VNEXTの会社紹介資料
2024/05/07
システム・アプリ開発の業務などを海外の開発会社や海外子会社に委託するオフショア開発の最大の課題は「コミュニケーション」といわれています。
海外に開発業務を委託するため、「言葉の壁」や「国民性・文化の違い」「物理的な距離」などでコミュニケーションがとりづらい環境があるためです。
そこで本記事では、オフショア開発におけるコミュニケーション課題を挙げ、その対策と解決するコツを解説していきます。
目次
|オフショア開発におけるコミュニケーション課題
日本から海外に開発を委託するオフショア開発では、コミュニケーションを円滑にとることがプロジェクトの成功を左右します。
しかし同時に日本と海外という、物理的にも心理的にも距離のある2者間でのコミュニケーションには、多くの課題があるのも事実です。
そこでまず、オフショア開発でのコミュニケーションではどんな課題が生じるのかを把握しておきましょう。
|言語の壁
まず第一に、日本と海外との間には「言語の壁」があります。
オフショア開発の委託先は、インド、中国、ベトナム、フィリピンといったアジアの国々が中心ですが、同じアジアでも日本語を公用語としている国は日本以外にありません。
多くの場合は、先方に日本語ができるブリッジSEやプロジェクトマネージャー(PM)をアサインするか、双方が英語でコミュニケーションをとります。つまり、片方または双方が外国語を用いなければならないのです。
また、契約の締結までは現地の日本人スタッフなどに通訳を依頼するなどして進められたとしても、開発段階になると、現地のエンジニアと直接やりとりしなければならないことがほとんどです。自社のエンジニアが英語に苦手意識を持っていたり、現地のエンジニアが母国語しか理解できなかったりすると、スケジュール通りに開発を進めることが困難となります。
オフショア開発では、日本側で要件定義書を用意して委託先に渡し、現地でブリッジSEやPMなどが現地語または英語に翻訳して作業するといった形がとられます。その翻訳時に、些細な誤訳や誤読があったがために、こちらの意図とは異なる仕様で開発が進められてしまうというミスも、実際に起きるのです。
そうなると、修正作業の追加や納期遅れ、成果物のクオリティ低下など、プロジェクトにとって重大な問題を引き起こしかねません。
オフショア開発において「言葉の壁」は、それほど大きな問題といえるでしょう。
|文化・国民性の違い
言語が異なるということは、文化や国民性も異なるということです。
これはビジネスにおける考え方の違いも含みます。
日本では常識だと思われていることや、暗黙の了解で進められていることも、海外では通用しないことが多いものです。たとえば、海外エンジニアは、仕様書に書かれていないことは基本的に対応しません。「この機能テストでは、こういうテストも含めて行うのが基本だろう!」と詰め寄っても、「テスト仕様書には書かれていない」と一蹴されることは多々あります。
加えて、よく起こりがちな問題として「時間に対する意識の違い」も挙げられます。
多くの日本人は、「納期はかならず守らなければいけないもの」「納期遅れは重大な契約違反」という意識を持っています。もし納期に遅れそうであれば、「残業や休日出勤をしてでも間に合わせる」ことを選択する人はまだまだ多いでしょう。
一方で、世界の中には時間や契約に関して、日本とは異なる捉え方をしがちな国もあります。
たとえば「納期はただの目安」という意識で、決められた終業時間内に作業が終わらなければ、「しかたない、納期を繰り下げればいい」と判断されるといったケースです。
時間だけでなく、仕事や働き方、成果に対する責任など、さまざまなシーンでカルチャーギャップはあるでしょう。
オフショア開発では、そういった認識の違いをあらかじめよく理解しておくことも重要です。
|人材管理が難しい
オフショア開発ではエンジニアが海外にいるので、人材管理がしづらい点も課題の1つです。
現地でどのような開発を行なっているのかが見えづらく、レポートやリモート会議などで行う進捗確認も、相手の話を信じるしかありません。
また、現地での開発の進捗具合や内容の把握が難しいため、委託先に任せっきりにすると、実際に確認できた時には開発がブラックボックス化している可能性があります。
このような問題をそのままにしてしまうと、「納期が大幅に遅れた」「成果物が思っていたものと違う」「余計なコストがかかってしまった」などの失敗に陥るケースがあります。
|要件や仕様が伝わりづらい
オフショア開発では、うまくコミュニケーションがとれず、要件通りの開発ができない場合があります。納期が守られないといったことも起こりかねません。
