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【IoTとは?】意味や仕組み、実現できることをわかりやすく解説!

2023/11/17

近年、急速に実用化が進んでいる先端技術の1つ「IoT(アイオーティー)」

 

IoTとは、「モノのインターネット」という意味で、モノがインターネットと接続されることによって、データをサーバー上で、処理、変換、分析、

連携することが可能になります。

 

しかし、「IoT」という言葉を知っていても、その意味や仕組みを理解できている人は意外と少ないのではないでしょうか。

 

本記事では、IoTの意味や仕組みIoTで実現できることなどをわかりやすく解説していきます。

 

 目次 

● IoTとは?

 ▶︎ IoTの仕組み

 ▶︎ IoTのシステムに必要な要素

● IoTで実現できる4つの機能

 ▶︎ モノを操作する

 ▶︎ モノの状態を把握する

 ▶︎ モノの動きを検知する

 ▶︎ モノ同士が通信する

● IoTの市場動向

● IoTの活用事例(分野別)

 ▶︎ 製造業

 ▶︎ 医療

 ▶︎ 物流

 ▶︎ 農業

 ▶︎ 交通

● IoTとAIの関係性

● まとめ

 

|IoTとは? 

IoT(アイオーティー)は、「Internet of Things」の略で、日本語では「モノのインターネット」と訳されます。

 

簡単に説明すると、「従来インターネットに接続されていなかった様々なモノがインターネットにつながる」技術です。

 

約20年前までは、インターネットにつながるモノはパソコンやサーバーのようなコンピューターのみでしたが、デジタルテクノロジーと通信技術の

急速な発展に伴い、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末からもインターネット接続が可能になりました。

 

そして社会のデジタル化が進んだ現在、住宅・建物、車、家電製品、電子機器などといった「モノ」をインターネットに接続する技術=IoTが急速に

普及しています。

 

IoT活用の身近な例では、Amazonの「Alexa」などのスマートスピーカーで音楽の再生をしたり、スマートフォンで自宅のエアコンを遠隔操作すると

いったことが挙げられます。

 

総務省の令和3年情報通信白書によると、2020年時点での世界のIoTデバイス数は約253億台ですが、2023年には約340億台にまで増加すると予測さ

ています。

 

IoTがさらに普及してインターネットにつながるモノが増えれば、私たちの生活やビジネスシーンで活用の幅が広がるでしょう。

 

|IoTの仕組み 

IoTの基本はデータ収集であり、センサーによってモノの状態や動きを把握し、データとして蓄積します。

各種センサーが収集したデータを、インターネットを通じて人や他のモノと共有することがIoTの基本的な仕組みです。

 

IoTで使われる一般的なセンサーは以下のようなものがあります。

 

・加速度センサー

・温度センサー

・光センサー

・イメージセンサー(カメラ)

・音センサー

・圧力センサー

 

IoTデバイスには、収集したい情報に合ったセンサーが搭載されています。

 

 

|IoTのシステムに必要な要素 

IoTのシステムは、主に以下の3要素で構成されています。

 

・デバイス

・クラウド

・アプリケーション

 

IoTを活用したい場合は、IoTシステムを構成する要素にも目を向けなければなりません。

ここでは、IoTのシステムを構成する3つの要素を解説します。

 

|デバイス 

IoTデバイスには、上述した各種センサーだけでなく、インターネットに接続するための通信機能も搭載されています。

 

近年は無線通信が主流になりつつありますが、大型設備のように移動しないIoTデバイスの場合は通信が安定しやすい有線通信も使用します。

 

|クラウド 

インターネットを通じて各種サービスを利用したり、データを蓄積したりできるのがクラウドです。

 

IoTデバイスが収集したデータは、他のデバイスからもインターネットを通じて活用できるようにしなければならないため、基本的にはクラウド上に

データが蓄積されていきます。

 

|アプリケーション 

アプリケーションは、IoTデバイスが収集したデータを処理したり、処理したデータを分析・活用したりするためのソフトウェアです。

 

最近では、通信ネットワーク、クラウド上にデータを収集・蓄積する仕組み、アプリケーションなどがセットになった「IoTプラットフォーム」

サービスも提供されています。

 

|IoTで実現できる4つの機能 

IoTの活用によって実現できる機能は大きく分けて、以下の4つに分類されます。

 

  1. モノを操作する
  2. モノの状態を把握する
  3. モノの動きを検知する
  4. モノ同士が通信する

 

すべてに共通するのは、離れた場所にあるモノを遠隔から監視・操作・制御することです。

1つの機能だけでなく、複数の機能を同時に活用するケースもあります。

 

それでは、各機能について詳しく解説していきましょう。

 

 ① モノを操作する 

IoT活用の代表格といえるのが、離れた場所にあるモノを遠隔操作する機能です。

 

たとえば、スマートフォンでの家電製品の操作や照明のON / OFFなどがあります。

 

電源のON/OFFといった単純な動作だけでなく、エアコンの温度・風量の強弱など細かい設定まで調整できることがポイントです。

 

