VNEXTの会社紹介資料
2024/03/01
Webサービスやアプリケーションなどの開発において、近年注目されている開発手法「ノーコード開発」は耳にしたこともあるのではないでしょうか?
ノーコード開発は、従来のプログラミング開発に比べて、開発費用や期間を大幅に削減できるメリットなどがあります。
本記事では、ノーコードの基本やノーコードでアプリ開発を行うメリット・デメリット、事例などについて解説していきます。
目次
|ノーコードとは?
ノーコードとは、その名の通り「コードがない」=「コードを書かなくてもアプリなどが作れる」サービスのことです。
ノーコードに含まれる「コード」は、コンピューターで処理する内容を記述した「ソースコード」を指しています。
通常、何かしらのプロダクトを作るときには、仕様を決めてエンジニアを雇って、コードを書いてもらう必要があります。これには大きな労力と費用がかかります。
しかし、ノーコードは、基本的にエンジニアではない人でもwebサービスやスマートフォンアプリが作れるようなプラットフォームを提供しており、簡単にアプリ開発を行うことが可能です。
そして、ノーコード自体、画面上で要素をドラッグ&ドロップをしていくだけでホームページが作れたり、データをシートや表に入力していくだけでリストビューのwebサイトが作れたりと、そのバラエティは様々です。
また、似たような言葉で「ローコード」というものがあります。これは、少ないソースコードで開発することを指します。
▶︎ 関連記事:【ノーコード・ローコード開発とは】DXの実現にもつながるって本当?
|ノーコードでアプリ開発を行うメリット
ここからはそんなノーコードでアプリを作成できるツールを使うメリットについてご紹介します。
|プログラミングの知識がなくても開発ができる
ノーコードのアプリ作成ツール最大のメリットは、プログラミングの知識がなくてもアプリを開発できることです。
ノーコードのアプリ作成ツールであれば自社にエンジニアがいなくても、アプリを作成できるようになるため、開発のハードルを大幅に下げることができます。
アプリではありませんが、実際にプログラミングが全くわからない筆者(私)がノーコードツールを使ってWebサイトを作成してみたところ、簡単に作成することができました!
▶︎ 関連記事:ノーコードツールでWebサイトを作ってみた!ノーコードツールのWebサイト制作
|開発コストを削減できる
アプリやWebサービスなどを開発する際の費用を大幅に削減できることも、ノーコードのアプリ作成ツールを活用するメリットといえます。
従来、アプリを1から開発するとなれば、数百万円~数千万円単位の費用が必要となります。現場で使うアプリ一つに対してそのような金額をかけることはかなり難しいでしょう。
そのため中小企業や現場にとって、あれば便利なアプリ・システム作成が後回しとなり、業務効率が上がらないということもあります。
しかし、ノーコードのアプリ作成ツールは安価で導入ができ、作成後のアプリ改善も自社で可能であるため、中長期業や現場でも低コストでローンチ・運用が実現できるようになります。
|開発期間を短縮できる
ノーコードは、開発コストだけでなく開発期間も大幅に削減できることがメリットです。
フルスクラッチ開発にかかる期間は、半年以上が目安です。場合によっては1年以上かかることもあり、不具合や修正が発生すると数年かかるケースも想定できます。
一方、ノーコード開発であれば、最短2週間〜数ヶ月程度で開発が可能です。自社開発であれば、最短即日でアプリやシステムを構築できることもあるでしょう。
|ノーコードでアプリ開発を行うデメリット
メリットの多いノーコードですが、同時にデメリットも存在します。ノーコードツールを利用してアプリ開発をする際は、デメリットも把握しておきましょう。
|自由度や拡張性が低い
ノーコード開発の最大のデメリットは、自由度や拡張性の低さです。
通常の開発であれば、コードを追加することによってさまざまな機能をアプリケーションに実装できます。
しかし、ノーコード開発が可能なツールはコーディングが不要になる分、使える機能やテンプレートが最初から決まっています。ツールによって、はじめから提供されているもの以上には、機能が拡張できません。
たとえば、複雑な動きを必要とするゲームアプリなどでは、ノーコードだと物足りなさを感じる傾向が強いといえます。
|大規模開発に向いていない
ノーコードは、上述のとおり、あらかじめ機能やテンプレートが決まっているため、提供されている機能以上のものは作れません。
そのため、大規模なシステムで要求されることの多い複雑な機能は実現できないことが多いです。
また、小規模な開発であっても、作りたいアプリケーションの機能が利用可能かどうかの確認が必要です。開発に適したツールかどうかを選定する時間がかかることも注意しましょう。
|提供している企業が国外に多い
ノーコードを提供している企業は様々ありますが、代表的な企業は国外に多い現状にあります。
海外のツールに慣れ親しんでいれば別ですが、初めて触るときに分かりづらいと感じる恐れもあります。
海外のツールでも、日本でよく使われるツールはそうでもないので、初めてノーコードツールを使用する際はメジャーなツールを選ぶことも1つの選択肢です。
|どのような場面でノーコードを使うべき?