特にオフショア開発は言語の壁もあり、対面でコミュニケーションを行うことが少ないので、なかなかこちら側の意図を正確に伝えることができません。
そのため、プロジェクトの目的や内容を正確に伝え、積極的なコミュニケーションで相互理解を図ることが重要です。
|リモート環境の不便さ
日本と海外という物理的な距離も、問題につながる恐れがあります。
オフショア開発のコミュニケーション方法は、基本的にリモートで行われます。
そこでまず問題になるのが「時差」です。
日本と現地でオンライン会議をする場合、双方の就業時間が重なる時間帯に行おうとすると、その範囲は限られます。
たとえば、急ぎ対応しなければならない問題が起きて、こちらは朝イチに会議を設定したくても、先方の始業時間まで数時間待たなければいけない、ということもあり得るでしょう。
さらに、リモートでやりとりすると、音声や映像が途切れたり、聞こえづらかったりして、ミーティングが思うように進まないストレスもあります。そのため、「1時間で済むはずのミーティングに2時間かかった」といった余計な時間や手間が生じることも覚悟しておかなければなりません。
|オフショア開発におけるコミュニケーションの対策
オフショア開発は、コミュニケーションの課題によるやりづらさを感じた方もいらっしゃると思います。しかし、この課題も対策次第で解決できます!
以下では、オフショア開発におけるコミュニケーションの具体的な対策方法をご紹介します。
|日本語がわかる人が多い国・企業を選ぶ
まずは、オフショア開発会社を選ぶ際に「日本語が通じやすい国」や「日本語OKの会社」にすれば、スムーズなコミュニケーションをとることができます。
下記の表は、国ごとの主なコミュニケーション言語をまとめたものです。ベトナムや中国は比較的、日本語を使える人材が多い国です。
また、オフショア開発先としてよく選ばれる国ごとの人件費は下記のとおりです。日本と海外の橋渡しとなる「ブリッジSE」の単価を見てみるとわかるように、ベトナムは他の国と比較して単価が低いことがわかります。これは、ベトナムには日本語を話す人材が豊富なことを表しています。
◆ VNEXTの強み
弊社VNEXTのブリッジSEは、日本語堪能なベトナム人だけではなく日本人も在籍しています。また、窓口は日本法人となり、日本人エンジニアも在籍していますのでスムーズな日本語でのコミュニケーションが可能です。
|語学力とコミュニケーション力が高いブリッジSEやPMをアサインする
一般的なオフショア開発では、日本と現地のエンジニアとの橋渡し役を担うのは「ブリッジSE」や「プロジェクトマネージャー(PM)」です。
ブリッジSEやPMが日本からの指示を受け、現地語に訳してエンジニアたちに伝えたり、エンジニアから上がってきた仕様書を日本語に翻訳して納品したりします。
そのため、ブリッジSEやPMの語学力が高ければ、誤訳や誤読によるミスは最小限にできるでしょう。オフショア開発企業の中には、優秀なエンジニアに日本語教育を施して、日本向けのPMを育成しているケースもありますので、そういう人材を探してください。
その際に重要なのは、できれば事前にPM候補と直接対面することです。
実際に対話してみて、日本語能力と業務スキルを確認し、信頼できるレベルの人材に依頼しましょう。
◆ VNEXTの強み
弊社VNEXTでは、日本拠点に上流から対応可能な日本人PMが在籍しており、お客様のご要望に応じた柔軟な開発体制を構築いたします。日本人PMの手厚いサポートにより日本と同等レベルの品質を実現します。
|要求仕様書には必要なことを明確に記載する
オフショア開発では、依頼する作業について、細かい部分まで記載した要求仕様書を作成することが欠かせません。
仕様書はプロダクトの成功を握る鍵でもあります。
ここにきちんと明確に詳細を記載することで、求める成果物を得られます。
書き方のポイントとしては、仕様書に記載する内容に対する意識を変えることです。
日本では「○○をテストするといえば△△のテストも含むのが当たり前」という感覚で、普段では記載しない部分を、「○○と△△をテストする」と明確に書く、といった意識を持つことが大変重要になってきます。
また、成果物に付随するドキュメントなどについても「どのような項目を、どのようなフォーマットで書くのか」まで提示しておくと、期待したものと大きく外れることはないでしょう。
弊社が案件を進める際に、エンドユーザー様向けに提供している資料があります。要件の伝え方から画面仕様・遷移図の書き方、作成ツールなどを紹介しています。
>> 資料ダウンロード(無料):仕様書の書き方のポイントや事例、作成ツールをご紹介!
