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オフショア開発には必須?日本と海外の橋渡しとなる「ブリッジSE」について解説!

2024/01/09

オフショア開発を導入あるいは検討する中で、「ブリッジSE」という言葉を耳にすることが多いのではないでしょうか?

 

ブリッジSEは、海外に開発業務を委託するにあたり、日本企業と海外の開発会社との間で橋渡しとなる重要な役割を担っています。

 

本記事では、ブリッジSEはどのようなことをしているのかを詳しく解説していきます。

 

 目次 

● ブリッジSEとは?

● ブリッジSEの仕事内容

 ▶︎ 発注側と現地メンバーのコミュニケーション支援

 ▶︎ オフショア用の設計書の作成や支援

 ▶︎ 開発の進捗管理・報告

 ▶︎ 納品物の受け入れ確認

● ブリッジSEに必要なスキル

 ▶︎ コミュニケーション能力

 ▶︎ 語学力

 ▶︎ 技術的知識

 ▶︎ マネジメント能力

● ブリッジSEの体制

● ブリッジSEはオフショア開発に必須?

● まとめ

 

|ブリッジSEとは? 

ブリッジSEとは「ブリッジシステムエンジニア」のことで、ブリッジエンジニアやBrSEなどという呼ばれ方もします。

 

ブリッジSEは、開発業務を海外の開発会社に委託する「オフショア開発」において、プロジェクトを円滑に進めるべく、日本企業と現地スタッフとの

橋渡し(ブリッジ)となるシステムエンジニアです。

 

海外にいる現地のエンジニアが担うこともあれば、国内のエンジニアがブリッジSEの役割を担うこともあります。

 

ブリッジSEの仕事内容に関しては後述で説明しますが、イメージとしては下図となります。

(弊社VNEXTはベトナムオフショアのためオフショア先をベトナムにしています)

 

 

|ブリッジSEとSEの違い 

ブリッジSEも一般的なSEも、どちらもシステム開発の担い手であることは共通です。

 

しかし一般的なSEがシステム開発の実装面、要件定義や設計などを担当することに対して、ブリッジSEは具体的な実装よりも、海外のSEと国内のSEの

とりまとめの業務が中心となります。

 

海外にいる開発チームとのコミュニケーションも求められるため、ブリッジSEにはシステム開発の技術面に加えて、マネジメントスキルも要求されます。

 

|ブリッジSEの仕事内容 

ブリッジSEは、オフショア開発プロジェクトを円滑に進めるための橋渡しを行う職種です。

具体的には以下の業務を担います。

 

発注側(日本)と現地メンバーのコミュニケーション支援

オフショア用の設計書の作成や支援

開発の進捗管理・報告

納品物の受け入れ確認

 

それぞれの仕事内容について詳しく説明します。

 

|発注側(日本)と現地メンバーのコミュニケーション支援 

日本とオフショア先では文化や仕事の進め方が異なるため、発注側(日本)と現地メンバーのコミュニケーションを円滑にする必要があります。

 

プロジェクトの背景や課題、運営方法、商習慣を理解し、オフショア先の現地メンバーへ共有します。

 

また、現地メンバーからは説明内容についての質問や懸念事項を引き出し、発注側へ確認して回答するなど、プロジェクトの目的や進め方について、

双方の認識を揃えた上で開発業務を行えるようにコミュニケーション支援を行います。

 

オフショア開発においては、プロジェクトの開始前に日本とオフショア先双方のメンバーが認識を揃えられるかがプロジェクトを円滑に進める鍵と

なるため、とても重要な作業となります。

 

ブリッジSEは、顧客からの要件をエンジニアに正確に伝えるために、要件定義のサポートも行います。

 

そして、プロジェクト開始後の仕様変更や委託元からの要望があった場合も現地メンバーと相談をしながら、良い解決方法を一緒に考えていきます。

 

|オフショア用の設計書の作成や支援 

日本語で作成された設計書の翻訳作業を行い、現地スタッフへ資料を共有し、補足説明を行うこともブリッジSEの仕事です。

 

日本側が作成する設計書は、日本人であれば理解できるであろう部分が省略されて「行間を読む」ことが必要となるケースが多いです。

 

資料をそのまま翻訳してしまうと現地メンバーに正しく理解されないことがあるため、ブリッジSEは設計者の意図が現地メンバーへ伝わるように、

詳細設計書を細かく書いた上で、さらに微妙なニュアンスが伝わるよう補足説明を行います。

 

これは、開発の肝となる仕様理解を誤解のないように現地メンバーへ説明しなければならないため、とても重要な作業となります。

 

ブリッジSEがこのような作業を行いますが、発注側としては設計書の内容をしっかり伝えるために必要なことはちゃんと記載することが求められます。

 

▶︎ オフショア開発とは?意味やメリット、成功させるためのポイントを徹底解説!

 

|開発の進捗管理・報告 

ブリッジSEは、オフショア開発の進捗管理と発注側への報告も行います。

 

WBS(Work Breakdown Structure)に沿って進捗が予定通りに進むよう、業務をタスクに落とし込みメンバーに振り分けます。

 

タスクの消化は日次で管理をし、定期的に発注側へ進捗状況を報告します。

また、遅れが発生してしまった場合には、すぐに発注側へ報告し、解決策を提案します。

 

さらに、スケジュールやタスク管理など全員が同じ認識が持てるよう、共有資料の作成なども必要に応じて行います。

 

|納品物の受け入れ確認 

納品物が設計通りに作成されているか受け入れ確認もブリッジSEの仕事です。

 