ノーコードを使う場合、適材適所でノーコードを使ったり、コードを書いたりといった選択が必要になってきます。
具体的にどのような時に、ノーコードが向いているのか解説していきます。
|シンプルで複雑な機能が要らないとき
シンプルでそれほど複雑な機能が要らない場合は、ノーコードを使うといいでしょう。
たとえば、LPのような一枚だけのページを作りたい時や、企業のサイトでそれほど凝ったデザインにする必要がないようなウェブサイトを作りたい時は、ノーコードで十分といえます。
ほとんどのノーコードツールでは、ドメインは自由に設定できるので、ノーコードで作ったと分からないくらいのクオリティに仕上げることができます。
また、データの読み込み、アップデートだけで済むような簡単な単純なリストのページやアプリケーションもほとんどはノーコードで作ることが可能です。
|エンジニア不在の中、プロダクトを作成したいとき
自社にエンジニアがいないけれど、プロダクトを作りたいという時があると思います。そのような場合に、ノーコードが活躍します。
ノーコードのほとんどは、エンジニアでなくてもアプリケーションが作れるように設計してあります。単純に要素を動かす、スプレッドシートにデータを埋めていくといった作業だけで簡単に作れたり、すでに用意されているテンプレートから選んでいくだけでアプリケーションができることもあります。
今までなら「いいアイディアはあるけど作れない」となっていた場面でも、ノーコードを使えばすぐに作れます。
|プロトタイプとして簡単な機能がついたものを出したいとき
プロトタイプとして簡単な機能がついたものを出したい場合も、ノーコードは有効です。
たとえば、機能のイメージを確認できる社内用のプロトタイプも、ノーコードで作ることが可能です。
そのため、社内の共通認識の情勢に役立てることができます。自社イメージと似たような機能が試せるノーコードツールでアプリケーションを作成すれば、チーム全体で同じイメージを持てるようになるでしょう。
また、前述しましたがノーコードであればコードを書く必要がありません。そのため、ディレクターやデザイナー、企画の人でもアプリを作ることが可能です。
実際、筆者(私)も新規事業で企画をしたプロダクトのイメージをプレゼンする場でより具体的なイメージを持たせるために、ノーコードで作成したアプリをデモンストレーションしました。
|市場ニーズの調査のためにスピード感が必要なとき
市場の変化が早くニーズが多様化している現在では、リーンスタートアップに代表されるように、より早く小さく検証を重ねていくことが大切とされています。
そして、その検証を早く、ローリスクで回すためにノーコードが使われる機会が増えています。
ノーコードで簡単なアプリを作成、それをユーザーの元へ持っていってフィードバックをもらうというのを繰り返していくうちに、より明確なユーザーニーズが掴めるようになっていきます。
|開発期間や費用を抑えたいとき
開発期間や開発コストを抑えたい時の手段として、ノーコード開発が挙げられます。
一般的に、アプリ開発をすると数ヶ月と期間がかかりし、費用も何百万とかかるケースは往々にしてあります。こうなると開発中に競合のプロダクトが出てくることや、ニーズ自体がなく誰にも使われないまま終わってしまうこともあります。
そのようなリスクを避けたいときに、ノーコードを使えば、短期間・費用を抑えたリリースを行えるようになります。
|ノーコードで開発されたアプリの事例
次は、実際にノーコードで開発されたアプリの事例を4つご紹介します。
|Nomad List
Nomad Listは、世界中の都市をノマドの視点からレビューしたサイトです。
物価やWi-Fiなどの情報がみられるほか、質問をしたりチャットをしたりと言った機能まで付いています。こちらは「Sheet2Site」というノーコードツールを使って作成されています。
|BASE FOOD