|進捗管理をこまめに行う
日本では、「納期は絶対守らなければならないもの」という認識が一般的ですが、海外ではそうともいい切れません。納期を守るために残業するといった考えがない国も少なくないのです。
そのため、進捗管理はこまめに行うことが重要です。
できるだけ早い段階で問題を明確にすることが、進捗の遅れを最小限にすることにつながります。少なくとも、毎週末あるいは毎週明けに、進捗確認を兼ねたオンライン会議を実施し、Face to Faceで進捗だけでなく、トラブル発生の有無を確認することをおすすめします。
|時差や休日を確認する
海外との仕事で忘れてはいけないのが、時差や休日の違いです。
電話連絡や会議時間の決定の際は、相手国との時差や休日を考慮することを忘れないようにしましょう。
また、スケジュールを立てる際には、相手国の長期休暇の有無も確認し、スケジュールに組み込む必要があります。
|コミュニケーション課題を解決するコツ
次はコミュニケーションを円滑に進めるためのコツをご紹介します。以下のポイントを押さえることで、オフショア開発におけるコミュニケーションにも困りません。
|密なコミュニケーションを心がける
オフショア開発の成功の秘訣は「密なコミュニケーション」です。
委託先の開発チームとこまかなコミュニケーションをとることで、お互いに信頼を得ることができ、プロジェクトもスムーズに進みます。
そのため、最低でも週1回はオンライン会議で進捗確認や質問などの場を設けましょう。チャットでのやりとりもコミュニケーション手段ですが、Face to Faceで話合うことで、解釈の齟齬を払拭したり、こちらの意図が伝わっているのかがわかりやすくなります。
また、要件や仕様をうまく伝えるためには、日本側とオフショア側の双方でゴールをすり合わせ、そこからタスクを細分化していきましょう。
オンライン会議を行う際にネックになるのが「時差の問題」です。
お互いの業務時間内に行うことができるように、ベトナムのように時差の少ない国に委託することをおすすめします。
ベトナムと日本の時差は、−2時間です。ベトナムのビジネスアワーは8:00〜17:00の企業が多く、日本時間だと10:00〜19:00と双方の業務時間が合うため、コミュニケーションもとりやすいです。
|国民性や文化の違いを理解する
事前に、委託先の国の国民性や文化を学んでおくことも必要不可欠です。
「この国の働き方はどうなっているのか」
「時間や約束に関する意識はどうか」
「仕事に対する責任感、責任範囲をどう捉えているか」
など、一緒に仕事をするに際して知っておきたい相手の特性を理解しましょう。
あらかじめある程度の覚悟があれば、実際に委託してみて何かコミュニケーションの齟齬があった場合にも、慌てず対応できるはずです。
場合によっては、「A国に委託を考えていたけれど、文化的に協調するのが難しそうなので、B国に委託しよう」と考えが変わるかもしれません。
現在、オフショア開発を導入している企業の約半数がベトナムを選んでいます。
理由はいくつかありますが、親日国であることや日本人と国民性が近いことが挙げられます。
ベトナムが選ばれる理由については、以下の記事で詳しく解説していますのでチェックしてみてください。
▶︎関連記事:ベトナムがオフショア開発で人気の理由とは?委託先の選定ポイントも
|あいまいな表現を避ける
委託先とのコミュニケーションでは、日本語ならではのあいまいな表現を避けるということも大切です。
海外の人が日本語に関して「難しい」と感じることのひとつが、あいまいな表現や複雑な言い回しの多用です。
たとえば、依頼を断る際に「できなくはないけれど…」と言って、言外に「できない・やりたくない」ことを匂わせることがあるでしょう。
しかし、これは海外からすれば、「できるのか、できないのかどっち?」と混乱を招きます。
なのでオフショア開発では、「できる/できない」「YES/NO」ははっきり言いきりましょう。
