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日本企業のためのベトナムオフショア開発の進め方ガイド

2024/06/06

オフショア開発とは、国内よりコストが安い海外の開発企業・子会社、または現地法人に、システム・アプリ開発やインフラ構築などの運用・保守業務などの業務を委託する開発方法です。

 

昨今、日本企業によるオフショア開発の導入は年々増加傾向にあり、『オフショア開発白書2023年版』によると、発注先としてベトナムがトップの人気で、日本企業の半数近くがベトナムを選んでいます。

 

そこで今回は、日本企業のためのベトナムオフショア開発の進め方について詳しく解説していきます。

 

 目次 

● ベトナムがオフショア開発のための魅力的な選択肢である理由

 ▶︎ 優秀な若いIT人材が豊富

 ▶︎ コスト面で優位性がある

 ▶︎ 国民性とコミュニケーションのとりやすさ

 ▶︎ 時差が2時間でビジネスアワーが日本とマッチする

 ▶︎ 政治・インフラが安定している

● 日本企業がベトナムを選ぶメリット

 ▶︎ ベトナムの豊富なIT人材によるITリソースの確保が可能

 ▶︎ オフショア開発の経験が豊富なため安心して任せられる

 ▶︎ コストメリットが高い

 ▶︎ 日本語でのコミュニケーションによる進めやすさ

 ▶︎ ビジネス文化が日本と似ている

● ベトナムでのオフショア開発の進め方

 ▶︎ Step1:企業を選定する

 ▶︎ Step2:契約内容を確認する

 ▶︎ Step3:プロジェクト管理とコミュニケーション戦略の構築

 ▶︎ Step4:品質管理とリスク管理

 ▶︎ Step5:文化的な違いへの対応

● ベトナムオフショア開発を成功させるためのポイント

● ベトナムオフショア開発の成功事例

● まとめ

 

 

|ベトナムがオフショア開発のための魅力的な選択肢である理由 

昨今、日本企業がオフショア開発先として選ぶ国として1番人気がベトナムです。ベトナムがオフショア開発先として選ばれる魅力的な理由を5つご紹介します。

 

オフショア開発の人気国

 

|優秀な若いIT人材が豊富 

ベトナムは国を挙げてIT人材の輩出に力を入れており、優秀なIT人材が年々増加しています。

 

ベトナムのIT人材プラットフォーム「TOPDev」が発行した『Vietnam IT Market Report 2023』によると、コンピュータ・サイエンスおよびIT関連部門で働く技術/デジタル労働力は53万人と推計されています。そのうち56%が20代、25.4%が30代と若いエンジニアが豊富です。

 

またベトナム政府は大学におけるIT人材育成に注力し、IT関連を専攻する学生は毎年5万〜5.7万に及ぶと試算されており、優秀なIT人材は今後さらに増加していくと考えられます。卒業後は、日本企業を就職先として選ぶ学生も少なくありません。

 

若いエンジニアが多いとはいえ、資格のレベルはミドルクラス以上が約60%と技術に関する高いレベルの資格保有者が多数を占めます。

 

多くの案件を受け入れてきた結果、基幹システムやパッケージ開発(SAP / Salesforceなど)、AIやブロックチェーンなどの先端技術を用いた高度な案件に対応可能な企業も増えています。

 

このような現状から、ベトナムの技術力はIT大国であるインドにも劣らず、安心して開発業務を任せることができます。

 

 

|コスト面で優位性がある 

ベトナムの人件費は日本と比較して1/2〜1/3程度となっており、コスト面で優位性があるといえます。

ベトナムの人月単価

出典:【2023年最新版】ベトナムオフショア開発の人月単価相場

 

上記はベトナムのエンジニアの人月単価です。()内は前年比を表しています。2023年時点のデータで単価は上昇傾向にあります。

上昇傾向ではありますが比較して安価な水準ではあり、またどの職能においてもエンジニアが豊富にいことは押さえておくべきポイントとなります。

 

ちなみに、日本のシステム会社の日本人単価は以下が相場となります。

 

・プログラマー(大手企業の場合):60〜100万円

・初級エンジニア:60〜100万円

・中級エンジニア:80〜120万円

・上級エンジニア:120〜200万円

 

現在、日本国内ではIT人材不足が深刻化しており、人月単価は年々増加傾向にあります。特に、スキルの高いエンジニアほど需要があるため上級レベルとなると月100万円以上は人件費がかかります。

