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【汎用人工知能(AGI)とは】従来のAIとの違いやChatGPTとの関係性、AGIの実現はいつ?

2024/04/02

汎用人工知能(AGI)とは、人間と同じようにさまざまな課題を処理することができる人工知能です。

人工知能の中でも、特化型人工知能と異なり汎用性と自律性を持つことが特徴とされています。

 

現在、汎用人工知能には多くの関心が集まり、OpenAIやGoogle Deepmindなど、さまざまな企業・組織がその実現に力を入れています。

 

本記事では、汎用人工知能(AGI)の基礎知識から従来のAIとの違いChatGPTとの関係性研究事例などについて解説していきます。

 

 目次 

● 汎用人工知能(AGI)とは?

● 汎用人工知能と特化型人工知能の違い

●「強いAI」と「弱いAI」

● AGIが求められる背景と必要性

● AGIができること

● AGIを構成する要素

● AGIはいつ実現するのか

● AGI実現に向けてAIに残された課題

● AGIの研究・開発に取り組む企業例

● まとめ

● AIの活用を検討しているならVNEXTへ

 

 

|汎用人工知能(AGI)とは?

汎用人工知能(AGI)とは、「Artificial General Intelligence」の略であり、想定外の状況でも自ら学習し、能力を応用して処理することができる、人間に近い知能を持つ人工知能を指します。

 

AGIは、さまざまなタスクに対して人間と同様の知識や能力を持ち、独自の学習や問題解決ができる能力を持っています。AGIの特徴としては以下のようなものがあります。

 

汎用的な能力

特定の領域に特化しておらず、さまざまなタスクや問題に対応できる能力を持っており、多様な知識やスキルを駆使して活動することができます。

 

学習能力

AGIは経験から学習し新たな情報やデータを取り入れて自己進化することができるため、状況に応じた適切な対応や問題解決が可能です。

 

意思決定能力

AGIは独自の判断や意思決定を行うことができます。複雑な情報を分析し、最適な選択肢を選び出す能力を持っています。

 

このように、AGIは従来のAIよりも汎用性、自律性に富むことが特徴です。プログラムされた特定の状況以外の課題に対しても問題解決を図ることができます。

 

人工知能研究の最終的な目標として、汎用人工知能の実用化には高い期待が寄せられています。数多くの企業・研究機関が実現に向けて取り組んでいますが、未だ実現はされていません。

 

 

|汎用人工知能が実現したら起きること 

AIは現在も日々進化を続けており、将来的には「完全なAGI」が実現して人間の生活を大きく変革する可能性が高いと考えられています。

 

AGIが実現する未来では、医療、教育、産業、エンターテイメントなど多種多様な分野で、AGIが自立して人間を助け、複雑な思考を必要とする高度なタスクをこなすことが期待されます。

 

コールセンターを例に挙げると、自然言語処理が得意な人工知能が、人間からのさまざまな問い合わせの文脈を理解し、人間の発話に近い音声で応答します。まるで人間が問い合わせに対応しているように、人工知能が自然な対応を行う日がくるかもしれません。

 

ビジネスの分野だけでなく、たとえば芸術の分野での活躍も考えられます。音楽の分野では、AGIが複数の人間とアレンジも含めたジャズのライブ演奏ができるかもしれません。文学の分野でも、文学賞をとるような長編小説が書ける人工知能が登場する可能性があります。


これまでSFの映画で描かれてきた夢のような技術が、現実になる日がくるかもしれません

 

 

|AGIとASIの違い 

AGIと類似した言葉に「ASI(Artificial Super Intelligence / 人工超知能)」があります。

 

ASIとは、人間の知能をはるかに超える能力を持ったAIを指す言葉です。AGIがさらに学習を重ねて進化した結果、到達する可能性がある次の段階がASIとなります。

 

ASIは新たな知識の学習能力や問題解決能力、クリエイティブな活動など、あらゆる分野において人間を凌駕すると考えられており、社会や文明全体に影響を与えると予測されています。

 

そもそも現状はAGIの完全な実現に至っていないので、ASIの誕生には長い年月がかかるでしょう。

 

 

|従来のAIとAGIとの違い 

従来のAIは、特定のタスクや問題に特化したものであり、1つのプログラムやアルゴリズムで動作しており、限定的な範囲での活動が主でした。AGIでは汎用的な知能を持つことで複数のタスクに対応できる、人間のような柔軟性を持っています。

従来のAIとAGIの違い

 

 

|汎用人工知能と特化型人工知能の違い 

汎用人工知能(AGI)は、人工知能の種類の1つです。よく用いられる人工知能の分類として、「汎用型・特化型」と、「強いAI・弱いAI」があります。

それぞれの分類方法についてみていきましょう。

 

