VNEXTの会社紹介資料
2024/05/02
システム開発の方法が多様化する中、開発に関する知識が少なくても手軽に取り入れやすいのが「ローコード開発」と呼ばれる開発手法です。
ローコード開発は、ITリソース不足や開発スピード、コスト削減などの課題を抱えている企業のソリューションとなる可能性を秘めており、DXが急務となっている昨今、ローコード開発が注目されています。
本記事では、ローコード開発の基礎知識からノーコードとの違い、なぜローコード開発が注目されているのかを解説していきます。
ローコード開発のメリット・デメリットについてもご紹介していますので、ぜひチェックしてみてください!
目次
|ローコード開発とは?
ローコード開発とは、システムやアプリ、Webサイトにおいてソースコードをほとんど書かずに開発を行う手法やそのような作業ができる支援ツールのことを指します。
GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)と呼ばれる視覚的な操作で、画面部品やロジック部品を組み合わせることよって、工程を省略または自動化します。従来のシステム開発と比較しても短い開発期間で、高品質かつ安定したシステム開発を行うことが可能です。
プログラミングに関する一定の専門知識が必要となりますが、ノーコードよりも開発の自由度が高いのが特徴です。
|従来のシステム開発との違い
従来のシステム開発の大きな流れは、ユーザーの要望などをヒアリングしてから、その内容を要件定義に落とし込み→設計→プログラミング→テスト→修正→リリースとなります。これらに通常は、数ヵ月から1年以上の期間がかかります。
一方、ローコード開発では、プログラミングの期間を大幅に圧縮できます。何ヵ月もかかっていたプログラミングを数時間から数日にまで圧縮でき、システム開発にかかる時間を大幅に短縮できます。
また、プログラミングをほとんど必要としないことから、ユーザー部門の担当者が開発を担えるため、プログラミングの前工程のヒアリングや要件定義も短縮できます。
運用を開始してからも、用意された仕様の範囲内であれば改変が可能なため、現場で使いやすく改善することも可能です。
|ノーコード開発との違い
ノーコード開発とは、プログラミングを全く行わずに開発する手法です。
ローコード開発と同様、GUIを活用して、用意された機能単位をドラッグ&ドロップなどの直感的な操作で組み合わせることで開発を行います。
まったくプログラミングを行わない分、開発も容易ですが、ローコード開発に比べると自由度は下がります。
|ローコード開発が注目されている理由
かつてないほど先行きの見えない、変化の激しい時代の今、業種を問わずDX(デジタルトランスフォーメーション)の実行が求められるようになっています。
どの業界においても、急速に変化するビジネス要件に対して、迅速かつ柔軟に対応する必要が生じているのです。こうした風潮は、システムの開発手法に対しても例外ではなく、開発速度や品質・安定性など、あらゆる側面に変革が必要とされています。
そのような中で、ローコード開発が以下の3つの点で注目されています。
・ビジネス環境の変化に合わせて素早く開発・変更する必要がある
・IT人材不足の深刻化
・DX推進と切り離せない「2025年の崖」
|ビジネス環境の変化に合わせて素早く開発・変更する必要がある
以前は、IT活用の主な目的として、業務効率化やコスト削減に重点が置かれていました。しかし、最近はより戦略的な使われ方へとシフトしてきています。商品・サービスそのものに活用したり、顧客との関係構築に用いられるなど、よりビジネスに直結するような用途になっています。
さらに、ビジネス環境の変化が目まぐるしくなっているため、これに合わせてシステムやアプリケーションも柔軟かつスピーディに開発・変更する必要が出てきました。
このため、従来のシステム開発に比べて短期間で開発が行えるローコード開発が求められるようになりました。
|IT人材不足の深刻化
近年の日本ではIT人材不足が深刻化しており、多くの企業がシステム開発などを外注する傾向にあります。
経済産業省が2020年12月に発表した『DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』によれば、すでに2018年時点で約17万人不足しているIT人材が、2025年には約45万人もの不足へ拡大すると推測されています。
このような中で、プログラミングのスキルを持つ技術者でなくても簡単にシステムやアプリケーションの開発・変更が行えるローコード開発に、期待が寄せられているのです。
