VNEXTの会社紹介資料
2023/11/07
オフショア開発の導入を検討するにあたり、
「オフショア開発ってどうやって進めればいいの?」
「国内で開発する時と違いはあるの?」
といった疑問が出てくるかと思います。
本記事では、オフショア開発の進め方とオフショア開発の進め方で押さえておきたいポイントをご紹介します。
目次
|オフショア開発とは?
オフショア開発(offshore development)とは、システム・アプリ開発の業務などを海外の開発会社や海外子会社に委託することです。
イメージでいうと、電化製品や衣類などを材料費や人件費の安い海外で製品を作り、日本で販売する方法に近いです。
オフショア開発先として選ばれる国は、中国・インドが主流でしたが、近年では主に賃金が安いベトナムやフィリピンといった東南アジア諸国が
多くなっています。
これは、人件費が安く労働力が豊富である、エンジニア人材が確保しやすい、採用・開発コストを削減できるといった理由が挙げられます。
開発できるものは会社により様々ですが、Webシステムやアプリケーションが多く、オフショア大国のベトナムなどでは基幹システムからAI、
ブロックチェーンなどの最先端技術を使った開発案件も対応できます。
|オフショア開発の進め方
オフショア開発のメリットは、主に「リソースの確保」と「コスト削減」です。
これらのメリットを享受するためには、全体的な流れや進め方を把握する必要があります。
この部分を知らないと、中途半端な開発となり失敗につながってしまいます。
オフショア開発の進め方は、以下のとおりです。
- 開発の目的を明確にする
- 要件定義をできるところまで自社で行う
- オフショア開発を行う国や企業の選定をする
- 複数社に見積もりをとる
- 契約内容を確認する
- 担当者と仕様書を作成して細かい部分を決める
- 定例ミーティングを設けて進捗を管理する
- 担当者と動作確認を行う
- プロダクトをリリースする
オフショア開発に限らず、システムやアプリ開発はほぼ同じ流れで行います。
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
|Step1:開発の目的を明確にする
オフショア開発で特に重要になるのが「開発の目的を明確にする」ことです。
オフショア開発は、海外に開発業務を委託します。
日本では「暗黙の了解」という文化があり、曖昧なことがあってもなんとかなってしまうことがありますが、海外でこれは通用しません。
たとえば、開発の目的が「業務効率の向上とコスト削減」だとしましょう。
もし、オフショア開発で依頼したチームに目的が伝わっておらず開発が進んでしまうと、「業務効率は向上したが維持コストが異常に高くなった」と
いうことになりかねません。
つまり、目的を明確にすることは、開発目的にズレが起きないようにするためにも必要不可欠なのです。
「大体こんな感じで伝わるだろう」
「社内や国内で開発する場合の内容で十分だろう」
といった認識でオフショア開発を進めたとしても、海外では仕様書に書かれていないことは実装されません。
目的はコストカットなのか業務効率をあげることなのか、またはその両方かなど、開発に入る前に明確にして共通認識を持つことが大切です。
そのために、海外のチームにもきちんと伝わるよう準備をしておきましょう。
|Step2:要件定義をできるところまで自社で行う
プロジェクトの成功を左右するのが「要件定義」です。
どのような場合でも、「そのシステムの目的は何か」「どのようなことをするためのシステムなのか」がはっきりしないと、最終的にどの機能まで
搭載するのか、それを実現するためにはどのような機能設計が必要なのかということが決められません。
そのため、要件定義はできる限り細部まで自社で行うようにしましょう。
何となく要件定義を決めて海外チームに発注すると、イメージしていたシステムが開発されずに失敗してしまう可能性が高くなるためです。
目的を明確にすることと同様に、しっかりと開発者に伝わるよう、必要な機能などは全て文章にすることをおすすめします。
要件定義は、発注者の要求を明確にし、システム開発の方向性を決めるために重要なだけでなく、発注者と開発者の合意文書でもあります。
ただ、すべてを自社で行うと時間がかかってしまうので、しっかりと伝えたいことを必要最低限まとめておくといいでしょう。
|Step3:オフショア開発を行う国や企業の選定をする
開発の目的と要件定義ができたら、オフショア開発を行う国と企業の選定をします。
オフショア開発を依頼する国と企業選定では、目的に合った企業を選定します。
上述のとおり、オフショア開発の委託先は多岐にわたり、国によって得意な分野や人件費も異なります。
委託国を決める際は以下のポイントを押さえて選びましょう。
・自社のシステム開発に必要なスキルを持つ人材が多いか
・言葉や文化が日本に近いか
・日本のビジネスアワーに合う時差か
・コミュニケーションは日本語か英語か
オフショア開発の主な委託先の特徴については、下記の記事で詳しく説明していますのであわせてご覧ください。
▶︎ オフショア開発とは?意味やメリット、成功させるためのポイントを徹底解説!