また、産業でも幅広く活用されており、外出先から工場の設備を動かす、現場に訪問せずに機器のメンテナンスを行う、といったことが実現できます。

 

「モノを操作する」機能は、生活を便利にしたり、産業の用途で活用されるケースが多いです。

 

 ② モノの状態を把握する 

離れた場所にあるモノや人の状態を知る機能もIoT活用で欠かすことのできない要素の1つです。

 

たとえば、照明の状態を外出先で確認できるため、消し忘れを防いで電力費用の削減が可能となります。

 

モノに搭載されたセンサーから情報を取得し、インターネット経由でデータを送受信することで、モノや人の状態を把握して“気づきを得られる”

ことがポイントです。

 

「モノの状態を知る」機能は、アクションにつながる重要な情報をリアルタイムで得るために活用されるケースが多いです。

 

上述のモノを操作する機能と組み合わせれば、設備の異常な動きをリアルタイムに把握して、遠隔ですばやくメンテナンス対応するなど、ビジネス

シーンでも活用されています。

 

 ③ モノの動きを検知する 

IoTには、モノや人の動きから現在の状況を知ることができる機能もあります。

 

身近な例では、公共交通機関において、バスや電車の運行状況や混雑状況を乗客がリアルタイムで把握できるようになります。

 

これは、モノや人の動きを検知するセンシング技術とIoTを組み合わせることにより実現できています。

 

モノの周辺環境の状況・計測数値の動向・人の動きなどをリアルタイムで知ることができるため、異常を瞬時に把握して適切かつ迅速な対応が可能に

なることがポイントです。

 

 ④ モノ同士が通信する 

IoTでは、インターネットに接続したモノとモノの間でデータを送受信することで、複数の電子機器を自動的に動作させることが可能です。

 

人が介在しなくてもモノ同士が情報交換して自動で動作してくれるため、自動化を実現する上では欠かせない技術です。

 

たとえば、これまでに紹介した3つを組み合わせた機能で、AIスピーカーと連携すれば、口頭の指示だけでお風呂にお湯を入れたり、エアコンや照明を

点けたり、カーテンを開閉することができます。

 

また、現在注目を集めている自動運転技術では、他の車や道路のさまざまな機器と通信して周辺状況を把握しつつ走行する技術が開発されています。

 

|IoTの市場動向 

モノとモノが連携することで私たちの生活を便利なものにしてくれるIoTですが、世界の市場動向はどのようになっているのでしょうか?

以下からは、IoTの普及状況とIoTの市場規模について解説します。

 

|IoTの普及 

世界のIoTデバイス数は年々増えており、医療や産業用途や自動車などでの増加が予測されています。

 

2020年3月から、第5世代移動通信システム(5G)の商用サービスが開始されました。5Gは超高速通信、超低遅延通信、多数同時接続可能といった

特徴を持ちます。LTEや4Gから5Gに変わることで、社会のIoT化がこれまで以上に急速に発展すると期待できます。

 

総務省の令和5年版情報通信白書では、2023年の世界のIoTデバイス数は358億台を超え、2025年には440億台以上になると予測されています。

出典:総務省_令和5年版情報通信白書

 

|IoTの市場規模 

IDC Japanが提供する、 2023年4月「国内IoT市場 産業分野別 テクノロジー別予測、2023年~2027年」のレポートでは、国内IoT市場における

ユーザー支出額について、2022年の実績は約5兆8,000億円、2027年には約8兆7,000億円に達すると予想されています。

 

支出額が多い産業分野は、官公庁、製造業、公共/公益、小売、運輸です。

 

製造業の支出額が大きい理由として、国内ではGDPに占める製造業の割合が大きいことや、生産プロセスのスループット向上、生産に関係する

リソースの最適化、エネルギーコストの削減、生産設備のリモート診断/予知保全、障害発生時の原因究明といった幅広い用途で活用が進んで

いることが関係しているためです。

出典:IDC Japan_2023年4月「国内IoT市場 産業分野別 テクノロジー別予測、2023年~2027年」

 

|IoTの活用事例(分野別)

これまでIoTで実現できる機能などを解説してきましたが、社会の中で実際にどのように活用されているのでしょうか?

分野別のIoT活用事例を解説していきます。

 

製造業 

ドイツ政府が推進する国家プロジェクト「インダストリー4.0」(第4次産業革命)の構想に注目が集まったことから、日本の製造業においてもIoTを

活用したオートメーション化などが導入され始めています。

 

多くの企業では、生産ラインの省人化・効率化を測る先である「スマートファクトリー(考える工場)」の実現を見据えています。

 

生産現場の機械や設備をIoT化し、生産実績や品質のデータを取得していけば、生産性の向上が期待できます。また、設備の稼働状況をリアルタイムに

把握する稼働監視や、設備が故障する予兆を検知して事前にメンテナンスする予兆保全など、製造業ではIoTの用途が幅広いです。

 

製品にIoTの機能を付与すれば、顧客の利用状況を把握して最適な使い方を提案する、適切な時期にメンテナンスを実施するといった顧客満足度向上に

つながるソリューションを提供できるようになります。

 

|医療 

医療業界でのIoTは「IoMT(Internet of Medical Things)」という名称で呼ばれています。

 