まず、汎用人工知能と特化型人工知能は、主にその『対象の幅広さ』により区分されます。

 

|汎用人工知能(AGI)

汎用人工知能は、人間のように想定外の事象も含めて幅広い対象に推論が行える人工知能です。これまでみてきたように、自ら学習して進化する能力を兼ね備えています。

 

 

|特化型人工知能(ANI)

特化型人工知能(Artificial Narrow Intelligence / ANI)とは、数的処理や論理的処理、言語処理などをはじめとする特定の分野でのみ能力を発揮できる人工知能です。特定の分野に対して、膨大なデータに基づいた確度の高い返答ができることが特徴とされます。

 

たとえば、画像や音声認識、チェスや囲碁・将棋などの対戦、法律や医療、故障診断などの専門分野に特化したものなどが挙げられます。

 

ただし近年では、テキストや画像・音声・動画などの複数の種類の情報を一度に処理することが可能なマルチモーダルAIも登場しています。たとえばOpenAI社のGPT-4は、テキストと画像の入力が可能で、画像の内容を説明するテキストなどが生成可能です。

 

このようなマルチモーダルAIの延長線として、汎用人工知能(AGI)が実現される可能性もあるかもしれません。

 

 

|「強いAI」と「弱いAI」

AGIとAIはそれぞれ「強いAI」と「弱いAI」に分類することができます。

AGIが分類される「強いAI」とは、さまざまなタスクを人間のように理解し、自己判断で柔軟に対応できる能力を有しているAIを指します。

一方、従来のAIが分類される「弱いAI」は、人間の指示に従って特定のタスクを処理することに特化したAIであり、決められたタスク以外では機能を発揮できないのが一般的です。

強いAIと弱いAI

 

上記のように、AGIは「強いAI」に分類され、自己学習により未知のタスクにも柔軟に適応できます。AGIの実現は、AI技術の未来を大きく変える可能性を秘めています。

 

 

|AGIが求められる背景と必要性 

AGIが国内外で求められている背景には、社会構造が複雑化し、さまざまな価値観を持つ人が登場していることが挙げられます。

 

技術の発展・変遷が高速化し、企業は常に市場の変化に対応し続けなければならない時代になりました。このような時代の中で、従来型の「弱いAI」を活用している現場では、市場が変化するたびにAIのプログラムを変更しなければなりません。

 

しかし、プログラムの再構築には膨大な手間とコストがかかり、常に最新の変更を加え続ける負担は非常に重いといえます。

 

このような背景の中で、AGIが活用されるようになれば、「AGI自身が思考し、最善の選択肢を選び、人間をサポートする社会」を実現できると期待されています。プログラムを再構築しなくても、常にAGIが自分で社会の変化に対応し、正解を導き出せるようになるということです。


また日本においては、2025年までにDX推進が進まないことによって経済損失を招く可能性が指摘されている「2025年の崖」や、少子高齢化が進み、労働人口がますます減少することによって起こる「2040年問題」への対応のために、AGIの活用が期待されています。

 

 

|AGIができること 

AGIが実装されると、「AIが自ら判断して人間に近い行動を取る」ことが可能になります。

たとえば、以下のようなことが想定されます。

 

医療分野:病気の診断や治療計画の策定、新薬の開発

教育分野:学生一人ひとりの学習スタイルや進度に合わせてカスタマイズした指導の実現

研究分野:膨大なデータの正確な分析や新しい理論の提案、効率的な実験設計

クリエイティブ:より精密で柔軟なアイディアによる文章、作曲や楽曲、イラストや絵画の創造

 

もっとわかりやすい例でいえば、仕事をしている人間の顔色や表情から疲労度を読み取って、疲れていると判断したらコーヒーを淹れるなどの行動を取ることができます。

 

1つの分野に対して高度な知能を獲得する特化型AIとは異なり、AGIはさまざまな分野で高い成果を出すことが期待できます。AIが自ら多種多様な知識をインプットし、その知識を自ら発展させて応用的に利用できるようにすることで、ビジネスや日々の生活など、多くのシチュエーションで活躍させることができます。

 

 

|AGIを構成する要素 

AGIを構成する要素は、主に下記の3つに分かれています。

 

機械学習

認知アーキテクチャ

認知ロボティクス

 

これらの3つの要素がそれぞれ高度に発達することによって、AGIは従来のような「弱いAI」の枠組みを抜け出し、人間に近い思考回路の獲得や、感情の理解が可能になります。

 

ここでは、AGIを構成する3つの要素がどのようにAGIへ影響をもたらすのかについて、詳しく解説します。

 