 

日本人単価と比較するとわかるように、ベトナム人単価は上昇傾向にあるといってもコストメリットは非常に高いといえます。

 

 

|国民性とコミュニケーションのとりやすさ 

ベトナムは親日国として知られており、英語や日本語を修得している人も多く、コミュニケーションをスムーズにとることができます。

 

独立行政法人日本学生支援機構によると、2022年の外国人留学生在籍状況は、ベトナムは約3.7万人で中国に次いで2位となっています。これに伴い、日本語が話せる若者は増えており、オフショア開発のプロジェクトでは彼らのような日本語が得意なベトナム人が、ブリッジSEとして重要な役割を果たしています。また、ベトナム国内では日本語を第二外国語として教える高校もあるなど、日本語需要が非常に高まっています。

 

オフショア開発では、日本企業とベトナム企業の橋渡しとして「ブリッジSE」と呼ばれるポジションで活躍するベトナム人材も見られます。日本の文化について前向きに理解しようとする人も多く、円滑なコミュニケーションがとりやすいため、開発を進めやすい国だといえるでしょう。

 

このような背景もあり、ベトナムは日本語が話せるブリッジSEが豊富なため、ブリッジSEの単価が各国より安いことが特徴です。

オフショア開発の人月単価

 

 

|時差が2時間でビジネスアワーが日本とマッチする 

ベトナムと日本の時差は2時間で、日本の方が2時間進んでいます。それほど時差が大きくないためビジネスアワーがマッチしやすく、現地との連絡もとりやすいといえるでしょう。

 

ベトナム企業のビジネスアワーは一般的に8:00〜17:00(または8:30〜17:30)です。一方、日本では10:00〜19:00が就業時間という企業が多いため、ベトナムとの時差を考えるとビジネスアワーが合います。

 

業務が進めやすい点も、ベトナムが選ばれる理由のひとつです。

 

 

|政治・インフラが安定している 

ベトナムでは1955年〜1975年にかけてベトナム戦争が勃発しましたが、75年の南北ベトナム統一以降、政治は安定した状況にあります。

 

最近では、同じく東南アジアに位置するミャンマーも、人件費を抑えられる観点からオフショア開発先として注目されています。しかし軍事政権下で、情勢が安定しているとは言い難い状況です。

 

一方、ベトナムは政治情勢の変化によるリスクが低いといえます。インフラ環境も整っているため、安心してオフショア開発を委託できる国だといえるでしょう。

 

 

 

|日本企業がベトナムを選ぶメリット 

オフショア開発先としてベトナムが選ばれる理由をご紹介しましたが、日本企業がベトナムを選ぶことによって得られるメリットはどのようなものがあるのでしょうか?以下では、主なメリットを5つ挙げてご紹介します。

 

 

|ベトナムの豊富なIT人材によるITリソースの確保が可能 

日本では、IT人材不足が深刻化しており、2030年には79万人のIT人材が需要に対して供給が不足すると予測されています。そのため、日本のITリソース不足をベトナムオフショアで解決する企業が増えてきています。

 

『VietnamITMarketReport_TechHiring2022』によると、2022年に、ベトナムのソフトウェア業界は48万人がITエンジニアとして働いていると発表しています。

 

日本のITエンジニア人口が約120万人であることから、これは日本の40%に相当します。 

さらに、ベトナムでは毎年、57,000人のソフトウェア専攻の学生を輩出しています。 

 

このような状況は、毎年約6万人のIT専門教育を受けた人材が安定して供給される基盤となり、ベトナムのIT分野における急速な成長を促進しているといえます。

 

 

|オフショア開発の経験が豊富なため安心して任せられる 

これまでオフショア開発先として選ばれていた国は、中国・インドが主流でした。しかし、近年では人件費が日本人単価と変わらない、もしくはそれ以上になっていることやカントリーリスクの増大により、ベトナムやその他の国へのシフトが始まっています。

 

このような理由もあり、中国やインドの技術力にも劣らないベトナムにオフショア開発の案件が集まってきています。そして、多くの案件を受け入れてきた結果、以前は対応できる企業が少なかった基幹システムやAI・ブロックチェーンなどの先端テック / PKG開発(SAP / Salesforce / kintone...)といったより高度な案件に対応可能な企業が増加しています。

