VNEXTの会社紹介資料
2023/12/15
近年、AIを導入する企業が増えてきましたが、中でも注目されているのが「AI-OCR」です。
「働き方改革」が進む今、AI-OCRが急速に普及しており、業務効率を格段に向上させる技術に注目が集まっています。
本記事では、AI-OCRの概要からOCRとの違いや特徴、活用メリット、AI-OCR製品の選定ポイントなどについて詳しく解説していきます。
目次
|AI-OCRとは?
AI-OCRとは、AI(人工知能)を活用したOCR(光学的文字認識)のことです。
OCRとは、紙や画像ファイルに書かれている文字をスキャナやカメラで読み込み、デジタルデータに変換する技術のことです。
OCRにAIの技術を組み合わせたAI-OCRは、文字の補正精度を飛躍的に向上させました。
従来のOCRでは難しかった手書きの文字列や、非定型フォーマット文書の読み取りも可能になってきており、その適用可能な範囲の広さが、
注目を浴びています。
|AI-OCRとOCRの違い
AI-OCRとOCRの違いは、AI技術の導入による処理能力と読み取り精度の向上にあります。
従来のOCRは、単純に画像から文字を読み取る技術でした。一方、AI-OCRは、AI技術を組み合わせることで、より複雑な文字認識を可能にしました。
たとえば、書体やフォーマットの異なる文書、手書きのテキスト、画像の歪みやノイズがある場合には、従来のOCRでは読み取りが難しい場合があり
ました。通常のOCRは、機械的なルールや形式的なフォーマットを基に変換を行うためです。
しかし、AIならば機械学習や深層学習により形式外の複雑な書体や不分明な画像も見分けられます。このAIの能力をOCRに付加することで、高い精度で
文字を認識できるようになりました。
また、AIは学習能力を持つため、使用するほど認識精度が向上するという特徴も有しています。
▶︎ 【OCRとは】文字をデジタル化して業務効率化!〜AI-OCRについても解説〜
|AI-OCRの特徴と活用メリット
AI-OCRを活用することで、企業は大量の文書データを迅速かつ正確に処理することが可能となり、業務効率の向上やコスト削減に寄与しています。
以下では、AI-OCRの特徴を踏まえながら活用メリットを3つ挙げてご紹介します。
|文字識字率が高い
これまでのOCRは、すでに持っているロジックの範囲内で決められたパターンでしか識別を行うこができませんでした。
しかし、AI OCRはAIにディープラーニングさせることにより、一度文字を読み間違えたとしても、その間違えたデータをAIが学習することで、
文字認識率を向上することが可能になりました。
AIが学習していくことによって、一人ひとり癖が異なる手書き文字への対応も行いやすくなります。
|フォーマットが異なる帳票に対応できる
従来のOCRでは、文字の読み取り位置や項目といった詳細を定義した上で、読み取りを行わなければなりませんでした。
AI-OCRでは、文字の読み取り位置や項目を自動抽出することが可能です。
そのため、紙の資料をスキャンするだけで簡単に文字を認識させられるようになります。
請求書や納品書、発注書など取引企業ごとに様式が異なる非定型帳票、契約書などの任意様式の文書の文字認識が可能となり、紙書類を柔軟に
スキャンできるため、担当者の負担軽減にも繋げられます。
|RPAや基幹システムとの連携で業務効率化
従来のOCRでもある程度の業務効率化は実現可能ですが、決められたフォーマットの帳票しか利用できないため、状況に応じてフォーマットを
準備しなくてはなりません。
AI-OCRであれば、「読み取った情報は何の項目なのか」「業務システムへの入力に必要となる情報はどの部分なのか」といった点も柔軟に抽出し、
連携できるようになります。
また、最近ではRPAや基幹システムとも柔軟に連携できるAI-OCRも多くなってきています。
そのため、従来のOCRでは不可能だった「抽出したデータを業務システムに入力していく作業」の効率化・自動化まで実現できるようになりました。
|AI-OCR導入の課題
活用メリットのあるAI-OCRですが、導入する際に把握しておくべき課題があります。
AI-OCRを検討する場合、以下の課題も念頭に入れておきましょう。
|導入コストがかかる
AI-OCRの導入には、「初期費用」と「ランニングコスト」がかかるので、費用と効果を天秤にかけて判断する必要があります。
費用はベンダーや料金プランによっても違いますが、だいたい初期費用が数万円から数十万円程度、月額費用が数万円程度の場合が多いです。
最近ではさまざまなAI-OCR製品が存在しているため、自社にマッチした製品を選ばなければ導入自体が失敗に終わってしまう可能性も否めません。
また、自社で開発する場合には開発コストも損失になってしまう可能性があります。
そのため、自社の課題をしっかりと洗い出してから、最適な製品を検討したり、開発したりしていくことが大切になります。