 

|機械学習 

機械学習自体は、従来型の「弱いAI」でも取り入れられている要素ですが、AGIにとっても機械学習の概念は重要です。

AGIは機械学習を通して「失敗から学ぶ」プロセスを繰り返すことで、「知的なAI」へと進化してきます。

 

AGIにとっての機械学習では、「ディープラーニング」と「強化学習」が併用されます。ディープラーニングにおいては、階層化ニューラルネットワークを活用して与えられたデータから最善の答えを導き出すことを繰り返し、AIとして高度な知能を獲得していきます。

 

ディープラーニング

 

強化学習では、人間から与えられたデータを参考にして、人間らしい感情や行動を学び取り、状況に合わせて最善の行動を学習していきます。

 

ディープラーニングで何層にも及ぶ高度な思考を繰り返し、人間には及ばない高度な知能を獲得しながら、強化学習によって「人間らしい思考回路」を獲得するのが、AGIにとっての主な学習方法です。

 

 

|認知アーキテクチャ 

認知アーキテクチャとは、「人間の認知機能をモデル化する研究」を指しています。

AGIにおいては、人間の思考回路のパターンを導き出し、「人間が物事を認知する仕組み(アーキテクチャ)はこのようなものである」というパターンを導き出して、そのパターンをAIに学習させることが重要になります。

 

人間の認知機能を正確に理解してAIに記憶させることで、AIはあたかも人間の思考回路を組み込まれているかのような、人間の感情に寄り添った思考ができるようになるのです。

 

 

|認知ロボティクス 

認知ロボティクスは、「ロボットを使ってAIの認知を研究」する取り組みのことで、ロボットの姿で研究を重ねることにより、AIは人間とのコミュニケーション能力を高めてAGIへと成長を促します。

 

AGIは、人間のようにさまざまな課題に出会い、その度に自身の知能を応用して最適な解決方法を選択する必要があります。そのため、ロボットを活用してAIの認知を研究する「認知ロボティクス」は、AGIの発展にとって重要な役割を果たします。

 

本来のAGIは必ずしもロボットの形をしているとは限らず、単にコンピューター上で演算を行うだけの場合もあります。しかし、あえてロボットの姿を取らせて研究を進めることは、「ロボットは記号を具体的な概念として認識できない」という「シンボルグラウンディング問題」の解決にとっても重要です。

 

認知ロボティクスには、「認知発達ロボティクス」「記号創発ロボティクス」「社会的知能ロボティクス」の3つの種類が存在します。

 

認知発達ロボティクス

人間や動物の赤ん坊が自ら周囲の環境の中で学習する仕組みをロボットに与え、認知機能を研究する学問です。

 

記号創発ロボティクス

人間の言語を獲得するためのロボットに与え、人間らしい言語を獲得していきます。

 

社会的知能ロボティクス

身振り手振りや視線などを交えて、コミュニケーションを身につけます。



これら3つの要素が重なることで、AGIは従来の「弱いAI」から人間のような思考が可能な「強いAI」へと育っていきます。

 

 

|AGIはいつ実現するのか 

ここまで解説してきたAGIは、いつ実現するのでしょうか?

そもそも、本当に実現できるのでしょうか。これには諸説あり、見解が分かれています。

 

米国の未来学者レイ・カーツワイルは、著書「The singularity is near」にて、2029年に汎用型AIが誕生すると述べています。

 

一方で、ロボット研究者として有名なロドニー・ブルックスは、未来学者のマーティン・フォードの著書「Architects of Intelligence」のインタビューで、「2200年までに、汎用型AIが50%の確率で実現される」と述べています。

 

研究者の間でも、汎用人工知能の実現時期については大きく見解が分かれているといえます。

 

 

|現状のAI活用例 

これまでみてきたように、AGIの研究は進んでいますが、現在の世界で実際に活用されているのは特化型AIです。

 

特化型AIは、現在どのように使われているのでしょうか。代表的な例として、以下のようなものが挙げられます。

 

自然言語処理

自然言語処理とは、日常的に人間が使う言葉(自然言語)をコンピュータが処理できる言語に変換する技術です。精度の高い機械翻訳や、顧客対応に用いられるチャットボットなどに活用されています。

 

画像認識

カメラを通して入力された画像をAIが分析し、情報を把握、適切なデータ抽出や分析を行います。画像の中の対象物を捉え、その種類を認識するプロセスにAIの機械学習が重要な役割を果たしています。店舗や倉庫など屋内環境の監視、製品の外観品質検査、人流の管理などに活用されています。

 

★ 画像認識について詳しくはこちら

【画像認識とは】仕組みや歴史、活用事例について徹底解説!