 

これまでのオフショア開発の経験の多さから、ベトナムに開発を安心して任せられるといっていいでしょう。

 

 

|コストメリットが高い 

ベトナムの人月単価は、30〜45万円と日本人単価と比較すると1/2〜1/3程度です。

 

システム開発の約9割は人件費が占めるといわれているため、人月単価が安いベトナムに委託することにより、開発コストは日本のシステム開発会社と比較し、1/2〜1/3程度の削減が期待できます。

 

VNEXTでは、採用コスト「0」で優秀な開発者チームは組むため、国内開発と比べ、安価で柔軟に要望に応じた契約型の提案が可能です。

 

 

|日本語でのコミュニケーションによる進めやすさ 

ベトナムは日本への留学生が約3.7万人で中国に次いで2位となっています。これに伴い、日本語が話せる若者は増えており、オフショア開発のプロジェクトでは彼らのような日本語が得意なベトナム人が、ブリッジSEとして重要な役割を果たしています。

 

また、ベトナム国内では日本語を第二外国語として教える高校もあるなど、日本語需要が非常に高まっています。

 

このような背景から、ベトナムは日本語が堪能なブリッジSEやコミュニケーターが豊富なため、プロジェクトにおけるやりとりも全て日本語で対応できる企業が多いです。インドやフィリピンは公用語が英語のため、主に英語でのコミュニケーションとなりますが、ベトナムはブリッジSEを介して主に日本語でのやりとりとなります。

 

一方で、国内開発と比べると、日本人特有のニュアンスを汲み取り、言わなくてもわかるだろうというスタンスでは伝わらないこともあるので注意が必要です。

 

 

|ビジネス文化が日本と似ている 

ベトナムは日本とビジネス文化が似ている点もプロジェクトを進める上でメリットといえるでしょう。

 

たとえば、日本とベトナムの両方の文化では、品質と信頼性が重要視されます。製品やサービスの品質に対する高い期待と、信頼できるビジネスパートナーシップの構築を大切にしています。

 

また、集団主義的な要素も持っており、グループの利益を重視し、協力して目標を達成することが重要視されます。集団での意思決定や協力体制が一般的な部分も日本のビジネス文化と類似しています。

 

海外では日本のビジネス文化が通じないことが多いですが、日本と国民性が似ているベトナムでは全く通じないということがありません。

 

 

 

|ベトナムでのオフショア開発の進め方 

オフショア開発先をベトナムに決めた後に、どのようにオフショア開発進めていくのかを主な5つのステップについて解説します。オフショア開発を始めて導入する方は特に必見です。

 

オフショア開発を進めるの主な5つのステップは以下のとおりです。

 

Step1:企業を選定する

Step2:契約内容を確認する

Step3:プロジェクト管理とコミュニケーション戦略の構築

Step4:品質管理とリスク管理

Step5:文化的な違いへの対応

 

それぞれについて詳しくみていきましょう。

 

 

|Step1:企業を選定する 

まずは、ベトナムのオフショア開発企業を選定することから始めます。

 

選定する際に押さえておきたいポイントは以下のとおりです。

・開発実績が豊富か

・開発したいシステムと似た実績があるか

・自社のシステム開発に必要なスキルを持つ人材が多いか

・N1N2レベルの日本語堪能なブリッジSEがいるか

・案件に応じて柔軟な対応ができるか

・運用 / 保守までサポートしてくれるか

 

開発実績が多いのは言うまでもありませんが、その中で自社が開発したいシステムと似た実績があるのかを確認することが重要です。それがあることで、ノウハウなどがあるためスムーズにプロジェクトを進めることができます。

 

また、見積もりをとる際に複数社に相見積もりをしましょう。1社だけだと相場がわからず、安いからといって任せてしまうと失敗に陥る可能性があります。見積もりをする時は「RFP(提案依頼書)」を作成し、各社に提出することをおすすめします。

 

加えて、日本法人がある企業だと尚いいです。基本的な窓口が日本人スタッフや日本で営業をしているベトナム人スタッフが対応するため、余計なコミュニケーションコストがかかりません。

 

《関連記事》

【2024年最新版】おすすめのオフショア開発会社7選と失敗しない選び方

 

オフショア開発企業を選定する際は、下記のオフショア開発チェックシートをご活用ください!(無料でダウンロードできます)

