VNEXTの会社紹介資料
2023/11/09
近年は、システムのクラウド化をする動きが加速しています。
クラウドサービスには、AmazonのAWS(Amazon Web Service)やGoogleのGCP(Google Cloud Platform)、Microsoft社のAzure(Microsoft Azure)
の代表的なサービスが3つあります。
本記事では、マイクロソフト社のAzureについて基礎知識や特徴、メリットなどについて解説していきます。
目次
● Azureとは?▶️ Azureが提供するサービス形態「IaaS」と「PaaS」▶️ Azureの特徴● Azureでできること● Azureを利用する5つのメリット▶️ コストメリットが高い▶️ 拡張性・柔軟性▶️ ハイブリッドクラウドを実現できる▶︎ セキュリティや災害復旧サービスが万全▶︎ 日本円での支払いが可能● まとめ● VNEXTはAzureにも対応! |
|Azureとは?
Azure(Microsoft Azure)とは、Microsoft社が提供するクラウドサービスのことです。
2008年10月にMicrosoft社のデベロッパーカンファレンスで発表され、2010年10月に「Windows Azure」としてクラウド・コンピューティングサービスの
提供を開始しました。
2014年に「Microsoft Azure」に名称変更を行い、2022年2月現在でもサービスを提供しています。
Microsoft Azureの「Azure」は「アジュール」と読みます。
英語で「青空」や「空」を意味する言葉で、クラウドサービスの「クラウド(雲)」と掛けて、雲を浮かべる「空」の色を表していると理解している
人もいるようです。
コカ・コーラやBMW、Adobe、富士通、トヨタ自動車など、世界や日本の一流企業も利用している代表的なクラウドサービスでもあります。
Azureでは、サーバーやネットワークなどのITインフラをクラウド上で提供します。
また、ITインフラだけでなく、IoTやブロックチェーン、AIの機械学習、データ分析など、様々な開発業務をクラウド上で行うためのプラットフォームも
提供しています。
Azureは、AWSと同様、多種多様な様々なサービスがあり、ユーザーのニーズ・目的によって、自由に組み合わせて利用可能です。
▶︎ あわせて読みたい:【AWS入門】AWSとは?初心者にもわかる!AWSの基礎知識を徹底解説
|Azureが提供するサービス形態「IaaS」と「PaaS」
一般的にクラウドのサービス形態は、「SaaS」「IaaS」「PaaS」にカテゴライズされます。
Azureはこのうち、IaaSとPaaSを提供します。
SaaSは聞いたことのある人が多いでしょう。SaaS(Software as a Service)は、クラウドにあるソフトウェアを利用できるサービスのことです。
では、IaaSとPaaSとはどのようなものなのかを以下で解説します。
◆ IaaSとは
IaaSは「Infrastructure as a Service」の頭文字を取った略語で「イァース」と読みます。
ネットワークやサーバ(CPU・メモリ・ストレージ)などのコンピューティングリソースを利用するサービスのことで、仮想サーバやストレージ、
Firewall (ファイアウォール)などのインフラを、インターネット上で使えるサービスとして提供する形態です。
◆ PaaSとは
PaaSは「Platform as a Service」の頭文字を取った略語で「パース」と読み、クラウドにあるプラットフォームが利用できるサービスのことです。
大規模なデータセンターに、アプリケーションを稼動するためのネットワーク、サーバシステム、OSやミドルウェアなどのプラットフォームが用意され、
そのプラットフォーム上で開発を行うことができます。
SaaS、laaS、PaaSの違いを簡単に説明すると、以下のようになります。
・SaaS:エンドユーザーが利用するアプリケーションまでを運用管理
・IaaS:ハードウェアの保守管理を中心に行う
・PaaS:開発環境を提供するためのミドルウェア、サーバー、OSまでを運用管理
Microsoftは、Azureで提供しているIaaSやPaaSの他にも、SaaSでのクラウドサービスも提供しています。
Office 365やOneDriveがMicrosoft社のSaaSです。
|Azureの特徴
Azureの特徴は、すべてのサービスがクラウド上で展開されている点です。
サーバーなどの設備を必要としないため、コンピュータさえあればインターネット経由でどこでも利用可能です。
また、サーバー購入費やデータセンター利用費などのコストを削減することができ、コストダウンが期待できます。
無料で利用できる部分も多くあり、あまり資金がない企業でも手軽に導入可能です。
Azure無料アカウントでは、最初の30日間に利用できるUSD200(約2万円)のクレジットと、人気のあるAzureサービスへの12ヶ月無料アクセスが
ついてきます。それ以外にも、毎月の送信データ転送5GBまで無料など、常時無料で利用できるサービスが55以上もあります。
その他のクラウドサービスとの大きな違いは、万が一トラブルが起きた際でも日本の法律が適用されることです。
たとえば、AWSの準拠法と管轄裁判所はアメリカになりますが、Azureでは準拠法が日本の法律であり、管轄裁判所は東京地方裁判所です。
これは日本・日系企業にとっては安心感があるでしょう。
|Azureでできること
