーカーに半導体を卸すなど、企業が企業に
対して商品やサービスを提供するビジネスモデルです。
BtoCに比べて単価が高く、取引も長期に渡るのが大きな特徴です。
|CtoC-EC
CtoCは「Consumer to Consumer」の略で、個人間の取引のことを指します。
近年では、個人がモノやサービスを売買できるプラットフォームが増え、EC市場としてはまだ小さいものの、年々成長しています。
CtoC-ECは「ネットオークション」と「フリーマーケットアプリ(フリマアプリ)」の2つに分けられ、それぞれ価格の決め方が異なります。
ネットオークションは「ヤフオク!」、フリマアプリは「メルカリ」が有名なプラットフォームで、消費者同士の個人売買が活発に行われています。
|DtoC-EC
DtoCは、「Direct to Consumer」の略で、メーカーが自社サイトを構築し、商品を直接消費者に販売する商取引のことです。
従来のように卸業者や小売店が間に入ることがなく、中間コストの削減に効果的です。
メーカー側に顧客情報が集まる、消費者と直接ふれあえるなど、マーケティングに活かしやすい条件が整っているビジネスモデルともいえます。
|越境EC
越境ECとは、国境を越え、海外に向けてEC販売するビジネスモデルのことです。
AmazonやeBayといった海外のECモールに出店する方法のほか、自社で海外向けのECサイトを構築する方法、代行販売業者を通して海外顧客に
商品を販売する方法などがあります。
海外向けの販売に対応することで市場拡大というメリットが大きいですが、言語への対応や国ごとの規制に従った商品企画や販売など、国内とは
異なるさまざまな対応が必要になります。
|卸売EC
卸売ECは、卸売を行っている企業が販売をECサイトで行う「BtoB-EC」の一種です。
メーカーが卸売企業へ商品を卸す際に、卸売ECを利用することもありますが、主にはメーカーから商品を仕入れた卸売企業がスーパーや商店などの
小売り業者へ、ECサイトを利用して商品を卸すことが多いです。
卸売ECは業務効率化につながるだけでなく、これまで取引のなかった遠方の顧客など、新規顧客の開拓にもなることから、卸売業者によるEC化が
増加しています。
|ECサイトに必要な機能と準備
ここまで、ECサイトの基本や種類を解説してきましたが、いざECサイトを開設する際にどのような機能と準備が必要になるのでしょうか?
以下では、ECサイトに最低限必要な機能と準備について解説していきます。
|必要な機能
ECサイトに最低限必要な機能を、ユーザー側と管理者側でまとめたものが下図になります。
上記の機能があれば、ECサイトを運営することが可能になります。また、個人データを保護する「セキュリティ」機能(SSL)も必須です。
ECサイトを開設する際、まずは「ECサイトで何を成し遂げたいのか」「どのくらいの売上を達成したいのか」といった部分を明確化する必要があります。
その目的によっては、集客系の機能(SNS連携、ウェブ広告配信など)や分析ツールなどの機能を実装しなければなりません。
ただし、不要な機能まで装備すると運営しづらくなるうえに、ユーザーの混乱をまねく可能性もあるので注意しましょう。
|必要な準備
ECサイトでは、機能以外にも準備すべき項目が下記のようにたくさんあります。
◆ 商品登録:写真撮影・加工、商品説明文の作成
◆ サイトデザイン:バナー作成、ロゴ作成
◆ 受注・問い合わせ:受注管理やカスタマーサポートの人員配置
◆ 在庫管理〜発送:倉庫や店舗での在庫保管、受注後の検品・梱包・発送業務
◆ アクセス解析:解析ツールの導入、データをもとに目標設定
◆ 集客:販促企画、SNS・ブログでの情報発信、ファンとの交流
サイト構築・オープン後は、コンテンツの更新や不具合をチェックしながら少しずつ改善していきましょう。
その際、アクセス解析でデータを確認したりユーザーの動きを把握したりと、蓄積した情報をもとにサイトを改善していくと、より使いやすい
ECサイトへと成長しやすくなります。
|ECサイト運営の業務
ECサイトを運営するのは一見簡単そうに見えますが、実際の運営業務は多岐にわたり、担当者には幅広い知識が求められます。
ECサイトの運営業務は大きく4つに分けられます。それぞれ見ていきましょう。
|商品管理
商品管理とは、商品の仕入れ・在庫管理・データ管理などの一連の業務のことです。
迅速かつ効率的な出荷を行うとともに、在庫については過不足がないよう最適な量に調整します。
|サイト管理
サイト管理とは、ECサイトへの商品登録・情報更新といったサイト運営に関わる一切の管理業務のことです。
この中には、季節ごとのイベントや特集ページのコンテンツ作成も含まれます。
また、アクセス解析やSEO対策といった集客やマーケティングに関わる業務も行います。