 

音声認識

人工知能が音声を理解し、文字情報を起こしたり会話したりすることが可能です。iPhoneのSiriなどの音声アシスタント、議事録の文字起こしなどに活用されています。

 

データ分析・予測

AIは、学習機能を利用して膨大なデータを取り込みながら、パターンや特性を見つけ出すことができます。

商品の需要を予測する、故障の兆候を検知して機器故障を予防する、過去の図面データや見積もり結果から自動で見積もりを作成するなど、さまざまな場面で活用されています。

 

 

|ChatGPTとAGIの関係性 

完全なAGIには到達していないですが、近年目まぐるしい発達を遂げている、テキスト自動生成や画像自動生成などが可能な「生成AI」は「強いAI」の特徴を断片的に持っており、この生成AIに代表されるサービスがOpenAI社の「ChatGPT」です。

 

ChatGPTは、言語モデルに特化しているという点では「弱いAI」といえるかもしれませんが、幅広い領域におけるタスクを処理できるようになりつつある現在では、強いAIにも一部含まれているといえるでしょう。

 

リリース当時のChatGPTはテキストのみを生成するサービスでしたが、2024年4月現在では、実際に人間と会話をしているかのような音声コミュニケーションが可能になったり、画像生成AIの「DALL·E」と連携した画像生成が可能になったりなど、「AGI」に少しずつ近づいているともいえます。

 

一方で、2023年3月に発表されたより高性能な大規模言語モデル「GPT-4」に対して「AGIの初期バージョンである」という意見もありますが、現時点ではあくまでも自然言語処理能力と学習能力を掛け合わせた優秀なソフトであるという意見が主流です。

 

しかし、ChatGPT自身に「あなたはAGI(強いAI)ですか?」と質問すると、「はい、私は強いAI(AGI)の一種です。つまり、様々な種類のタスクを処理し、複雑な問題を解決する能力を持つ人工知能です。」と返ってきます。(2024年4月時点)

 

 

|AGI実現に向けてAIに残された課題 

AGIの台頭は、社会にさまざまなメリットをもたらす一方で、いくつかの社会的課題や懸念を引き起こす可能性があります。

 

ここでは「人間の判断の曖昧さをAIがどのように表現するべきか」が議論されているフレーム問題や、シンギュラリティ(技術的特異点)によって引き起こされる「2045年問題」について解説します。

 

 

|フレーム問題 

フレーム問題とは、「AIが思考する場合、考えられる全てのパターンを計算してしまい、処理が過熱して停止してしまう」という問題のことを指しています。

 

たとえば、人間が自宅から近所のコンビニに向かう場合、過去の経験から最適な経路を感覚的に判断できます。

 

しかし、AIが自宅から近所のコンビニに向かう経路を計算しようとすると、何万、何十万と存在する無数のルートを全て計算した上で最適な経路を選択しようとしてしまうため、膨大な処理が必要になってしまいます。

 

人間であれば「自宅を出てから最初の分岐路を左に曲がり、直進する」というシンプルな判断だけでスーパーにたどり着けるところを、AIは「自宅を出てから最初の分岐路を右に曲がる場合と左に曲がる場合」の両方の経路を計算し、さらにその先の道についても新たな計算を行ってしまいます。

 

このような問題を解決するために、「AIに情報の重要度と優先度を与える」という取り組みが研究されています。たとえば「AIの現在地から半径300m以内の情報を優先的に処理する」などの優先度を指示することで、範囲外の情報を計算する必要がなくなり、処理落ちを防止できます。

 

 

|2045年問題 

2045年問題とは、シンギュラリティに伴って引き起こされる可能性がある諸問題のことです。

 

シンギュラリティは、AIが自己学習を繰り返していった先に、人間の知能を超える瞬間を指します。シンギュラリティを超えてAIが人間の知能を上回ると、今後の進化が予測不可能となり、人間がAIのコントロールを失うおそれがあると指摘されています。

 

シンギュラリティが訪れるのは2045年であると予測されており、このことから「2045年問題」と呼ばれています。

 

2045年問題においては、AIの劇的な発展によって自動化が進み、多くの職業が失われる可能性があります。現在の労働形態は大きく変化し、教育や職業訓練のシステムも根本的な見直しが求められるでしょう。

 

ただし、AIの進化速度は人間の適応速度を上回る可能性が高く、2045年よりも前にシンギュラリティに到達する可能性もあります。そのため、速やかに社会全体がAIありきの生き方に適応し、準備を進めることが求められています。

 

 

|AGIの研究・開発に取り組む企業例 

AGIの研究・開発に取り組む企業、そしてその取り組みには、どのようなものがあるのでしょうか?