Azureのサービスは主に、PaaS・IaaS・Security&Management・Hybrid Operationsの4つの分野で合計250以上のサービスを展開しています。
そのため、ユーザーのニーズ・目的によって、自由に組み合わせることで幅広い用途で活用することができます。
以下では、代表的なサービスを7つ挙げてご紹介します。
|Azure DevOps
Azure DevOpsは、Microsoftが提供するDevOpsサービスです。
DevOpsの明確な定義はありませんが、DevelopmentとOperationsを組み合わせてできた単語で、簡単にいえばプロジェクトの開発(Development)と
運用(Operations)を支援してくれるサービスのことです。
開発と運用を効率的に行うためのプロジェクト管理ツール群として、効率的かつ迅速なソフトウェア開発を強力にサポートします。
たとえば、以下の機能があります。(一部抜粋)
・Azure Boards:進捗管理や仕様書の作成を支援
・Azure Repos:ソースコードの共有などのリポジトリ機能を提供
・Azure Pipelines:コンパイルやデプロイの機能を提供
・Azure Test Plans:テストの支援
|Azure Functions
Azure Functionsは、コンピューティングサービスの1つで、Azure上で関数(コード)をサーバーレスで実行できるサービスです。
Azure Functionによりサーバーの構築や保守が不要となり、必要に応じてスケーリングも行ってくれるため、利用者はサーバーを意識することなく
アプリケーション開発に集中することができます。
C#、JavaScript、F#、Java、Python、TypeScript、PowerShellの言語がサポートされています。
また、コードの実行に必要なインスタンスは自動で追加・削除され、メモリも必要に応じて自動的に拡張されます。
|Azure Storage
Azure Storageは、Microsoftのストレージサービスであり、Azure Storageを使うことによってクラウドにデータを保管することができます。
Azure Storageによって提供されるストレージのインフラストラクチャーは、Azureの責任において管理・保守が行われるため、利用者は運用の負荷を
軽減することができます。
Azure Storageには「Azure BLOB」「Azure Files」「Azure Queue storage」「Azure Table storage」の4つのストレージサービスが含まれています。
・Azure BLOB:オブジェクトストレージであり、データは「オブジェクト」と呼ばれる単位で保管され、HTTP/HTTPS経由でアクセスが可能
・Azure Files:ファイルストレージであり、SMBプロトコルに対応しているのでファイルシステムとしてマウントすることが可能
・Azure Queue storage:メッセージストレージであり、システムを疎結合にするためのメッセージ指向ミドルウェアとして利用可能
・Azure Table storage:NoSQLデータベースであり、事前にデータ構造を定義することなくデータを読み書きすることが可能
|Azure Virtual Machines
Azure Virtual Machinesは、Azureの仮想マシンサービスです。
Azure Virtual Machinesでは、仮想サーバーにOSやソフトウェアをインストールして利用できます。
Microsoft Windowsだけでなく、Linux系のOSも利用でき、仮想サーバーにはリモートデスクトップやSSHでアクセスすることができます。
|Azure Active Directory
Azure Active Directoryとは、MicrosoftのID、アクセス管理サービスです。
認証やアクセス許可、デバイスなどのID管理を一括で行うことができます。
クラウドだけでなく、従来の会社のシステムで利用していたオンプレミスのID管理も包括して行うことが可能です。
|Azure Information Protection
Azure Information Protectionとは、情報漏洩対策ソリューションサービスです。
これを利用すると、クラウドベースでデータ管理・保護ができます。
電子メールやドキュメント、データをラベル付けして管理ができ、さらにそれぞれのアクセス許可の制御が可能です。
|Azure AI
Azure AIは、MicrosoftがリリースしているAI(人工知能)を利用できるサービスで、会話形のAIや機械学習などのカスタマイズが可能な
最新のAIツールです。
Azure AIを大きく分けると「機械学習」「ナレッジマイニング」「AIアプリとエージェント」の3つに分けられます。
以下のサービスを利用することで、機械学習モデルの構築やトレーニング・デプロイ、膨大なドキュメントやイメージの分析、ボットサービスの作成が
簡単に行えます。
・Azure Machine Learning
・Azure Databricks
・ONNX
・Azure Search
・Form recognizer
・Cognitive Services
・Azure Bot Service
|Azureを利用する5つのメリット
最後に、Azureを利用するメリットを以下の5つを挙げて解説していきます。
- コストメリットが高い
- 拡張性・柔軟性
- ハイブリッドクラウドを実現できる
- セキュリティや災害復旧サービスが万全