|100%の文字認識率ではない
AIを活用することで格段に文字認識率が高くなりますが、100%の文字認識率を実現できるわけではありません。
私たち人間にも見間違えがあるように、AIを活用したOCRであっても誤認識を行ってしまう可能性はあります。
ただ、学習を重ねていくことで認識精度は向上されるため、従来のOCRよりは遥かに高い精度を実現できます。
また、最近ではAI-OCRの結果を人間が確認して納品するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)も存在するため、それらを活用するのも
一つの手段といえます。
|縦書きに弱い
AI-OCRは、縦書きに弱い傾向にあります。
世の中の多くの帳票は横書きで書かれており、AIも横書きの学習データを中心に学習していることが多いためです。
そのため、自社が縦書きの帳票を使っている場合には、AI-OCRは横書きに比べて縦書きに弱い傾向があることを考慮して導入しなければなりません。
ただし、AIに縦書きの帳票を学習させれば、横書きと同じように認識できるようになります。
|AI-OCRの種類
AI-OCRには、大きく分けて以下の3つの種類があります。
― 汎用 × 定型フォーマット型
― 汎用 × 非定型フォーマット型
― 業務特化 × 非定型フォーマット型
それぞれの概要と特徴を解説していきます。
|汎用 × 定型フォーマット型
汎用×定型フォーマット型は、読み取る帳票の種類は問わないものの、フォーマットは指定する必要があるタイプです。
事前に、帳票のフォーマットを定義して「どこに何が書かれているのか」を指定することで情報の抽出を行います。
人の手によるフォーマットの定義作業が必要ですが、定義することで幅広い帳票に対して高い精度での読み取りを期待できます。
書くことや場所が一定決まっている、「アンケート」「注文書」などへの利用に適しています。
|汎用 × 非定型フォーマット型
汎用×非定型フォーマット型は、帳票の種類もフォーマットも問わないタイプです。
人の手作業によるフォーマット定義が不要であり、幅広い帳票に対応可能です。
AIに帳票のフォーマットを学習させることで、人間が定義しなくても「どこに何がかかれているのか」を抽出できるようになります。
人の手によるフォーマット定義作業は不要になりますが、事前にAIにフォーマットを学習させる必要があり、学習させるためのデータの収集や
学習に多くの時間がかかる場合があります。そのため、未学習のフォーマットを使用している帳票に対しては精度が落ちる可能性があります。
たとえば、各社のフォーマットは異なるものの書いてあることが一定共通している「納品書」「請求書」などには適していると考えられます。
|業務特化 × 非定型フォーマット型
業務特化×非定型フォーマット型は、自社が扱う特定業務への導入を前提としているタイプです。
読み取る帳票の種別は「特定種別」で、帳票のフォーマットは問いません。
たとえば、「請求書」や「納品書」というように対象となる帳票が限られますが、業務に特化することでサービス提供企業があらかじめAIに
フォーマット学習をさせることができ、ユーザが事前に学習させなくても多様なフォーマットの帳票を読み取ることができます。
ただし、自社業務に特化していることから、自社が業務で扱っている帳票以外には対応できません。
大量の作業を必要とする業務に対しては、このタイプが非常に適しているといえます。
|AI-OCR製品の選定ポイント
AI-OCR製品は、さまざまな企業が開発・提供しています。
そのため、以下のポイントに注目して製品を比較し、自社に合ったものを選ぶことが重要です。
― 読み取り精度
― 対応言語
― 操作性
― 他システムとの連携
― サポート体制
― カスタマイズ性
それぞれのポイントについて、詳しく説明します。
|読み取り精度
AI-OCR製品には、「印字された文字」の読み取りが得意なタイプと、「手書き文字」の読み取りが得意なタイプがあります。
特に手書きの場合は、読み取り精度が低い製品もあるため注意が必要です。
読み取る対象の特徴に合わせて、相性の良い製品を選ぶことをおすすめします。
また、現在・将来の業務に見合った読み取り精度か否かも、重要な比較ポイントです。
導入時点で対象となる業務・帳票だけでなく、今後必要になると想定される業務・帳票に適した読み取り精度なのか確認が必要です。
|対応言語
自社の紙データで多く使われているのは「日本語」または「外国語」かも確認しましょう。
AI-OCR製品には、対応言語の違いがあるためです。
導入対象の業務において何語が求められるのかを念頭に置いて、各製品の対応言語を確認・比較しましょう。
|操作性
AI-OCRは、業務効率化を大きな目的として導入するものであるため、現場の社員が使いやすいことが求められます。