代表的な企業として、OpenAI、Google DeepMind、全脳アーキテクチャ・イニシアティブの3社の取り組みを紹介します。

 

 

|OpenAI 

ChatGPTを手掛けるOpenAI社CEOのサム・アルトマン氏は、汎用人工知能(AGI)の開発はリスクを伴う恐ろしいプロジェクトであるとしながらも、「一般的に人間より賢いAIシステム」と定義し、AGIの開発を人類史上最重要事項」と語っています。

 

同社は、AGI実現への短期および長期のロードマップを発表しました。短期計画としては、以下の3つを挙げています。

 

・AIモデルの現実世界への展開では、ユーザーとユースケースを注意深く監視し、維持する

・AIモデルの展開で、「初期設定」は制限し、各ユーザーによる調整を可能にしていく

・システムの管理方法やシステムが生み出す利益を分配する方法、システムへのアクセスを公平に共有する方法という3つの問題について

 グローバルな対話を行う

 

AGI開発の進捗が現在のペースで続けば、大きな変化が驚くほど早く起こる可能性があると述べています。

 

出典:ITmedia NEWS |OpenAI、AGI(人間より賢いAI)へのロードマップを公表 「世界に深刻な害を及ぼす可能性」回避のために

 

 

|Google DeepMind 

2014年にグーグルに買収されたDeepMindは、2023年4月にGoogle ResearchのBrainチームと統合し、新たにGoogle DeepMindという組織としてAI分野の研究・開発に注力すると発表しました。

 

2010年創業のDeepMind社は、AIとしてはじめてプロ棋士を破った「AlphaGo」や、深層学習を用いた音声合成技術の「WaveNet」などのプロジェクトで知られています。一方、Google ResearchのBrainチームは、現在の自然言語処理研究の礎となる「Transformers」モデルを開発し、現在のAI研究の最前線を走っています。

 

新組織Google DeepMindのデミス・ハサビスCEOは「AIそしてAGIは、歴史上最大の社会的、経済的、科学的変革を推進する可能性を秘めている」とし、「Google DeepMindの設立により、その未来により早く到達できると信じている」と語っています。

 

出典:ITmedia NEWS |ASCII.jp:グーグルのAIチームとDeepMindが合併、新組織「Google DeepMind」でAGI開発を目指す、Google、AGIのある未来を目指しGoogle DeepMind立ち上げ

 

 

|全脳アーキテクチャ・イニシアティブ 

日本でもさまざまなAIに関するプロジェクトが進められています。そのひとつが、東京大学大学院 医学系研究科 脳神経医学専攻の山川宏客員研究員が代表を務める、NPO法人全脳アーキテクチャ・イニシアティブです。

 

データが少ない領域への対応能力が問われる汎用人工知能を実現するには、獲得した知識を再利用して未知領域にも対応する技術が必要です。そのため、同法人は「脳全体のアーキテクチャに学び、人間のようなAGIを創る」アプローチ(=全脳アーキテクチャ)に注力しています。

 

人の認知機能を脳全体の神経回路を参照しながら再現する人工知能ソフトウェアを実装する際の仕様情報となる「脳参照アーキテクチャ」データ形式と、それを用いた開発方法論を標準化するなど、研究を続けています。

 

出典:TECH+|脳のように振る舞う汎用人工知能を実装するための開発方法論を東大が標準化

 

 

|まとめ:AGIとの共存と共生が求められる 

AGIの発展によって、従来では考えられなかった高度な知能の実現が現実的になってきています。自ら情報を学習し、さまざまなシチュエーションに対応できるAGIは、日常生活やビジネスにおいて多くのメリットをもたらすでしょう。

 

一方で、AGIが人間を超える知能を持つことは、社会にとって急速な変化を及ぼし、人間の社会構造を根本から覆してしまうリスクも抱えています。

 

2045年にシンギュラリティの到来が予測されていることからも、今後、AGIと人間の共存は避けられないと考えられるため、共存・共生するためのルール整備を進めていき、「AIがもたらす変化に人間が適応するための猶予」を確保することが大切です。

 

AGIが実現するかはまだ不明ですが、現在のAI技術はビデオ、オーディオ、画像、テキストなどを一度に処理するマルチモーダルAIの方向へ進化しています。マルチモーダルAIがさらに発展すれば、人と同じように抽象的な概念を理解し、より人に近い考えや行動ができるようになる可能性があります。

 

今後さらにAIが賢くなることで、夢の技術であった汎用人工知能が実現する日は来るかもしれません。

 

 

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