オフショア開発チェックシート

 

 

|Step2:契約内容を確認する 

発注するオフショア開発会社が決まったら、契約内容を確認しましょう。

 

オフショア開発の契約形態は、「ラボ型」「請負型」の2つがあります。

ラボ型は、開発期間で契約をして、社外に専属の開発チーム(ラボ)をつくり開発を進めていくことです。

一方、請負型は、ソフトウェアやシステムなどの成果物単位で契約をするため、成果物が完成したらチームは解散します。

 

また、開発手法も主に2つに分かれます。

 

・ウォーターフォール開発:仕様を明確にしてから開発を依頼する

・アジャイル開発:要件定義〜テストまでの一連の開発工程を短期間で繰り返し、状況に応じて柔軟に開発を進める

 

このように、契約形態と開発手法に種類があるため、プロジェクトのタイプや目的に合わせて、自社にとってベストな契約内容になっているのかを確認しなくてはなりません。

 

仕様変更や修正などに対応可能な契約内容になっているのか、自社が不利益を被るような内容になっていないかどうかを確認しましょう。

 

 

|Step3:プロジェクト管理とコミュニケーション戦略の構築 

ベトナムでのオフショア開発プロジェクトを進める上で、適切なプロジェクト管理と効果的なコミュニケーション戦略の構築が不可欠です。

 

|プロジェクト管理 

・プロジェクト計画の策定

プロジェクトの目標、スコープ、スケジュール、リソースなどを明確に定義しましょう。開発の進行状況を追跡し、進捗を管理するための計画を策定します。

 

・リスク管理と品質管理

プロジェクト中に発生するリスクを特定し、適切な対策を講じることが重要です。また、品質基準を定めて、品質の維持と向上に努めます。

 

・タスクの割り当てと進捗管理

チームメンバーに適切なタスクを割り当て、進捗状況を定期的にモニタリングします。必要に応じてスケジュールの調整やリソースの再配置を行い、プロジェクトのスムーズな進行を確保します。

 

|コミュニケーション戦略の構築 

・コミュニケーションツールの選択

遠隔地での開発チームとのコミュニケーションを円滑にするために、適切なコミュニケーションツールを選択します。メール、チャット、ビデオ会議など、複数のコミュニケーション手段を活用します。

 

・定期的な会議と進捗報告

チームメンバーとの定期的な会議を設定し、進捗状況や課題を共有します。また、定期的な進捗報告を行い、関係者との情報共有を促進します。

 

・文化的な違いへの対応

ベトナムと日本の文化の違いを理解し、適切なコミュニケーションスタイルを確立します。相手の文化や背景に敬意を払い、円滑なコミュニケーションを図ります。

 

 

|Step4:品質管理とリスク管理 

オフショア開発において、品質管理とリスク管理を行うことはとても重要です。

 

|品質管理 

・品質基準の確立

開発プロセスの開始前に、品質基準を明確に定義しましょう。品質基準にはコード品質、機能性、セキュリティなどが含まれます。

 

・定期的な品質監査

開発プロジェクト中に定期的な品質監査を実施し、品質基準が満たされているかどうかを確認します。自動化されたテストやコードレビューなどの手法を使用して、品質を維持することが重要です。

 

・フィードバックループの構築

ユーザーまたはクライアントからのフィードバックを受け入れ、適切な修正や改善を行うためのプロセスを確立します。アジャイルな開発手法を採用することで、フィードバックを迅速に組み込むことができます。

 

|リスク管理 

・リスクの特定と評価

開発プロセスの初期段階で、潜在的なリスクを特定し、それらの影響と発生確率を評価します。リスクの種類には技術的な問題、スケジュールの遅延、コミュニケーションの問題などが含まれます。

 

・リスクの軽減策の実施

特定されたリスクに対処するための軽減策を策定し、実行します。これには、リスクの回避、分散、転送、または受容などの戦略が含まれます。

 

・リスク管理計画の更新

プロジェクトの進行に伴い、新たなリスクが発生する可能性があります。定期的にリスク管理計画を更新し、新たなリスクへの対処策を策定します。

 

 

|Step5:文化的な違いへの対応 

ベトナムは親日国であり、日本人との国民性とも似ていますが、海外であることは変わりなく文化の違いを理解し、対応することが必要です。

 

