VNEXTの会社紹介資料
2023/08/28
AI(人工知能)技術は日々進化しており、今や日常生活でも触れる機会がたくさんあります。
話題のChatGPTはもちろん、AmazonやYouTubeなどでもAIを取り入れています。
AIには、自然言語処理やデータマイニング、画像・音声認識など幅広い分野があり、目的に合わせてシステムやアプリに応用されています。
その中でも、近年多く見られるのが「AIを活用したマッチング」です。
婚活アプリや就活アプリによる人材マッチングは、AIマッチングの代表的な例です。
本記事では、AIマッチングの仕組みをはじめ、大手旅行会社に10年間勤務していた私(筆者)が構想するGPTを活用した旅行サジェストを
ご紹介していきます。
目次
|AI(人工知能)とは?
AIとは、「Artificial Intelligence」の略で、日本語では「人工知能」といいます。
一般的には「人が実現するさまざまな知覚や知性を人工的に再現するもの」という意味合いで理解されています。
AIは「何でもできる」と思われがちですが、現在実用化されているAIは、お掃除ロボットのように特定タスクのみに特化した「特化型AI」です。
一方、「ドラえもん」のような何でも自分で考えられる「汎用型AI」は、まだ存在していません。
しかし、AIはChatGPTのような自然言語処理をはじめ、データマイニングや画像・音声認識、アルゴリズム、感情分析、推測・予測といった幅広い
研究分野で、私たちの日常生活やビジネスに活用されています。
その中でも、近年注目されているのが「AIマッチング」です。
|AIマッチングとは?
AIマッチングとは、様々なニーズを持った人やモノなどを、最適な形で引き合わせる仕組みのことです。
AIは大量のデータ(ビッグデータ)を分析し、データ同士の相関性や傾向などのつながりを短時間で導き出すことを得意としています。
人の趣味や嗜好・活動履歴などのあらゆるデータをAIが分析し、その人に合った人やモノの組み合わせを予測し、組み合わせているのです。
検索エンジンで「AIマッチング」と検索すると、上位には婚活や恋活アプリといった、人と人をマッチングするものが出てきます。
これは、会員の上記のようなデータをAIが分析し、その会員に合った組み合わせをAIが予測・推測することで、自分が設定した検索条件では
見つからない相手を見つけてくれるものです。
AIマッチングは、人材派遣・採用や就活アプリにも活用されており、人同士をマッチングする人材マッチングに特化しているようにも見えます。
しかし、AIマッチングは、人材マッチングだけではありません。
たとえば、YouTubeを利用している時、「あなたにおすすめの動画」が一覧で表示されたり、「自分専用の動画リスト」を作成してくれます。
これは、ユーザーそれぞれの視聴履歴や行動に基づいて、表示される動画を決めるアルゴリズムを採用しています。
レコメンド機能と呼ばれるものですが、AIマッチングの仕組みを活用しています。
|AIマッチングの仕組み
では、AIマッチングはどのような流れで行われているのでしょうか?
マッチングまでの流れは多岐に渡りますが、以下ではその中の一例を説明していきます。
Step.1:目的に合ったデータを用意する
まずは、AIに「学習させるためのデータ」を用意します。
このデータは、テキストやWebサイト内の行動履歴といったさまざまなものです。データは量があればあるほど、AIの学習精度は上がります。
AIによって「何がしたいのか」を明確にし、その目的に合ったデータを用意することが最初のステップです。
人材マッチングアプリを例に挙げると、プロフィール情報(写真、年齢、性別など)や性格・趣味・価値観などを登録します。
そして、アプリを利用するごとにアプリ内の行動履歴が溜まっていきます。
これらの情報がすべてデータとなり、AIにこのデータをインプットすることで、学習・分析・予測ができるようになります。
Step.2:AIに学習させる
次に、用意した大量のデータをAIに学習させます。
機械学習により、大量の学習データをもとに背後にあるモデルやパターンを学習することで、動作ルールを決定します。
機械学習には何種類か手法がありますが、入力したデータの特徴やルールを学習し、データの構造、パターンなどを抽出しながらモデルを
構築することができます。
機械学習については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
Step.3:クラスタリング
クラスタリングとは、学習データを特定のルールに基づいて、いくつかのグループ(クラスタ)に分類することを指します。
特にデータ間の類似度に基づいて、似たものを集めたグループに分ける手法が代表的です。
クラスタリングを行うことで、似たような人やモノが同じクラスタにまとめられ、クラスタに属する共通点を抽出することができます。
これが、人やモノの「属性」になるのです。
Step.4:予測・分析の組み合わせ
クラスタリングでいくつもの属性ができた後、それぞれの特徴やパターンを分析します。
そして、分析結果から複数の属性同士から適切な組み合わせを算出します。
これが「マッチング」です。
たとえば、恋活アプリのマッチングの仕組みを挙げると、マッチングした人を分析し、ディープラーニング(機械学習の効率と効果を向上させた
学習方法)を行うことでそれぞれの特徴を細かく解析します。
その後、ディープラーニングでの解析結果をもとに、マッチングした後に恋人になれる確率の高い人を機械でさらに予測しています。
このようにして、恋愛に発展する確率が高い人同士を教えてくれる点が、AIの特徴であり、恋活に活用している所以でもあります。
|GPTを活用した旅行サジェスト
AIといえば、ChatGPTが浸透している現在ですが、ChatGPTを活用したサジェストをVNEXTでは提案しております。
弊社では、独自のGPTエンジンを保有しており、企業がAIで実現したい目的に合ったチューニングによりそのタスクに特化した運用が可能です。