- 日本円での支払いが可能
それぞれについて詳しく説明します。
|コストメリットが高い
Azureの利用料金は、分単位の従量課金制を採用しています。
また、AWSやGCPと同じく、長期契約の割引もあります。
Azureでは企業利用を想定した料金設定もあり、エンタープライズ向けの割引も用意されています。
◆Azure ハイブリッド特典
既存のオンプレミスで使用しているライセンスが、ソフトウェア アシュアランス(SA)付き、またはサブスクリプションのあるWindows Server や
SQL Server ライセンスの場合、追加のライセンスを購入する必要なくAzure の利用が可能。
◆予約割引(Azure Reserved Virtual Machine Instances)
Azureを利用する場合、通常は月額従量課金ですが1年もしくは3年分のWindows /Linux 仮想マシン (VM) を前払いすることで、 割引が適用され、
従量課金制の料金に比べ最大 72%削減できます。
また、上記のハイブリッド特典と組み合わせることで最大80%のコスト削減も実現できます。
◆Windows Server 2012/2012 R2・SQL Server 2012 無償サポート延長
サポート終了が間近に迫っているWindows Server 2012/2012 R2・SQL Server 2012をAzureに移行させると、最大3年間の無償でセキュリティ更新
パッチが提供されます。
また、この期間はマイクロソフトサーバー移行支援センターによるサポート窓口も利用可能です。
Azure環境にシステムを移行させいったんの延命措置をしたあと、今後の対応を考えていくことができます。
現在、マイクロソフトは支援金を出しておりAzure移行作業を10VMまで無償で提供するサービスもあります。
こちらを活用すれば手間をかけずに、お得にサポート終了の対策が可能です。
|拡張性・柔軟性
OSがLinuxであっても、オープンソースのデータベースが使えないような場合、Oracleのような商用データベースが必要となりますが、
Azureでは、公式でOracleに対応しています。
GCPがMySQLのみ対応していることを考えると、これは大きなメリットとなります。
また、Azure Marketplaceでは、Microsoftやその他のさまざまなサービスやソフトウェアが購入できます。
|ハイブリッドクラウドを実現できる
Microsoftでは、「すべてをクラウドに移行する必要はない」という考えが特徴的です。
他社のパブリッククラウドが「フルクラウド」(全てのシステムをクラウドに移行する)のを前提としている中で、Azureの場合は「ハイブリッド
クラウド」(一部オンプレミス、一部クラウドで連携させながら利用)を前提としたサービスが充実しています。
たとえば、データ量の予測が難しいファイルサーバーをAzureにすることができます。
Azureで提供されるファイル共有サービス「Azure Files」で、インターネット経由でどこからでも同時アクセスが可能です。
また、SMBプロトコルを利用し、オンプレファイルサーバーから移行する際でのアプリケーションの互換性を気にする必要はありません。
このように、ファイルの用途によって、Azureとオンプレミスで使い分けることも容易にできます。
|セキュリティや災害復旧サービスが万全
Azureは、コンプライアンス対策やネットワークセキュリティ対策が備えられています。
脅威はデータセンターの外だけでなく、内側によっても発生しますが、Azureデータセンター自体も「入館者の制限」「多層のセキュリティゲート」
「自動化による人為的作業の削減」など様々な対策が取られています。
また、Azureでは世界各地の54地域にデータセンターが整備されています。日本国内では、東日本と西日本に存在します。
Azure Site Recoveryというクラウドで利用できる災害復旧サービスも展開しており、災害対策も万全です。
|日本円での支払いが可能
Azureを提供するMicrosoft社の本社はアメリカですが、毎月の使用料を日本円ベースで支払えます。
米ドルベースの場合、為替の影響を受ける可能性があるため、日本円で支払えることは大きなメリットでしょう。
支払いはクレジット決済のみで、口座引落や銀行振り込みなどには対応していないため使用にはクレジットカードが必須という点のみ注意しましょう。
|まとめ
Azureは、Microsoft社が提供するクラウドサービスです。
IaaSやPaaSといったITインフラ、プラットフォームをクラウド上で提供しています。
また、仮想マシンや機械学習ツールなどのサービスも展開されており、様々なサービスをインターネット経由で利用できます。
既存サービスとの連携やオンプレミスからクラウドへ一部でも移行も行え、ニーズや用途によって幅広い使い方ができる点が魅力です。
システムのクラウド化を検討されている方は、Azureの無料アカウントを作り、一度利用してみてはいかがでしょうか?
|VNEXTはAzureにも対応!
弊社VNEXTでは、Azureを利用してインフラ構築を行ったり、Azure上で運用・保守などの対応をしております。
また、「現在利用しているオンプレミス環境をAzureに移行したいけど、何からはじめたらいいの?」というケースのマイグレーション支援も
行っております。
Azureに興味がある方は、一度VNEXTにご相談ください!
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