完全食で有名なBASE FOODは、ECサイトを作成するためのノーコードツール「Shopify」で作成されています。
BASA FOODのCEOは「Shopifyは世界中で使われている考え抜かれたサービス。デフォルトのUI/UXを使うだけでパフォーマンスが大きく向上した」とコメントしています。
|仙台市の避難所マップ
仙台市の避難所マップは、「Glide」で作られたアプリです。
わずか1日で開発されたアプリとしても有名で、津波に悩まされることの多い仙台で活躍しているアプリの1つです。
|東京都稲城市のいなぎお弁当マップ
東京都稲城市のいなぎお弁当マップも、「Glide」で作られたアプリです。
コロナ禍において高まるテイクアウト弁当需要に応じて作れられました。本アプリも、わずか1日で開発されたといわれています。
※2024年2月現在、このマップは終了しています。
|よく使われているノーコードツール3選
上記の例に挙げたように、すでにノーコードで作られたプロダクトは世の中に溢れています。
ノーコードを実現するサービスは数多く出てきていますが、その中でも、実際によく使われているノーコードツールをご紹介していきます。
|Bubble
Bubbleは2012年に提供開始したニューヨーク発のサービスです。
アカウントを登録すればWebアプリを作ることができ、全世界で25万人以上の利用者がいます。利用者が多いため、サードパーティー製や有料も含めてテンプレートは約400種、プラグインは1,000種類以上あります。
無料プランでテストリリースは可能ですが、本番のリリースをするのなら有料プランの契約が必要になります。また、対応言語は2024年2月現在 ”英語のみ” となっています。
使える機能も多く、ノーコードのアプリ作成ツール開発ツールとしては自由度が高いですが、その分、難易度が高くなるので初心者には難しく感じるかもしれません。
|Shopify
Shopifyは、ECサイトを簡単に作ることができるノーコードサービスです。
今は自社のオンライン通販サイトがなくAmazonや楽天に出品しているだけというお店は、Shopifyを使ってより自社らしいデザインで簡単にECサイトを作成することができます。
ECサイトといえば、決済や注文の管理、配送の管理まで必要になってくるため0から作ると工数がそれなりにかかります。
Shopifyでは上記のような基本的な機能はすでに入っているため、アカウントを作ってテンプレートを選べばあっという間にECサイトが出来上がります。
操作も日本語でできます。料金は29ドル〜299ドルで、開発にかかる期間や費用を考えるとかなり魅力的な価格です。これからD2Cをやりたいと考えている人はShopifyからトライしてみてはどうでしょうか。
|Glide
Glideは、スプレッドシートをデータベースとしてPWAアプリを作成できるNooCodeツールです。
事例で紹介した「Sheet2Site」もスプレッドシートをデータベースとしていますが、Glideはスマホユーザーが使いやすいアプリをすぐに作成できるようなツールになります。
スマートフォン用のアプリに特化しているのでwebサイトらしいレイアウトのものは作成ができませんが、web上では以下のようなアプリとして使用することができます。
データベースなどがよく分からない人も、スプレッドシートやエクセルでのデータ管理の経験はある人が多いと思います。その経験さえあれば、Glideで簡単にお店のリストや求人情報アプリを作ることができます。使い方も直感的で、個人的には、BuddleよりもGlideの方がノーコード入門には最適だと感じます。
|ノーコードのアプリ作成ツールを選ぶ際のポイント
最後に、自社に合ったノーコードツールを選ぶ際のポイントをご紹介します。
以下のポイントを押さえて、ノーコードツールを選ぶ際の参考にしてください。
|目的に適しているか
ノーコードツールは「EC制作」「業務効率化」など、各ツールでできることや強みが異なります。