|DX推進と切り離せない「2025年の崖」
2018年9月7日に経済産業省が発表したDXレポートは、DXへの取り組みの重要性に言及し、「2025年の崖」について警告しています。具体的には、老朽化した既存の基幹システムの問題点を指摘し、2025年までにシステムの刷新をしないと、2025年以降、年間最大12兆円の経済損失が発生する可能性があるということです。政府が民間企業のシステム導入に口をはさむのは異例といえます。いまやDXへの対応は、デジタル競争のなかで企業が存続し発展していくうえで、必ず取り組まなければならない課題であるといえるでしょう。
DXへの取り組みとして、既存のシステムをローコード開発ツールで再構築することで得られるメリットは多く、「2025年の崖」を回避することにもつながります。具体的には、以下が挙げられます。
● レガシーシステムの刷新により、開発が容易になり、市場の変化に応じてビジネスモデルを柔軟・迅速に適応させることができる |
● ローコード開発ツールが新技術に対応することで、DXを推進しやすくなる |
● システムの保守・管理が容易になり、コスト削減できる |
● 予算や財源が確保でき、サービスの向上や新規事業を展開できる |
古いシステムでは難しかったこと、不可能だったことを実現し、本格的なDXが可能になることから、ローコード開発はDX推進と合わせて言及されています。
|ローコード開発のメリット
「開発期間や費用の削減できる」「スキルにかかわらず開発を進めやすい」など、ローコード開発のメリットとして挙げられる要素は様々です。以下では、主なメリットを5つ挙げてご紹介します。
|エンジニアのスキルにかかわらず開発ができる
ローコード開発は、スキル面で開発のハードルを大きく下げてくれるのが特徴です。
雛形に沿って必要な機能やプラグインを当てはめていくだけなので、高度なプログラミングの知識は必要ありません。操作方法にある程度慣れてしまえば、エンジニアではなくても必要なツールをスピーディーに開発できるようになります。
|開発生産性の向上
アプリ開発やシステム開発では、「データを保管する機能」や「チャット機能」などの基本的な機能にくわえて様々な機能が必要となります。
ローコード開発では、システムやWebアプリに最低限必要な機能をGUI上から簡単に追加可能で、基本機能の開発や搭載を行わなくて済むため、その分開発期間や費用の大幅カットが期待できます。
従来のアプリ開発やシステム開発の手法をとると、制作物の規模によっては膨大な開発期間や費用がかかります。しかし、「ローコード開発として外注する」あるいは「自社でローコード開発を行う」という方法をとることで、開発期間や費用が大幅に削減されます。
このほか、スピーディーにサービスをリリースすると競合に遅れてしまうといったリスクも防ぎやすくなります。
|システム完成後に機能の拡張や改修がしやすい
システムを開発した後に、「動作スピードをより高速にしたい」「特定の機能を追加または削除したい」といった希望が出てくる場合があります。
ローコードツールには、「雛形を使うだけでなくコードも直接記述できる」というある程度の自由性も手伝い、機能の拡張や改修がしやすくなっているのも強みです。「外部システムと連携して機能拡張を行う」「プログラミングの構造を組み合わせて複雑な処理を行えるようにする」といった作業も可能です。
|品質の向上
プログラミングを行う部分が従来に比べて少ないため、必然的にミスが減少すると同時に、バグの修正にかかる時間やコストの軽減が期待できます。
またローコード開発では、エンジニアが主体となって進めてきた従来の開発手法と違い、ユーザーみずからが主体となり開発を進めることも可能です。
そのため業務要件との相違が起こりにくく、結果としてユーザーの目線に立った、品質の高い開発が行えるようになります。
|新しいIT技術の利用
ローコード開発ツールは新しい技術を利用できるよう日々進化しています。
新しい技術の導入によって機能の拡張や外部連携の幅が広がるため、使い勝手の向上、省人化が実現します。
また、エンジニアの単純労働を減らし、高い付加価値を生む活動に専念させることができるでしょう。新しい技術を常に取り入れていく、という考え方そのものがメリットになるとも考えられます。
|ローコード開発のデメリット
ローコード開発のメリットは多いですが、デメリットもあります。ローコード開発を行う際は、デメリットも考慮しておくことが大切です。
