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SAP社のERPシステムとは?概要や機能、種類を紹介

2024/03/26

SAPとは、ドイツのSAP社が提供する経営資源を一元管理するERPシステムのことです。現在、日本ではDXの推進によってIT投資が拡大し、ERPシステムの導入やリプレイスを検討する企業も多く見られます。

 

この記事ではSAP社が提供するERPシステムの概要や機能、種類や今後の課題を解説します。業務効率化や意思決定の向上を目的に、SAP社によるERPシステムの導入をご検討の際は、ぜひ参考にしてください。

 

 目次 

● SAPとは経営資源を一元管理するERPシステム

 ▶︎ SAP社の歴史

● SAP社が提供するERPシステムとは

 ▶︎ ERPの基礎知識

 ▶︎ 日本でERPシステムが求められる理由

 ▶︎ SAP ERPの概要

● SAP ERPのシステムで利用できる代表的なモジュール一覧

● SAP社が提供する主要なERPシステムの種類

 ▶︎ 大企業向け|SAP S/4 HANA Cloud

 ▶︎ 中堅企業向け|SAP Business ByDesign

 ▶︎ 中小企業向け|SAP Business One

● SAP社が提供するERPシステム以外の製品の種類

● 今後対応すべきSAPの「2027年問題」とは

● SAPシステムの導入・移行はVNEXTにお任せください!

 ▶︎【開発事例】日本の食品生産企業

● まとめ

 

 

|SAPとは経営資源を一元管理するERPシステム 

 

 

SAPとは、ドイツのソフトウェア企業であるSAP社が提供する、経営資源を一元管理するERPシステムのことです。ERPシステムについては、後ほど詳しく紹介します。

 

SAPの読み方は、「エス・エー・ピー」です。これは、ドイツ語の「Systemanalyse Programmentwicklung(=システム分析とプログラム開発)」の略称です。通常は、「サップ」とは読みません。理由は、「サップ」というとドイツ語でネガティブな意味になってしまうためです。

 

またビジネスシーンで一般的に「SAP」というと、社名を指すのではなく、SAP社が提供する「ERPシステム」を指すケースが多く見られます。

 

 

|SAP社の歴史 

SAPは、世界中の企業で導入されています。もともとは大企業向けにオンプレミスのERPシステムが提供されていましたが、現在ではクラウド版も登場し、中堅企業でも利用されています。

 

ここで、ERPシステムの世界標準ともいえる製品を提供する、SAP社の歴史を見てみましょう。

SAPの歴史

 

現在、SAPのクラウドユーザーは約2億6,900万人で、世界15カ国で57のデータセンターが運営されています。

 

 

|SAP社が提供するERPシステムとは 

 

 

本記事の冒頭でも述べた通り、ビジネスの現場で「SAP」というと一般的に、SAP社が提供する「ERPシステム」のことを指します。

そこで、ERPという言葉の意味や、「SAP ERP」という名称のERPシステムの概要について、日本でERPが求められる理由とともに解説します。

 

 

|ERPの基礎知識 

ERPとは、「Enterprise Resource Planning」の略称で、「経営資源計画」と訳されます。ERPシステムでは、以下の各種ビジネスプロセスの一元管理が可能です。

 

  • 経理・財務
  • 人事
  • 製造
  • サプライチェーン
  • 調達

 

従来は、「経理・財務」「人事」「製造」などの各部門で、データベースをバラバラに管理している企業も多く見られました。

 

ところが部門が異なる場合、データの保存形式などの違いから、互いのデータベースへのアクセスや結合が難しかったのです。また部門間でデータが重複するケースも見られ、ITストレージのコスト増につながるといった課題もありました。

 

そこでERPシステムを導入すると、全社で横断的にさまざまなデータを一元管理できるようになります。業務プロセスの迅速化が実現し、業務効率や生産性の向上につながる点がメリットです。

 

たとえば、ERPシステムを活用すると「製造」「調達」「営業」「マーケティング」などの異なる部門が、同一の顧客データを見ながら業務に取り組めるようになります。「お客様を待たせないよう、企業として各部門が緊密に連携して製品・サービスを提供する」といった共通認識などを持ちやすくなるでしょう。