また、企業を選定する際に、特に確認すべきなのが実績です。
どの企業にも得意不得意があるので、開発しようとしているシステムに近しい実績があるのかを確認するようにしましょう。
|Step4:複数社に見積もりをとる
ある程度、企業が絞り込めたら複数社に見積もりをとりましょう。
見積もりをとる際は、RFP(提案依頼書)作成し、各企業に提出すると同じ条件で見積もりをしてもらえるので比較がしやすくなります。
見積もりをもらったら、実績やサポート体制を確認し、料金と見合っているのかも社内で検討する必要があります。
人件費は国内と比較すると安くなる傾向にありますが、開発にかかる工数によっては見積もりが高くなる会社もあるため、注意が必要です。
また、オフショア開発では自社と海外チームの橋渡しとなるブリッジSEのアサインは重要になります。
ブリッジSEがいることで、意思疎通を図ることができコミュニケーションコストも抑えることができます。
見積もりの中に、ブリッジSEがアサインされているかも確認しましょう。
|Step5:契約内容を確認する
発注するオフショア開発会社が決まったら、契約内容を確認しましょう。
オフショア開発の契約形態は、「ラボ型」と「請負型」の2つがあります。
ラボ型は、開発期間で契約をして、社外に専属の開発チーム(ラボ)をつくり開発を進めていくことです。
一方、請負型は、ソフトウェアやシステムなどの成果物単位で契約をするため、成果物が完成したらチームは解散します。
また、開発手法も主に2つに分かれます。
・ウォーターフォール開発:仕様を明確にしてから開発を依頼する
・アジャイル開発:要件定義〜テストまでの一連の開発工程を短期間で繰り返し、状況に応じて柔軟に開発を進める
このように、契約形態と開発手法に種類があるため、プロジェクトのタイプや目的に合わせて、自社にとってベストな契約内容になっているのかを
確認しなくてはなりません。
仕様変更や修正などに対応可能な契約内容になっているのか、自社が不利益を被るような内容になっていないかどうかを確認しましょう。
| Step6:担当者と仕様書を作成して細かい部分を決める
契約まで完了したら、担当者と一緒に仕様書を作成し、細かい部分を詰めていきましょう。
オフショア開発では、仕様書の内容が正確に翻訳されているかどうかがポイントとなります。
仕様書が曖昧に作成されていた場合、問題が起きても開発会社に対して追及することができないためです。
Step1でも述べたとおり、海外では暗黙の了解は通用せず、仕様書に書かれていないものは実装されないことがほとんどです。
そのため、細かい部分まで詰めてから、開発チームへ正しく伝達できるようにしておきましょう。
オフショア開発では、最低限満たしてほしいものをリストアップしておくことをおすすめします。
|Step7:定例ミーティングを設けて進捗を管理する
開発を依頼した後は、委託先に任せっきりにしてはいけません。
必ず、定例ミーティングを設けて進捗管理を行いましょう。
オフショア開発では、常に海外の開発チームとコミュニケーションを取りながら、進捗を確認することが大切になります。
依頼する国によっては、スケジュールや納期に対しての管理が甘く、発注したものが完成するまでに時間がかかるケースがあります。
また、進捗管理だけではなく改善点も定例ミーティングで伝えましょう。
改善してほしい箇所を直接エンジニアに伝えることは、本来の目的からズレないためにも大切です。
オフショア開発の成功の鍵は、なんといっても「コミュニケーション」です。
定例ミーティングを設けて進捗を確認し、改善点を伝えて良好な関係を築けるよう密なコミュニケーションを意識しましょう。
| Step8:担当者と動作確認を行う
依頼したシステムが納品されたら、担当者と一緒に動作確認を行いましょう。
自社で用意した仕様書にそって開発されているか、正しく動作するかどうかを検証します。
担当者と一緒に確認する理由は、不具合があった場合にすぐに対応を依頼できるようにするためです。
自社で動作確認をして不具合を発見した場合、そこから海外チームへ不具合の報告をして指示を出すことになるので時間がかかります。
効率よく手間が少ない状態でシステム開発が進むよう、担当者と一緒に動作確認を行うことが大切です。