医療現場で使われる機器にIoTの機能を付与すれば、患者の健康状態や機器の動作状況をリアルタイムに把握することが可能です。

 

医療分野のIoTでは着用型ウェアラブルデバイスの活用に注目が集まっています。

 

ウェアラブルデバイスを着用することで患者の生体データ(脈拍、心拍、血圧など)を計測し、データ化します。

そして、そのデータを医師にリアルタイムで共有することで、遠隔地にいながら患者の状態をモニタリングできるようになり、異常を検知した際に

素早く診断・処置することが可能になります。

 

最近では、日常生活を送りながらでも健康状態を把握できるウェアラブルデバイスが普及してきたことで、遠隔医療が実現しつつあります。

 

|物流 

物流業界では、IoTなどの最新テクノロジーを用いたDXを「ロジスティクス4.0」と呼んでいます。

 

昨今では、Amazonの躍進に代表されるECサイト市場の拡大により、物流業界は多品種を少量かつ多頻度で配送する必要に迫られており、その解決策

としてIoT化が急速に進んでいます。

 

代表的なIoT活用例は、倉庫作業である仕分け、棚入れ・棚卸し、ピッキング作業におけるロボティクスを応用したシステムの導入です。

 

たとえば、Amazonの倉庫はインターネット経由の注文に応じて、担当作業員の位置まで棚が自動で移動するシステムが導入されており、人間が広い

倉庫内を歩き回る必要がありません。

このシステムにより大量の注文が効率よくさばけるようになるため、素早く顧客の手元に商品を届けられるのです。

 

|農業 

農業分野では近年、先端テクノロジーを活用して省力化や高品質な生産に取り組む「スマート農業」が注目されています。

 

たとえば、ビニールハウス栽培の場合、センサーが感知した日射量や土壌の状態をもとに水やり・肥料散布の最適なタイミングや量を算出し、自動化

することができます。

 

また、離れた場所からでもハウス内の温度調節・空調調節が可能になるので、理想的な環境をキープすることが容易になり、人の労力を減らしながら

高い生産性を実現できます。

 

IoTの導入は、後継者不足の深刻化という日本の農業が抱える課題に対する解決策としても期待されています。

 

|交通 

バスや電車などの公共交通機関やタクシー業界においても、IoTの活用で大きな変化が生まれています。

 

たとえば、バス停にあるQRコードを読み込むとバスの運行状況をリアルタイムで把握できたり、タクシー配車アプリを使って自分の居場所まで簡単に

タクシーを呼ぶことができます。

 

また、高速道路の渋滞状況や電車の遅延状況がリアルタイムでわかるようになり、ユーザーが最適なルートを選択して移動できるようになっています。

 

|IoTとAIの関係性 

IoTを語る上で欠かせないのが「AI(人工知能)」の存在です。

 

両者は、DX実現において重要な役割を担うことが期待されていますが、両者には密接な関係があります。

 

5Gの実用化が始まり、社会のIoT化が急速に進み始めるとあらゆるモノがインターネットに接続する時代が訪れると考えられており、IoT化の波は

これまでデータ集計が行われてこなかった分野にも到達するでしょう。

 

つまり、IoT化が進むにつれて従来とは比較できない規模のビッグデータが収集されるということです。

 

IoTで収集したビッグデータはAIによって解析されるとともに、そのデータをもとにした新たなAIモデルが誕生します。IoT機器に新しいAIモデルが

搭載されれば、従来以上の機能性を有することになるとともに、さらにデータの収集を継続します。

 

このようにIoTとAIは密接な関係を築き上げながら、相乗効果を生み出すと期待されています。

 

IoTとAIそれぞれの技術を活用している例のひとつが「デジタルツイン」です。

 

デジタルツインとは、現実世界(物理空間)から収集したさまざまなデータを、まるで双子であるかのように、仮想空間(デジタル空間)で再現する

技術のことです。

 

デジタルツインは、IoTで取得したさまざまなデータをクラウド上のサーバにリアルタイムで送信し、AIが分析・処理をすることでリアルタイムな物理

空間の再現が可能になりました。

 

▶︎ 【デジタルツインとは】世界で注目される理由や活用メリットを解説!

 

|まとめ 

IoTとは「モノのインターネット」のことであり、「従来インターネットに接続されていなかった様々なモノがインターネットにつながる」技術です。

 

IoTを活用し、デバイスから集計された様々なデータを分析し見える化することで新しい発見があり、新しいサービスやビジネスが誕生する可能性を

秘めています。

 

IoTの導入を推進できるIT人材不足やセキュリティ対策といった課題はあるものの、IoTは社会全体を豊かにするテクノロジーと言っても過言ではない

しょう。

 

企業ではIoTをはじめとするデジタルテクノロジーを活用した変革が求められています。

まずは、IoTの基本的な機能や事例を参考に、自社の課題と照らし合わせながら技術導入の検討をしてみてください。

 

弊社VNEXTでは、IoT開発・導入支援を行っております!

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