指示を出すときも、「これ、前と同じようにやっておいて」「時間があるときでいいから」といった言い方ではなく、「〇〇と同じ△△の作業を、いついつまでに完了させて」と伝えます。
相手のことをよく理解した上で、誤解される余地のない言葉でコミュニケーションをとることを心がけましょう。
|オフショア開発にはコミュニケーション課題を超えるメリットがある
ここまで、オフショア開発におけるコミュニケーションの課題について解説してきましたが、この課題以上にオフショア開発にはメリットが多々あります。
以下では、オフショア開発の代表的なメリットを3つ挙げてご紹介します。
|コスト削減
オフショア開発の最大のメリットは「コスト削減」といえます。
海外で開発を行うメリットは、現地の人件費が国内に比べてかなり安いことです。
開発費の大部分は人件費といえるため、この人件費を抑えることができれば、コスト削減に大きく貢献します。
従来、オフショア開発先として人気だった中国やインドは人件費が高騰し、日本企業で開発する場合とあまり開発コストが変わらなくなってきましたが、ベトナムやフィリピンは人件費が日本と比較し、1/2から1/3程度とコストメリットが高いです。
▶︎関連記事:オフショア開発の費用とは?国別の人月単価とベトナムを選ぶべき理由
|IT人材不足を解消できる
昨今の少子化の影響もあり、IT業界の人材不足は深刻な状況です。人材が確保できなければ、迅速な開発は実現できません。
現在の日本では、優秀なエンジニアは希少で、人件費も高騰しており120〜200万円が相場となっています。そのため、簡単に採用できる環境ではありません。
もし、海外の人材を利用するにしても、国内に駐在させた上での作業となれば、別のコストが発生します。
その点、現地でのオフショア開発は、コストを抑えた上で人材を確保できる最適の手法といえます。
|優秀な人材を低コストで確保できる
日本と比べて人件費が安くなるとはいえ、現地では、ITエンジニアは他の職業に比べて好待遇であることが多いです。そのため、現地のIT会社には、激しい競争を勝ち抜いてきた優秀なエンジニアが多く集まってきます。
また、世界を相手にするIT会社であれば、実績もさることながら、社員の教育環境をしっかり整えています。
自社に雇い入れてゼロから教育するより、はるかにコストがかからないこともメリットといえるでしょう。
特に、ベトナムはIT大国として国を挙げてIT人材の教育に力を入れているため、年々優秀なIT人材を輩出しています。そのため、日本と同等レベルもしくはそれ以上のスキルを持った人材を低コストで採用することが可能です。
|まとめ:コミュニケーションの秘訣は”お互いへの理解を忘れないこと”
オフショア開発では、海外のエンジニアに開発を委託するということもあり、言語の問題や物理的な距離の問題、時差の問題などでコミュニケーションが取りづらい面があります。
それらを解決するためには、「コミュニケーションの頻度をあげる」「端的に簡潔な言葉で伝える」「お互いを理解し合う」ことが重要です。
相手の文化を尊重していくのはコミュニケーションの基本です。ぜひこれらのことを意識してオフショア開発を行なっていきましょう。
|オフショア開発を検討されている方へ
オフショア開発には、今回ご紹介したようにコミュニケーションの課題があるのが実情です。
この記事を読んで、コミュニケーションに不安を感じた方もいると思います。
弊社VNEXTのブリッジSEやコミュニケーターは、日本語が堪能なだけでなく、日本企業で勤務していた日本のビジネス慣習を理解している人材を開発チームにアサインしています。
日本法人であるVNEXT JAPANが窓口となるため、日本人スタッフによるサポートも充実しているので、コミュニケーションへの不安を払拭できます!
オフショア開発を検討されている方は、一度VNEXTにお気軽にご相談ください!