VNEXTの会社紹介資料
2023/11/01
DXやSDGsの取り組みが活発化する今、紙文書の電子化・ペーパーレス化に取り組む企業が増えつつあります。
このような動きの中で、注目されている技術が「OCR(オーシーアール)」です。
OCRとは、紙や画像ファイルに書かれている文字をコンピュータで利用できるデジタルデータに変換する技術のことです。
本記事では、OCRの基礎知識から活用するメリットのほか、AI技術を応用したAI-OCRについて詳しく解説していきます。
目次
|OCRとは?
OCRとは、Optical Character Recognition/Readerの略で、日本語では「光学的文字認識」と呼ばれています。
紙や画像ファイルに書かれている文字を、スキャナやカメラで読み込み、コンピュータで利用できるデジタルデータに変換する技術のことです。
通常、紙の文書をスキャンしたりカメラで撮影して画像データ化しても、文書内の文字はあくまで画像の一部であり、テキストデータのように
扱うことはできません。
OCR技術を用いて、文字を解析することではじめて、コンピュータは文字をデジタルデータとして認識できるようになります。
コンピュータがスキャナやカメラで読み取った画像から、文字を認識・解析して保存するにはOCR技術が必要です。
|OCRの活用例
OCRの活用シーンとして、以下のような例が挙げられます。
◆ 紙の資料や書類をスキャンしてペーパーレス化を進める
◆ 領収書を読み取り内容をデータ化し、経費申請に利用
◆ アンケートをデータ化して自動集計する
これらはOCR用途のごく一部であり、紙ベースの資料や情報を取り込みデータ化するさまざまな場面でOCRの技術が活用されています。
|OCRが注目されている背景
昨今、OCRが注目されているのはなぜでしょうか?注目される背景として以下が挙げられます。
・生産性向上の必要性
・DX推進による情報のデジタル化
・RPAツールの普及
・AI技術の発展
では、それぞれについて詳しく解説していきます。
|生産性向上の必要性
日本では、少子高齢化に伴う労働人口の減少が課題となっています。
人手不足が加速するなかで生産力を維持・向上していくためには、作業を効率化して生産性を高めていくことが不可欠になります。
たとえば、紙書類を目視で確認して業務システムに入力していく作業は、OCRを活用することで大幅に効率化することが可能です。
そして、OCRによって削減された工数をコア業務に充てることで、生産性を高めていくことが期待できます。
|DX推進による情報のデジタル化
今や日本だけでなく、世界中でもDX化が加速しています。
DX推進の中では、データを活用し、業務効率化や経営判断にも役立てることが目的のひとつでもあります。
企業にあるデータは、デジタル化されたものと紙媒体データが混在しています。
必要なデータを欲しい時に活用するには、データの一元化が重要になってきます。
OCRを利用することで、電子化したデジタルデータを業務効率化やプロセス改善などに役立てるために活用することができます。
|RPAツールの普及
OCRが注目を集める背景として、RPAツールの普及も見逃せません。
RPAとは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略で、定型作業を自動化するためのツールのことです。
上述の生産性を向上していくためには、定型作業を自動化していく取り組みも必要になります。
OCRとRPAを組み合わせることで、紙文書をOCRでテキストデータ化し、業務システムへの入力作業や集計作業をRPAで自動化する、といったことが
可能になります。
|AI技術の発展
OCRの実用性を飛躍的に高めた要因として、AI技術の発展もあります。
OCRとAIを組み合わせたAI-OCRが登場したことで、非定型文書の読み込みが可能になったほか、ディープラーニングによる機械学習で高精度な
文字認識が可能になりました。
後述で「AI-OCR」について解説しますが、従来のOCRでは困難だった手書き文章の読み取り精度が向上し、さまざまな用途での活用ができます。
|OCRの仕組み
次は、OCRの基本的な仕組みについて、以下の5つのステップを解説していきます。
- 画像の取り込み
- レイアウトの解析
- 認識(行、文字の切り出し)
- 認識(文字認識)
- フォーマット出力
|1. 画像の取り込み
紙の書類をスキャンまたはカメラで画像データに変換し、取り込みます。
読み取った画像データに対し、向きや色調の補正やノイズ除去も行います。
|2. レイアウトの解析
紙の書類の多くは、単に文字が同じ並び方で並んでいるのではなく、段組みやコラム、表や図、標題があります。
画像と文字領域を分離し、それらの文字の「かたまり」がどのように配置されているかを解析し、自動的に文字認識する順番を決める処理をします。
|3. 認識(行、文字の切り出し)
次に、レイアウト解析で検出した文字領域の「かたまり」を、1行1行に分解する処理を行います。
そして、分解された行から、さらに1文字ずつに分解をしていきます。
切り出された文字を一定のサイズに変換し、特徴を抽出します。
抽出された特徴に対し、事前にさまざまなフォントから作成されたパターンとマッチングさせ、文字を確定します。