|ツールによって自由度が制限される
ローコード開発の自由度は、プラットフォーム側のGUIに依存します。
したがって、プラットフォーム側で対応していない操作は行えません。自分でコードを入れればカスタマイズできますが、画面との兼ね合いによっては作業が複雑になり時間がかかる可能性もあります。「大幅にソースコードを追加しないとシステムを開発できない」といったケースが発生した場合は、ローコード開発に向いていないケースだといえます。
|システムの設計や工数計算に関する知識が必要
ソースコードをほとんど書かずに開発ができる一方、ローコード開発はシステムの設計部分に関する知識が欠かせません。
たとえば、自社で業務システムをローコードで開発する場合、「どんなシステムが必要なのか」を企業側で考える必要があります。くわえて、開発の工数計算に関する知識も必要です。
工数計算を疎かにした結果、開発スケジュールの想定が大きく外れてしまう可能性も少なくありません。
|ツールを使いこなす必要がある
ローコード開発は技術的ハードルが低く、新しい言語を習得するより、比較的早くエンジニアの育成が可能です。
一方で、ローコード開発の特性を生かし、品質の高いシステムを構築するには利用するツールの習熟が必要です。ローコード開発によるメリットを得るにはツールの特性を理解した上で使いこなさなければなりません。
|代表的なローコード開発プラットフォーム
ローコード開発のプラットフォームは、さまざまな企業から各種リリースされています。以下では、代表的なローコード開発プラットフォームを6つご紹介します。
|Salesforce Platform
Salesforceとは、セールスフォース・ドットコム社が提供する、全世界で15万社以上の企業が導入している統合CRMプラットフォームです。
ローコードで簡単にアプリケーションを開発できるのはもちろん、CRMデータやその他のデータ活用から接続されたシステム全体の自動化まで実現可能です。Lightning アプリケーションビルダーを活用すると、ドラッグ&ドロップするだけでビジネスニーズに合わせて簡単に画面をカスタマイズすることができます。
顧客の要望に応じた業務アプリケーションを自由に開発できるため、顧客満足度の向上や業務効率化にも効果的です。
|kintone
kintoneは、サイボウズ株式会社が提供しているクラウド型ローコード開発プラットフォームです。
売上管理システムや顧客管理システムなど、業務効率化に役立つアプリを手軽に開発・管理できます。日付やチェックボックス、リッチテキストなど異なるパーツを組み合わせてアプリを作成できるのが特徴。「CSVやExcelデータを読み込んで制作」「ドラッグ&ドロップで制作」といった作成方法を、場合によって使い分けられます。
データ・ファイル共有やメンバー間のコミュニケーション機能も備わっているため、開発プロジェクトを効率良く進められるのもポイントです。
|Microsoft Power Apps
Microsoft Power Appsは、Microsoft社が提供しているローコード開発ツールです。
30種類以上のテンプレートを用いて、ビジネスアプリを作成できます。Excelの関数などを用いて開発を進めますが、操作自体はWordやPowerPointを思わせる画面で直感的に行えます。
ExcelやPower BIなどのMicrosoft製品のほか、OneDriveやGoogleスプレッドシートなどの外部サービスと連携させることも可能です。外部サービスと連携させれば、さらに開発の幅が広がります。
|intra-mart
intra-martは、株式会社NTT DATA INTRAMARTが開発したローコード開発プラットフォームです。
日本語のほか英語や中国語などの多言語に対応しています。用意されたアプリテンプレートやデータ、パーツを組み合わせるだけで、ビジネスアプリを作成できます。ドラッグ&ドロップを用いて、直感的に操作できるのも魅力です。
また、プログラミング言語を用いてカスタムコードを編集し、作成したアプリを改良できます。
|Oracle APEX
Oracle APEXとは、Webベースのアプリをスピーディーに開発できるローコードプラットフォームです。
データベース管理システムである「Oracle Database」上に構築されており、Oracle Databaseを使用しているのであれば簡単に導入できます。専用のインターフェイスを使い、ドラッグ&ドロップ操作でアプリを作成できるのが特徴です。