今回は「旅行」にフォーカスしてどのようなことが実現できるのかを、10年間大手旅行会社に勤務していた筆者の構想をご紹介していきます。
|旅行のプランニング
ChatGPTでは、会話型の「旅行プランニング」が可能です。
これは、チャットでユーザーが想像している旅行像をキーワードなどで入力していくことで、ユーザーに最適な旅行プランを提案するものです。
旅行会社向けのサービスのため、すでに過去から現在までのさまざまな旅行者のデータが蓄積されています。
このビッグデータと、ユーザーが入力した情報、たとえば行き先・時期・旅行形態(家族旅行・カップル・一人旅など)・予算などをAIが属性と
パターンを推測し、かけ合わせることで旅行プランを作成します。
例として、「夏にハネムーンで海外旅行に行きたい。予算は1人30万円くらいで、日数は7日間、ハネムーンにおすすめの行き先とホテルを組み合わせた
旅行プランを作ってほしい。」と入力したとします。
そうすると、AIは「夏」「ハネムーン」「海外」「7日間」といったキーワードから、旅行会社が持つこれまでのハネムーン旅行のデータを抽出し、
おすすめの旅行プランをいくつか提案してくれます。
以下は、上記の情報を入力した結果の例です。
また、旅先が決まっていない場合は、以下のようにハネムーンにおすすめの行き先もリストアップしてくれます。
提案されたプランでカスタマイズをしたい、想像していたのとちょっと違うとなと思った場合は、追加で「こういうことをしたい」などの情報を
インプットしていきます。
AIが「形」として提案してくれるので、ユーザーはそれに対して満足したものなのか、それとも想像と違うのかを判断でき、
もっと「こうしたい」「こんなことはできるのか?」と具体的な旅行像が見えてくるきっかけにもなります。
|自分に合ったホテルが見つかる
すでに飛行機や鉄道とホテルがセットになったパッケージツアーでは、選択可能なホテルが絞られているのであまり迷うことはないでしょう。
しかし、飛行機や鉄道とホテルをそれぞれ手配する際は、滞在先のホテルの選択肢が幅広く、ユーザーに最適なホテルを見つけることは
なかなか骨が折れます。
そこで、ChatGPTに「滞在先」「旅行の目的」「旅行形態」などの情報を与えると、ニーズに合ったホテルを提案してくれます。
イメージとしては、以下の図のようなものです。
|旅行先での飲食店を提案
上記のホテルのように、滞在先でおすすめの飲食店も提案可能です。
ユーザーは会話形式で好みや条件を指定するだけで、自分にあった店舗探しができます。
旅行会社によっては、独自の飲食店サイトがあったり、たとえば食べログのような別サイトで探したレストランを代行で予約をしてくれます。
ユーザーの滞在先や食の好み、誰と行くのかなどの情報を指定することで、AIが最適な飲食店を提案します。
|Chatで旅程のカスタマイズができる
上述のように、旅行のプランニングで作成された旅程にカスタマイズをすることも可能です。
ユーザそれぞれのニーズや要件に合わせた旅行のインスピレーションの提案だけでなく、
旅行計画の過程にある、あらゆる段階で具体的な質問ができます。
たとえば、現地のオプショナルツアーや移動手段の提案をしてくれるので、それを基本的な旅行プランに組み込みオリジナルの旅程が作成できます。
|お客様へ次回の旅行先を自動生成・提案
最後は、旅行会社視点でのサジェストです。
旅行会社では新規顧客にはリピーターになってほしい、リピーターにはさらに満足度を上げたいという思いがあります。
前回の旅行は、「いつ」「どこに」「誰と」「何を目的に」行ったのかというデータから、AIで次の旅行提案を組むことが可能です。
たとえば、年2回夏と冬に旅行をする家族がいるとします。
これまでの旅行履歴をもとに、次回の夏の旅行プランを自動的に生成します。
そして、予約をするタイミングの春頃にお客様へ「そろそろ夏の旅行計画をし始めた頃ではないでしょうか?今回はこのような旅行プランは
いかがですか?」というメールなどを送ることで、顧客は「タイミングがいい」「自分たちのために旅行プランまで練ってくれている」と
旅行会社に対する満足度が上がります。
このように、旅行会社が持っているビッグデータとユーザー情報をAIでマッチングさせることで、さまざまなサジェストが実現できます。
|AIマッチングならVNEXT
弊社VNEXTでは、これまで「AIマッチング」を活用した開発の実績があります。
以下では、開発実績の一例をご紹介します。
《日本企業・外国人エンジニアマッチング》
人材紹介・人材派遣のためのマッチングするプラットフォームを開発。
このプラットフォームにより以下の課題を解決しました。
・日本国内企業はIT人材不足で、良質なエンジニアを採用できていない状況
・海外エンジニアと日本国内企業のマッチングシステムがないため、海外エンジニアが日本で仕事をするチャンスが少ない
また、機能として、候補者のレジュメおよび企業求人案件を管理し、メール調整、進捗管理、契約、自動請求書発行まで様々な作業も可能です。
▶️ 詳細:https://vnext.co.jp/ourwork-web/tarent-matching.html
《ジョブマッチング》
企業が求める人材と求職者をマッチングさせるプラットフォームを開発。
このプラットフォームでは、「企業」は欲しい人材、「求職者」は働きたい条件を入力し双方をマッチングさせるものです。
企業の会社概要・売上・業種・求人情報のデータと求職者の履歴書・志望動機などのデータを分析し、組みあわせることで双方に最適且つ
高精度なマッチングを実現しました。
「AIマッチング」は目的や使い方によっては、さまざまな可能性を広げてくれる手段のひとつとなります。
AIマッチングをもっと知りたい、自社に取り入れたいと検討している方は、ぜひVNEXTにご相談ください!
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