 

その結果、顧客体験もより向上すると考えられます。顧客満足度が高まれば、継続利用する顧客数の増加など好循環につながり、競争優位性の向上・長期的な利益拡大も期待できるでしょう。

 

 

|日本でERPシステムが求められる理由 

ここで、現在の日本でERPシステムが求められている理由を見てみましょう。

 

株式会社矢野経済研究所の調査によると、2022年のERPパッケージライセンス市場は1,406億円で、前年比10.9%増となりました。

ビジネス環境の変化からDXが推進され、レガシーシステムのリプレイスなど、IT投資が拡大したことが背景にあると考えられます。

 

また中堅企業では、インボイス制度や電子帳簿保存法の改正に対応するために、ERPへの需要拡大が見られる状況です。

 

出典:ERP市場動向に関する調査を実施(2023年)|株式会社矢野経済研究所

 

 

|SAP ERPの概要 

次に、SAP ERPの製品概要をご紹介します。

 

SAP ERPは、経理・財務、製造、人事、サプライチェーン、調達などの業務プロセスとデータを一元管理できるシステムです。標準機能が豊富で、各国の法制度や商習慣に対応できるため、グローバルビジネスの推進を支援します。

 

SAP ERPを導入することで、企業にとって以下のメリットがあります。

 

・業務プロセスの標準化

SAPのシステムは、世界中の優良企業から得られたベストプラクティスに基づいて開発されています。企業は非効率な業務プロセスを見直し、世界標準に沿った業務運営を実現できます。

 

・データ処理の効率化

SAPは、リアルタイムでのデータの一元管理を可能にします。異なる部門間での情報共有がスムーズになり、データの不整合や、情報共有の遅延が減少します。

 

・作業履歴の可視化

SAPでは、すべての操作にユーザーIDが紐付けられ、履歴が記録されます。社内の誰が、いつ、何をしたのかを正確に追跡でき、誤操作や不正行為が発生した際の迅速な特定・対応が可能です。

 

・コスト削減

SAPの導入により、業務プロセスが効率化されることで、人件費や労働時間の削減が期待できます。また一元化されたシステム管理により、ITインフラの維持・運用コストの削減も期待できるでしょう。

 

SAPの基礎知識やメリット・デメリットについては以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

 

《関連記事》

【SAPとは】基礎知識とERPとの関係性、SAPのメリット・デメリットを解説!

 

 

|SAP ERPのシステムで利用できる代表的なモジュール一覧 

 

 

SAP ERPのシステムを導入すると、具体的にどのような機能を利用できるようになるのか、詳しく見ていきましょう。

 

SAP ERPシステムを構成する各機能のことを、「モジュール」と呼びます。SAP EPRシステムを導入する際には、モジュールの機能を組み合わせて、自社にとって最適なシステムを構築することになります。

 

SAPのモジュール一覧

 

 

|SAP社が提供する主要なERPシステムの種類 

 

 

SAP社が提供する主要なERPシステムの種類を、企業規模別に紹介します。

 

◆ 大企業向け|SAP S/4 HANA Clou

「SAP S/4 HANA Cloud」は、「SAP S/4 HANA」のクラウド版システムです。この製品では、ERPとしての機能だけでなく、高速データ処理技術を活用した大規模なデータ解析も可能になっています。

 

インメモリーデータベース(パソコンのSSDなどのストレージではなく、内部メモリにデータを保存する特殊なデータベース)を搭載することによって、超高速処理が実現しました。

 

 

◆ 中堅企業向け|SAP Business ByDesig

「SAP Business ByDesign」は、ビジネスの急成長を目指す中堅企業向けのERPシステムです。

このシステムの導入により、財務、販売、人事、製品管理など、効率的に構築された各種ワークフローを利用できるようになります。

クラウド型の製品であるため、比較的簡単に導入が可能です。

 

 