確認自体はSEが行い、一方ブリッジSEは全体のとりまとめや質疑応答、設計と異なる場合の修正の指示などを行います。

 

|ブリッジSEに必要なスキル 

ブリッジSEには、システム開発以外でも求められるスキルがいくつかあります。

以下では、ブリッジSEに必要なスキルについて解説していきます。

 

|コミュニケーション能力 

プロジェクトマネージャー(PM)やエンジニア、顧客とコミュニケーションをとり、円滑にプロジェクトを進めるためのコミュニケーション能力が

必要です。

 

ブリッジSEは、オフショア先の国においてPMに近い立場で業務を遂行します。

 

現地メンバーと密にコミュニケーションをとり、品質や進捗を管理し、発注側に報告をするなどをしていかなければなりません。

 

また、言語やそれぞれの国の文化の違いを理解し、双方の意見を調整するスキルも必要になります。

 

|語学力 

日本(発注側)と密なコミュニケーションをとるためには、語学力が必要不可欠です。

 

オフショア先とのコミュニケーションは、基本的に英語か日本語となります。

 

たとえば、自社の外国人エンジニアとやりとりをする場合は英語、日本人エンジニアの場合は日本語でのやりとりになります。

 

現在、日本企業がオフショア開発を行う場合は「日本語でのやりとり」が主になっていますので、日本語能力が高いエンジニアを選ぶことを

おすすめします。

 

|技術的知識 

ブリッジSEは、エンジニアが直面する技術的な問題を理解し、解決策を提供する必要があります。

 

案件によって求められる技術スキルは異なるため、以下のようなスキルと知識を身につける必要があります。

 

・システム開発手法の知識

・プログラミングスキル

・ハードウェアに関する知識

・ミドルウェアに関する知識

・ソフトウェアに関する知識

・セキュリティ知識

・テスト技法の知識

 

|マネジメント能力 

ブリッジSEは開発の実装面よりも、日本のエンジニアと海外のエンジニアの橋渡しの役割が大きいため、プロジェクトを管理するためのマネジメント

スキルが求められます。

 

オフショア先のエンジニアに対しても日本のエンジニアと対等なパートナーとして接し、どのような時でも進行中のプロジェクトの状況の現状把握と

適切な指示を心がけなければなりません。

 

|ブリッジSEの体制 

一概にブリッジSEといっても、体制としては次のように3つのパターンがあります。

 

オフショア開発側の人材が「現地」でブリッジSEを務める

オフショア開発側の人材が「日本国内」でブリッジSEを務める

発注企業側の人材が日本国内でブリッジSEを務める

 

以下では、パターンごとの特徴についてご紹介します。

 

|オフショア開発側の人材が「現地」でブリッジSEを務める 

オフショア開発会社側の人材は、現地に常駐している日本人エンジニアもしくは現地人エンジニアになります。

 

日本人エンジニアがブリッジSEを務める場合は、日本人同士のコミュニケーションでプロジェクトが進められるので、国内の開発企業に依頼するのと

あまり変わらない感覚で行えることがメリットです。

 

一方、日本人エンジニアは単価が高いため、コストメリットを追求したい場合は割高になります。

 

|オフショア開発側の人材が「日本国内」でブリッジSEを務める 

オフショア開発会社側の人材が国内に常駐する開発体制になります。

 

レスポンスや対応の速さが魅力ですが、国内での稼働が発生するため、若干費用が高くなる傾向にあります。

 

日系のオフショア開発企業はもちろん、現地資本のオフショア企業でも日本に窓口となる法人をもつ企業が増えているので、

このパターンを提案できるオフショア開発企業も多いです。

 

|発注企業側の人材が日本国内でブリッジSEを務める 

発注企業側の人材が直接、現地のエンジニアにプロジェクトの指示を行って開発を進めていくパターンです。

 

開発費用は大幅に削減できる一方で、現地エンジニアのマネジメントやコミュニケーション面での負担は大きく、オフショア開発の経験が豊富な

発注担当者でなければ難しい体制といえます。



自社のプロジェクトに合ったブリッジSEの体制を決める際は、オフショア開発会社としっかり話し合い決めましょう。

 

|ブリッジSEはオフショア開発に必須? 

オフショア開発には、日本人PMやコミュニケーターなどもいるので「ブリッジSEって必要なの?」と思う方もいるかもしれません。

 

しかし、日本とオフショア開発先のメンバーとの協業をスムーズにできる人は必ず必要となります。

 

ブリッジSEは、プロジェクトの成功を握る鍵といえます。

 

オフショア開発では、言語・文化の違いや仕事に関する意識・認識に違いがあります。

 

その差異を理解し円滑にプロジェクトを回せるように動く人がいることが、オフショア開発でプロジェクトを成功させる鍵になります。

 

オフショア開発では、双方の国の慣習が違うことにより生まれた認識の齟齬などが誤解を招いたり、不信感を抱いてしまうことがあります。

このような状態になると、プロジェクトは失敗しやすくなってしまいます。

 

日本とオフショア開発先で信頼できるチームを構築して開発を進めていくためにも、ブリッジSEはいた方が良いでしょう。

 

|まとめ 

ブリッジSEは、オフショア開発において日本企業と海外の開発会社との間で橋渡し役となるシステムエンジニアのことです。

 

オフショア開発は開発業務を海外へ委託するため、言葉の壁や文化の壁が発生します。

 

ブリッジSEは、で言葉の壁や文化の壁を越えて委託先と現地スタッフの架け橋をしてくれる役割を担っています。

 

オフショア開発においては、ブリッジSEのコミュニケーション能力が十分か、技術面についての知識が十分であるか、プロジェクト全体を管理する

マネジメントスキルを持っているかをしっかりと確認しておくべきでしょう。

 

実際に発注してプロジェクトが始まる前に、ブリッジSEを務める人材と面談をしたり、これまでの経歴を確認したりすることをおすすめします。