サイト管理業務は、自社のECサイトを集客力のあるものに育てるための業務といえるでしょう。
|サポート業務
サポート業務は、顧客からの問い合わせ・相談・クレームなどに対応する業務のことです。
通常はメールまたは電話で対応します。サポート業務は直接お客様とやりとりするため、ECサイト運営にとって非常に重要な仕事です。
|売上・発注管理
売上・発注管理とは、ECサイトの売り上げ管理と売上計画を立てる業務です。
売上管理の多くは入金確認と販売管理に集約されます。
銀行振込の場合は銀行口座の照合、クレジットカードの場合は決済システムから入金を確認し、販売管理データの消し込み(売掛金などが
請求通りに回収できているかを確認すること)などを行います。
発注管理では、商品の発注計画を立て、過不足がないよう仕入れを行います。
|ECサイトの技術的な方向性
ECサイトに活用されている技術面にも注目してみましょう。
近年のECサイトでは、AIやチャットbot、音声検索などの新興技術が売上に大きく貢献しています。
また、市場や顧客ニーズが変化しやすい現代では、よりパーソナライズ化されたユーザー体験を提供するECサイトが求められています。
|ECサイト導入の成功事例
最後に、国内企業でECサイトを導入し、成功した事例を3つご紹介します。
|梅乃宿酒造株式会社
梅乃宿酒造株式会社は、自社ECサイト「梅乃宿酒造公式オンラインショップ」を運営しており、主に自社でお酒の開発から販売を行っています。
「梅乃宿酒造公式オンラインショップ」では、CRM施策を活用した結果、売上が10倍に伸びました。
元々、顧客の行動履歴や購入履歴など、顧客の情報を活用した施策が行えていませんでしたが、ECカートシステムのリニューアル後に、カート内の
多様なCRM機能を活用したことで売上が向上しました。
具体的には、顧客の行動や購買データをもとにして、属性ごとに分けて適切なアプローチをしたことや、顧客情報を活用したプロモーションを実施し
お客様の購入意欲を促したことで売上がUPしました。
|株式会社コーカス
株式会社コーカスは、自社ECサイト「SuiSavon-首里石鹸-」を運営しており、沖縄発のスキンケアブランド「首里石鹸」の販売を行っています。
「SuiSavon-首里石鹸-」では、顧客一人ひとりに合わせたメルマガ配信やクーポン・ポイントを配布することで、顧客の満足度を向上しつつ、
売上を3倍にしています。
元々、顧客の行動履歴や購買データは保有しているものの、細かな分析機能がないことやクーポン・ポイント配布を手動で行っていたことから、
業務工数に課題を感じていました。
そこで、手動から自動で配布できるかつ、顧客に合わせたプロモーションを可能にすることで、業務工数を削減しながら売上の向上を実現しました。
また、LINEとECサイトの会員IDを連携することで、ログイン時のお客様情報の入力工数削減や、LINE上でのメルマガ配信でメッセージの開封率を
向上させています。
|株式会社アイジーエー
株式会社アイジーエーは、レディースカジュアルウェアブランドである「axes femme」の自社ECサイト運営をしており、ZOZOTOWN・楽天ファッション
など複数のモール展開をしています。
この「axes femme」は1日の最大売上を2倍にし、2年連続で売上目標120%達成しました。
売上を向上させている要因として、アプリとECサイトを連携させて顧客の利便性を向上させたり、Instagramを活用して、情報拡充や顧客をファン化
させてLTVを向上させて売上UPにつながっています。
現在では、オムニチャネル戦略*を展開し、複数のモールと連携して売上の向上を目指しています。
*オムニチャネル戦略:実店舗やアプリ、カタログ、SNS、ECサイトなど、顧客とのあらゆる接点(チャネル)で最適な購買体験を提供することで販売増を目指すマーケティング手法
|まとめ
ECサイトとは、インターネット上で商品やサービスを販売するWebサイトのことです。
ECサイトでは、営業時間や休業日の概念が一切なく「いつでも・どこでも・誰とでも」取引を行い、利益を上げることが可能です。
一口にECサイトといっても、「モール型EC」と「自社EC」の2種類があり、それぞれメリットやデメリットがあります。
また、ビジネスモデルや運営する上での業務も多岐に渡ります。
まずは、「ECサイトを開設する目的」を明確にし、自社に合ったECサイトを運営するために情報収集から始めてみてはいかがでしょうか?
弊社VNEXTでは、幅広い業界・分野のECサイト構築サービスを提供しています。
VNEXTの「EC Solution」をまとめた資料が下記バナーより無料ダウンロードできますので、この機会にぜひご覧ください!