|Step9:プロダクトをリリースする
確認・検証が完了したら、正式にプロダクトをリリースします。
無事にリリースできても、不具合やアップデートへの対応が必要になるケースもあります。
そのため、運用・保守まで一貫してサポートしてくれる企業を選ぶことをおすすめします。
オフショア開発会社によっては、運用・保守までサポートしていない企業もあります。
その場合、自社にリソースがあれば社内で行えますが、リソースの確保ができない場合は別会社に依頼することになります。
そうなると、一からシステムの内容を説明しなくてはなりません。開発を委託した企業であればシステムのことを把握しているので、運用・保守も
安心して任せることができます。
リリースが完了すれば完了ということではないため、海外チームとの信頼関係を維持し、システムを運用できるようにしておきましょう。
|オフショア開発の進め方で押さえておきたいポイント
ここまで、オフショア開発の進め方を解説してきましたが、以下ではオフショア開発を進める上で押さえておきたいポイントをご紹介します。
|委託先のレベルを確認する
オフショア開発を成功させるためのポイントの1つは、委託先のレベルを確認することです。
オフショア開発の進め方がわかっていても、委託先のレベルが見合っていなければプロジェクトに遅れが出たり、成果物の品質がよくないなどの
失敗につながってしまいます。
オフショア開発を依頼する前に、経験や実績などをできるだけ調べ、比較と検討を繰り返して依頼先を絞り込みましょう。
資料請求をするだけでなく、実際に問い合わせをして、担当者とのコミュニケーションがスムーズにとれるかも確認しておくことをおすすめします。
|予算は余裕を持っておく
「コスト削減」を目的にオフショア開発を導入する企業は多いです。
しかし、要件定義や思わぬトラブルで開発期間が延びることで、想定していた予算を大幅に超える可能性があります。
たとえば、以下のような項目は意外に高くなりやすい費用例です。
・PMやブリッジSEにかかる人月額
・円滑なコミュニケーションのための通訳費
・日本語対応可能にするための割増費
また、初めてオフショア開発を導入する場合、実際に現地に視察をしたいという方も少なくありません。その場合、渡航費や宿泊費もかかります。
コスト削減を目的にオフショア開発を進めているのに、結果として高くなったというケースが意外にあるため、十分に比較・検討をしてからプロジェ
クトを動かす必要があります。
|コミュニケーションを密にとる
オフショア開発を成功させるためには、密なコミュニケーションが最重要となります。
海外に開発業務を依頼するため、「言葉の壁」はオフショア開発の最難関ともいえます。
言語が違うということは、仕事に対する価値観や認識も違うということです。
コミュニケーションは、納期を遅らせないためにも重要ですが、お互いの意識・認識を理解し合い、スムーズにプロジェクトを進めるために大切です。
コミュニケーションが疎かになると、重大なトラブルが発生しても発見できません。また、品質管理にも影響を及ぼします。
このようなリスクを軽減するためにも、コミュニケーションは積極的にとってください。
|まとめ
ここまで、オフショア開発の進め方を以下のとおりに解説しました。
- 開発の目的を明確にする
- 要件定義をできるところまで自社で行う
- オフショア開発を行う国や企業の選定をする
- 複数社に見積もりをとる
- 契約内容を確認する
- 担当者と仕様書を作成して細かい部分を決める
- 定例ミーティングを設けて進捗を管理する
- 担当者と動作確認を行う
- プロダクトをリリースする
流れを見ると大変そうに思いますが、国内で行う場合とさほど変わりはありません。
オフショア開発を成功させるために重要なことは、海外チームとのコミュニケーションと信頼関係を築くことです。
オフショア開発は、お互いがパートナーとなりプロジェクトを進めていきます。
国内での開発と海外での開発では、国によるさまざまな違いがあることを理解した上で、事前準備や意思疎通を行うことが大切です。
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