また、レスポンシブの表示仕様も備わっています。これにより、作成したアプリをPCだけでなくスマートフォンやタブレットなど様々な端末画面から閲覧しやすい形で確認できるのがポイントです。
|AWS Amplify
AWS Amplifyとは、AWSが提供しているプラットフォームです。
「Amplify CLI」「Amplify Framework」「Amplify Console」など、複数の構成から成り立っています。ドラッグ&ドロップ操作で直感的にWebアプリを作成できるほか、AWSで提供されている幅広いサービスと連携させ、利便性をさらに高めることも可能です。
|ローコード開発プラットフォームの選び方
ローコード開発プラットフォームを選ぶ際に、注目しておきたいポイントを4つご紹介します。
|目的に合った機能が搭載されているか
ローコード開発プラットフォームといっても、搭載されている機能はサービスごとに差異があります。自社が求めている業務アプリやシステムが作成できるか、カスタマイズはどの程度必要そうかといった点に注目しましょう。
タスク管理・給与計算・顧客管理システム・売上管理システムなど、作成したいアプリやシステムによって選ぶべきプラットフォームは異なります。
|拡張性があるか
自社内で既に使用しているツールや外部システムがある場合は、それらと連携させられるか否かを確認しましょう。データ連携が可能であれば、アプリ開発の幅がさらに広がります。
また、拡張機能の充実度も重要です。基本性能に対してどの程度の拡張機能が用意されているか、自社業務に役立ちそうな拡張機能があるかをチェックしましょう。
|セキュリティポリシーが自社と合っているか
ローコード開発プラットフォームで開発したシステムのセキュリティポリシーは、利用するプラットフォームのポリシーに従うことになります。
そのため、自社ポリシーに準拠しているプラットフォームを選ぶ必要があります。
|サポート体制は整っているか
開発内容によっては、設計・運用時につまずくことも考えられます。トラブル発生時のことも考えて、プラットフォーム側のサポート体制を事前に確認しましょう。
具体的には、「サポート費用(無料・有料)」「導入・設計・運用など段階に合わせたサポートがあるか」「電話・メールなどサポートの手段は豊富か」などの点に注目することをおすすめします。
|ローコード開発の事例
ローコード開発は内製化を目的に導入されることもありますが、複雑なシステムの開発を行う場合などは外注することをおすすめします。以下では、弊社VNEXTのローコード開発事例をプラットフォームごとにご紹介します。
|Salesforce Platform
|ServiceNow
|intra-mart
|まとめ
ローコード開発は、今やビジネスや市場の変化に柔軟かつ迅速に対応できる開発手法として欠かせないものとなっています。
DXが急務となっている日本においては、「IT人材不足」「開発コストの削減」「開発スピードの向上」などの課題を解決できるとして期待されています。
とはいえ、ローコード開発は、従来のゼロからプログラミングするより遥かに簡単にはなりますが、ある程度の知識は必要、ツールを使いこなすための人材教育が必要といった点がデメリットでもあります。そのため、初めてローコード開発を行う、もしくは複雑なシステム開発を行う場合は外注することをおすすめします!
|ローコード開発ならVNEXTにお任せ!
弊社VNEXTでは、ノーコード・ローコード開発にも対応しており、受注数も多いです。
理由としては、「業務分析を専門家の視点から行ってほしい」や「内製化したいが慣れるまでは伴走してほしい」といった課題があるからです。
他にも、システム開発自体を外注する際に「開発期間を短縮したい」という要望から、案件に合ったノーコード・ローコード開発ツールを利用して開発することもあります。
VNEXTでは、大規模システムに応じたノーコード・ローコード開発プラットフォームにも対応しています。
・SAP Build
・OutSystems
・Mendix など
他にも、下記のプラットフォームを使った開発も可能です!
・Salesforce
・ServiceNow
・kintone
・intra-mart
・SPIRAL など
ノーコード・ローコード開発を検討されている方、お困りの方はぜひ一度VNEXTにご相談ください!
>> VNEXTのノーコード・ローコード開発サービスの詳細はこちら <<
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