|4. 認識(文字認識)
切り出された文字を一定のサイズに変換し、特徴を抽出します。
この処理では、以下の4つのステップに分けられます。
Step1:後方処理がしやすいように文字を一定の大きさに拡大/縮小します(正規化)
Step2:その文字が持つ特徴(たて、よこ、斜めのどのような線で構成されているか)を見つけます(特徴抽出)
Step3:見つけた特徴に合致する文字を探して、候補とします(マッチング)
Step4:前後の文字列の候補と、日本語の単語情報と照合するなどして、最終的に文字を確定します
|5. フォーマット出力
確定した文字をテキストとして処理し、フォーマットに変換して出力します。
OCRソフトによってさまざまなファイル形式に出力することが可能です。
PDFに書き出すことや、WordやExcelに変換し、元のファイルの修正ができるものもあります。
|OCRを活用するメリット
OCRを活用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか?以下では、メリットを3つ挙げてご紹介します。
|ペーパーレス化の促進
ビジネスシーンでは、日々数多くの文書がやり取りされています。
たとえば、契約書や請求書といった企業間取引文書、申請書や稟議書といった社内文書などです。
これらの文書には保存期間が定められているものも多く、紙データで運用していると累積的に増え続けてしまいます。
OCRを活用して紙の文書を電子化することでペーパーレス化が進み、保管スペースにかかっていたコストを削減できるでしょう。
さらにファイルをサーバーに格納し、関係者に共有しておくことで、遠隔地からでも書類の内容を確認できるようになります。
また、SDGsの取り組みといった観点にも寄与できます。
|手動のデータ入力を自動化
OCRを導入することで、手作業で行っていた伝票処理などの業務を自動化できます。
このような処理を人が行う場合、長時間の作業による疲労で、誤入力・見落としなどのミスにつながる可能性があります。
OCRを活用すると、ミスや作業時間の削減を実現しながら、文字のデジタルデータ化を行うことができます。
手動のデータ入力を削減できるのは業務効率の改善にもなるため、大きなメリットです。
|データの検索性向上
紙の情報をテキストデータ化することで、検索性が大幅に向上します。
紙ベースで書類を管理している場合、過去の文書を参照する際に大量の書類の中から該当の文書を探し出す必要があります。
一方、OCRで紙文書をデータ化していれば、さまざまな条件の掛け合わせで検索を行うことができ、必要な情報を速やかに参照することが
できるでしょう。
また、文字をテキストデータとして保持することになるため、ソフトウェアに転記して利用することができます。
一部のOCRソフトには、読み込んだデータをそのままWord、Excel、PowerPointの形式で保存できるものもあります。
|AI-OCRとは?
AI-OCRとは、OCRにAI技術を組み合わせ、ディープラーニングを活用するころで、文字認識をより正確に行えるようになったものです。
AI-OCRでは、従来のOCRにあった「文字認識精度が低い」「読み取った文字の修正やチェックに手間がかかる」といった課題を改善してくれます。
以下では、AI-OCRで改善された点をご紹介します。
|文字認識率の向上と手書き文字認識
AI-OCRでは一度文字を読み間違えても、間違えたデータをAIが学習することで徐々に読み取り精度を改善することが可能です。
たとえば、従来のOCRでは「りく」と書かれているとき、ひらがなの「り」とカタカナの「リ」を判別することができませんでした。
AI-OCRでは、大量のデータからAIが自動的に特徴を抽出するディープラーニングの技術を使い、文脈や語句の規則性を学習することで、
判別が困難な文字を手書きであっても高精度で認識することができるようになっています。
|異なるフォーマットにも対応
従来のOCRソフトでは、正確に文字を認識するために、帳票ごとに読み取る文字の位置や項目の設定を必要としていました。
また、領収書などの非定型の帳票の場合、OCRソフトが使えず、すべて手作業でコンピュータにデータ入力をする場合もあると思います。
AI-OCRでは、範囲や項目の設定をすることなく自動で文字列を抽出できるため、異なる形式の書類を迅速に処理できるようになっています。
|RPAとの連携
AI-OCRをRPAと連携させて使用すれば、AI-OCRで読み込んだデータをそのまま利用することが可能になります。
たとえば、展示会などで多くの名刺を獲得し、顧客情報の登録をするシーンで考えてみましょう。
顧客情報を社内で使用している顧客リストのExcel、業務管理アプリケーション、名刺管理アプリケーションなど、複数のシステムに手作業で
登録している場合、同じ内容を何度も繰り返して入力する作業が発生します。
これを、AI-OCRで名刺情報を読み込み、RPAと連携することで、専用フォームに顧客情報が入力され、RPAがそれぞれのシステムにログインし、
フォームに入力された顧客情報を自動で登録してくれます。
つまり、人の作業はAI-OCRにデータを読み込ませることと、入力データを一度確認するのみでよくなり、業務を大幅に削減することができるように
なっているのです。