◆ 中小企業向け|SAP Business On

「SAP Business One」は、子会社に対する業務管理や、中小企業における業務管理の強化に向いているERPシステムです。

オンプレミス型とクラウド型があり、事業成長にあわせて機能を拡張していくことが可能です。

 

 

|SAP社が提供するERPシステム以外の製品の種類 

 

 

SAP社は、ERPシステム以外にもさまざまな製品を展開しています。ここでは3つの製品を紹介します。

 

|SAP SuccessFactors 

「SAP SuccessFactors」は、AIを活用したクラウド型の人事・人材管理ソリューションです。

 

人事の業務プロセス(採用、研修、評価など)においてAIを利用できます。働き方に対する従業員のニーズを把握し、職場改善、適切な人材配置、コンプライアンスの強化などを後押しします。

 

 

|SAP Concur 

「SAP Concur」は、出張・経費精算・請求書のペーパーレス化ができるソリューションです。

出張や経費の申請と承認が、いつどこにいても可能になります。請求書もデジタル化でき、支払い管理の自動化が実現します。

日本におけるインボイス制度や、電子帳簿保存法の改正にも対応しています。

 

 

|SAP Analytics Cloud 

「SAP Analytics Cloud」は、ビジネスの予測分析、計画ができる「BI(ビジネスインテリジェンス)」を提供するソリューションです。

 

たとえば「財務計画」や「製造計画」など、管理画面上であらかじめ指標を設定しておくことで、自動分析が可能になります。データを根拠に、ビジネスにおける意思決定が迅速化するでしょう。

 

 

|今後対応すべきSAPの「2027年問題」とは 

 

 

SAP ERP製品に関して、直近で「2027年問題」という課題があります。

「2027年問題」とは、すでにさまざまな企業で導入が進んでいるERPシステム「SAP ERP 6.0」のサポート期限が、2027年に終了してしまうことです。

 

「2027年問題」への対応策は、以下の3つの選択肢から選ぶ必要があります。

 

  • 「SAP ERP 6.0」から、最新の製品である「SAP S/4HANA」へ切り替える
  • 「SAP ERP 6.0」を引き続き使い続け、機能のアップデートを求めない
  • ほかのERPサービスへ移行する

 

「SAP S/4HANA」へ移行(マイグレーション)する詳しい方法に関しては、以下の記事をご覧ください。

 

《関連記事》

SAPの『2027年問題』とは?対応策と今すべきことを詳しく解説!

 

 

|SAPシステムの導入・移行はVNEXTにお任せください!

 

 

VNEXTは、SAPの認定パートナーです。

 

SAP開発・導入、マイグレーション(システム移行)の実績が多数あります。

 

先ほど触れたSAPの「2027年問題」への対策も実施しています。「SAP S/4HANA」への移行だけでなく、ほかのERPシステムへの導入も支援が可能です。

 

ベトナムオフショア開発の取り組みによって、適切な人材を確保できます。ベトナムでは、大学で学士を取得し、SAP関連の資格を取得する人も多く、優秀なSAP人材が豊富です。また国内での開発と比較して3分の1のコストで開発が実現します。

 

 

|【開発事例】日本の食品生産企業 

VNEXTが、SAPの導入支援をした事例を紹介します。日本国内で、おつまみ製品を生産する企業に対する支援例です。

 

このプロジェクトでは、SAPシステムの導入支援とアドオン機能の開発(標準機能にはない、お客様のニーズにあわせた追加機能の個別開発)を実施。アドオン機能は主に、会計業務と、ロジスティクス業務を強化するものです。

 

要件定義から開発、テストまでの全工程をVNEXTが担当。約6カ月のプロジェクト期間を経て、システム導入が実現しました。

 

 

|まとめ 

本記事で解説してきたとおり、SAPシステムは機能が多岐にわたります。自社が導入すべき機能を十分に精査して要件定義を行い、開発・導入につなげることが、業務効率化の観点から重要です。

 

今後、SAPシステムの導入や、2027年問題に対応するシステム移行をご検討の企業様は、ぜひVNEXTにご相談ください。

 

貴社のニーズをお伺いし、課題解決につながる開発を低コストで実現します。

 

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