社員が使いこなせて、業務効率化につながるかどうかを比較検討することをおすすめします。
可能な限りシンプルで直感的に操作できる製品の方が、導入をスムーズに進められます。
トライアル期間を設けている製品も多いため、本導入前に実際に使ってみて比較してみましょう。
|他システムとの連携
自社で扱っている既存システムとの連携ができなければ、業務効率化につながりにくいため、システムとの連携について確認しておく必要があります。
会計や顧客管理などの既存システムと連携させることで、業務効率化を期待できます。
また、比較の際には連携できるか否かだけでなく、連携方法や連携のしやすさも確認しましょう。
連携時には、多くの場合で「API」と呼ばれる通信のためのシステムを利用します。そのため、複数のAPIに対応している方が、既存システムとの連携を
取りやすい可能性があります。
|サポート体制
AI-OCRは導入すれば終わりではなく、その後継続的に利用していくものです。
そのため、トラブルが発生した際に必要なサポートが受けられないと、業務に支障が出てしまいます。
また、使用方法のフォローについても、重要なサポート内容の1つです。
本来業務に費やす時間をなるべく削らないように、スムーズに導入できるかどうかを比較するようにすることをおすすめします。
|カスタマイズ性
AI-OCR製品のほとんどは、パッケージ化された製品が多いです。
自社のAI-OCR用途に合った既存エンジンがあれば1番良いですが、特殊な使い方をしたい場合などはカスタマイズが必要です。
まずは、「AI-OCRを使う目的」と「想定する運用」を明確にし、AI-OCR製品を提供している提供会社に既存のままで可能なのか、カスタマイズが
必要なのかを確認しましょう。
また、クラウド運用かオンプレミスでの運用にするのかも事前に決めておきましょう。
たとえば、リモートワークが多い場合は、どこからでもブラウザを通してアクセスできる、クラウド型のAI-OCRを選ぶと作業効率が良くなります。
一方、セキュリティを重視する場合は、自社のコンピュータにインストールして利用するオンプレミス型のAI-OCRを選ぶことをおすすめします。
|AI-OCR導入までのステップ
AI-OCRを導入するためのステップは、主に以下の通りです。
- 読み取る対象を決める
- 読み取る量・枚数を把握する
- アウトプット先を確認する
- 各サービスを比較する
- PoC検証を行う
- 本格導入
まず、対象となる業務や帳票を特定し、その特徴に合わせて製品を選びます。
次に、読み取る量や枚数を考慮して課金体系が最適か確認します。
さらに、アウトプット先(出力フォーマットや他のシステムとの連携)を検討します。
そして、自社に合ったサービスを比較し、検討・選定を行います。
サービスが決まったら、PoC検証で製品の性能を試し、確認後に本格導入を行います。
サービス比較時、トライアル期間を設けている場合、必ずトライアルで実際に使用しましょう。
|VNEXTのAI-OCR「V-OCR」
弊社VNEXTでは、独自のAI-OCRエンジン「V-OCR」を開発し、サービス提供をしております。
従来のOCRは文字認識精度が低く、読み取った文字の修正やチェックに手間がかかっていたため、導入を見送った方もいるのではないでしょうか。
そんな方には、「V-OCR」をおすすめします!
VNEXTのV-OCRの特長は以下となります。
|万能OCR
非定型帳票認識、証明書、検針表、ナンバープレート、銘版・ラベル認識など、あらゆるフォーマットに対応!
|高精度&使いやすい
独自の画像処理技術で、精度は95〜99%と非常に高い精度のエンジンを提供しています。
また、ユーザーが直感的に使えるようUIにもこだわっています。
|カスタマイズが可能
お客様のニーズや業務内容に合わせてエンジンを適応することで、より使いやすいカスタマイズができます。
また、当社のエンジンは「クラウド」と「オンプレミス」どちらでも展開が可能です。
|まとめ
AI-OCRは、従来のOCRより高度な文字認識が可能で、業務効率化につながります。
2022年1月にはペーパーレス化を目的とした法改正が実施され、電子データ保存がより実行しやすくなりました。
また、2024年1月1日からは、電子取引で発生したファイルの電子保存が義務化されます。
このような背景から、多くの企業において今後、効率的に紙の書類をテキストデータに変換する手段の確保が課題となるでしょう。
AI-OCRは用途やニーズに応じて選ぶことが重要ですが、さまざまなタイプや製品があるため、なかなか適切に選ぶのは難しいです。
AI-OCRの導入を検討している方は、お気軽にVNEXTまでご相談ください!
無料トライアルもありますので、お試しいただくことも可能です。
▶︎ お問い合わせ:https://vnext.co.jp/contact.html?view=contact