|OCR導入のポイント
OCRにはさまざまな製品があり、製品によって得意分野が異なります。また、帳票のタイプや枚数、運用・導入形式によって予算が変わってきます。
OCRエンジンを導入する前に、確認すべきポイントを5つご紹介します。
|帳票の文字タイプ・件数・レイアウト
自社が使用している帳票について、文字タイプ・レイアウト・件数を確認しましょう。
「印字の読み取りが多い」「発注書や請求書などの定まったレイアウトの帳票が多い」といった場合、一度に大量に処理できるOCRを選びましょう。
逆に、帳票のレイアウトが非定型のものが多い場合は、非定型の帳票に対応できるエンジンを選ぶ必要があります。
また、縦書きの帳票には対応していないというケースもありますので、文字の向きについても確認しておきましょう。
|読み取る文字の種類
自社の紙データで多く使われているのは「日本語」または「外国語」かも確認しましょう。
海外に拠点がある企業とやりとりする場合、その言語に対応したOCRエンジンを選ぶ必要があります。
|データの入力・出力・連携方式
OCRに「読み込ませたいファイルは何か」も重要です。
OCRエンジンによって、読み込めるファイル形式は異なるため、自社でよく使うファイル形式に対応したエンジンを選ぶ必要があります。
読み込んだデータを保存する際のポイントとして、出力フォーマットや帳票の仕分け機能の有無なども事前に確認しておきましょう。
帳票の仕分け機能があると、請求書・申込書など、仕分け条件に従ってフォルダ別に保存することが可能です。
AI-OCRでは、RPAに組み込むことができる製品も存在します。自社で運用する目的に合ったエンジンなのかを必ず確認しましょう。
|クラウドかオンプレミスか
OCRツールを導入する場合、クラウド運用かオンプレミスでの運用にするのかも選定ポイントです。
たとえば、リモートワークが多い場合は、どこからでもブラウザを通してアクセスできる、クラウド型の OCRを選ぶと作業効率が良くなります。
一方、セキュリティを重視する場合は、自社のコンピュータにインストールして利用するオンプレミス型のOCRを選ぶことをおすすめします。
|カスタマイズが可能か
OCRエンジンのほとんどは、パッケージ化された製品が多いです。
自社のOCR用途に合った既存エンジンがあれば1番良いですが、特殊な使い方をしたい場合などはカスタマイズが必要です。
まずは、「OCRを使う目的」と「想定する運用」を明確にし、OCRエンジンを提供しているシステム会社に既存のままで可能なのか、カスタマイズが
必要なのかを確認しましょう。
|OCRの導入事例
実際に、VNEXTのOCRを活用した事例をご紹介します。
|金属板OCRアプリ
金属板OCRアプリは、自動車車体や機械製品につけられた金属板を独自のAI-OCRエンジンで読取り、スマートな製品検索などを実現したものです。
これまで、製品検索をする際には、製品ひとつひとつを人の目で確認し、製品管理システムに手入力をしなければなりませんでした。
自動車業や製造業では、この手作業が業務負担になっており自動化をしたいという声を多く弊社に頂きました。
VNEXTでは、この作業を独自の画像処理技術を搭載したAI-OCRを活用して、金属板の画像データをOCR変換することで、手入力の作業を軽減し、
生産性向上と業務効率化に寄与しています。
|まとめ:OCRを活用して「業務効率化」へ!
ここまで、OCRの基礎知識やメリット、AI-OCRについて解説してきました。
OCRとは、紙や画像ファイルに書かれている文字をスキャナやカメラで読み込み、コンピュータで利用できるデジタルデータに変換する技術のことです。
OCRを用いて業務プロセスのデジタル化を行うことは、コロナ禍を契機に企業が直ちに取り組むべきアクションとして、経済産業省のDXレポートでも
位置付けられています。
OCRによって紙の書類のデジタル化を行うことで、ペーパーレス化や情報共有の向上が見込めます。
また、AI-OCRにより判別が困難な文字を手書きであっても高精度で認識することができたり、RPAと連携することでさらなる業務効率化の実現が
期待されています。
|AI-OCRならVNEXT
弊社VNEXTでは、独自のAI-OCRエンジン「V-OCR」を開発し、サービス提供をしております。
従来のOCRは文字認識精度が低く、読み取った文字の修正やチェックに手間がかかっていたため、導入を見送った方もいるのではないでしょうか。
そんな方には、「V-OCR」をおすすめします!
VNEXTのV-OCRの特徴は以下となります。
|万能OCR
非定型帳票認識、証明書、検針表、ナンバープレート、銘版・ラベル認識など、あらゆるフォーマットに対応!
|高精度&使いやすい
独自の画像処理技術で、精度は95〜99%と非常に高い精度のエンジンを提供。
また、直感的に使えるようUIにもこだわっています。
|カスタマイズが可能
お客様のニーズに合わせてエンジンを適応することで、より使いやすいカスタマイズができます。
また、当社のエンジンは「クラウド」と「オンプレミス」どちらでも展開が可能です。
AI-OCRの導入をご検討の方は、VNEXTにご相談ください!
▶︎ お問い合わせ:https://vnext.co.jp/contact.html?view=contact