そのため、自社が「どのような目的で」「どのようなアプリを作りたいから」ノーコード開発を行うのかを明確にすることがとても重要です。
ノーコードのアプリ作成ツールはある程度は自由度がありますが、必ずしも自社の要望に合った形でカスタマイズができるとは限りません。自社のニーズに合わせて細かなカスタマイズができるか、それらに対応できるようなテンプレートなどがあるかどうかも確認しましょう。
|担当者のスキルに合っているか
ノーコードツールは、基本的にプログラミング言語が分からなくてもアプリを作成することができます。
しかし、Bubbleのようにプログラミング経験者でないと理解や操作が難しいツールも存在します。そのため、担当者のスキルに合わせて使いやすいツールを選定することが必要です。
もし、導入に不安がある場合には、ツールの使いやすさだけではなく、使い方が分からない場合・問題が発生した場合に、しっかりとしたサポート体制があるかどうかも判断材料とするのがおすすめです。
|トライアルができるか
ノーコードツールの中には、Bubbleのように多少のプログラミング知識が必要なものもあります。
また、海外製のツールは日本人にとって馴染みがないものもあるため、事前にトライアルできるものを選ぶと安心でしょう。
|モバイルデバイスに対応できるか
アプリを利用する際には、スマートフォンやタブレットを利用します。
そのため、モバイルデバイスに対応しているか否かを、しっかり確認しましょう。
|日本語に対応しているか
ノーコードツールのデメリットでも記述しましたが、現在ほとんどのノーコードツールは海外製のものとなっており、中には日本語対応していないツールもあります。
実際に触る画面やサポートなど含め英語になる可能性も高いため、英語に苦手意識があるという方はなるべく日本製のツールの検討がおすすめです。日本製のツールであれば日本人に使いやすいUI・UXが意識されているほか、使い方の説明・チャットボットサポートも日本語である可能性が高いです。
海外製のツールを検討する場合には、日本語サポートまたは日本語で使い方が説明されているツールなどを利用するのがよいでしょう。
|まとめ
ノーコードとは、プログラミング不要でアプリやWebページを開発できるサービスです。
無料で使い始められるツールも多く、初めてノーコード開発でアプリを作る人も手軽に始められます。
選び方には、料金・日本語対応・トライアルの有無など様々な面がありますが、それぞれの特徴を見たうえで一番自社にあったツールを選ぶことがおすすめです。
また、開発のしやすさだけではなく、現場で活用をしていく中でも、修正したい点があった時にすぐに直すことができるかなど、運用のしやすさなども考慮しながら最適なツールを選びましょう。
|ノーコードでアプリ・システム開発をするなら、まずはVNEXTに相談!
ノーコードは、内製化のために活用する手段でもあり、実際のところノーコード開発を外注する企業も少なくありません。
弊社VNEXTでは、ノーコード・ローコード開発にも対応しており、受注数も多いです。
理由としては、「業務分析を専門家の視点から行ってほしい」や「内製化したいが慣れるまでは伴走してほしい」といった課題があるからです。
他にも、アプリやシステム開発自体を外注する際に「開発期間を短縮したい」という要望から、案件に合ったノーコード・ローコードツールを利用して開発することもあります。
VNEXTでは、大規模システムに応じたノーコード・ローコードプラットフォームにも対応しています。
・SAP Build
・ServiceNow
・Salesforce
・OutSystems
・Mendix
・kintone など
ノーコード・ローコード開発を検討されている方、お困りの方はぜひ一度VNEXTにご相談ください!
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