日本では”言葉で伝えなくても汲み取ってくれる”ということがありますが、たとえば海外では”設計書に書いてあること以外はやらない”ことがほとんどです。「雰囲気や行間でわかってくれる」は通用しません。コミュニケーション不足から開発先の対応範囲や業務プロセスを把握せずに進めると失敗に陥りやすいです。

 

相手の文化を理解するためには「密なコミュニケーション」がとても大切です。

ベトナムに限らず、オフショア開発を進める上でコミュニケーションは国内開発の時よりも多くとることを心がけましょう。

 

 

 

|ベトナムオフショア開発を成功させるためのポイント 

ベトナムオフショア開発を成功させるためのポイントを5つご紹介します。オフショア開発を導入する際は、以下のポイントを押さえておきましょう。

 

 

|プロジェクトの目的と期限の明確化 

・開発前にプロジェクトの主旨や目的の認識合わせを徹底する

開発プロジェクトの背景や目的を事前に共有することは、開発先のメンバーの責任感やモチベーションの向上につながります。

 

「なぜ、このプロジェクトが立ち上がったのか」「目的は何か」「ユーザーはどんな人なのか」などを理解することで、自分達が手掛ける開発にどのような意味があるのか、具体的なイメージが沸きます。

 

また、キックオフの機会を設け、開発先のメンバーに直接「自分たちの思いや熱意」「期待をしていること」「在りたい姿」を伝えることで、より一層理解が深まり、モチベーションややりがいを感じられます。同時に、自分たちが再認識するきっかけにもなり、お互いの方向性を統一することができます。

 

そのために、プロジェクトの目的をきちんと明確にしておくことが重要です。

 

・プロジェクトの完了期限を具体的に設定する

プロジェクトの完了期限を具体的に設定することで、チームは目標を達成するために必要な作業量を把握し、スケジュールを調整することができます。

また、プロジェクト期間中の重要なマイルストーンを設定し、プロジェクトの進行状況を追いましょう。マイルストーンは目標の達成度を定量的に評価するための基準となります。

 

 

|適切なコミュニケーションツールの選択 

オフショア開発は基本的にリモートでの開発となります。そのため、日常で使うコミュニケーションツールをあらかじめ決めておきましょう。

 

企業にもよりますが、メールよりチャットでのやりとりが多いです。チャットの方が、小さな質問などもいつでも気軽に送ることができるからです。自社で利用しているチャットツールがオフショア開発会社でも利用していれば問題ないですが、お互いに違うツールを利用している場合は共通のツールを設定しましょう。

 

また、密なコミュニケーションをとるためにはチャットだけでなく、Face to Faceで定例ミーティングを行うことが重要です。オンラインミーティングが行えるツールも開発前に決めておきましょう。

 

 

|品質を維持・向上させるための仕組みをつくる 

仕様理解や進捗管理のサポートを行うため、オフショア先に日本人のプロジェクトマネージャーを立てるなどのチーム体制をつくりましょう。

オフショア開発メンバーのスキルに依存しては、プロジェクトの進行や成果物に影響が出てしまいます。

自社と開発先の双方で「役割分担」を明確にし、「問題の早期発見・改善施策を徹底し品質改善させる仕組み」がオフショア開発成功のポイントです。

 

 

|自社のプロジェクトに合った開発会社を選ぶ 

一概にオフショア開発企業といっても、会社によって得意な分野が違います。自社のプロジェクトに合った会社を選ぶことも開発を成功させるポイントです。

 

プロジェクトの主旨や目的を共有し、相手が理解・把握・イメージができるように事前準備をしておきましょう。

 

開発会社のホームページには限られた情報しか掲載されていません。そのため、問い合わせや見積もりをする際に「RFP(提案依頼書)」を作成し、気になる会社に提出する、自社プロダクトに近しい開発実績を提出してもらうことをおすすめします。

 

 

|文化的な違いを理解し尊重する 

オフショア開発の最大の難関は「コミュニケーション」です。コミュニケーションを密にとり、お互いの信頼関係を築くことがオフショア開発の成功を左右するといっても過言ではありません。

 

相手と意思疎通をするためには「文化や国民性」の理解も必要不可欠です。フショア開発はお互いがパートナーとなりプロジェクトを進行していくため、”お互いを知る”ためのコミュニケーションを意識してとりましょう。

 

伝え方や手段の工夫も重要です。伝え方としては、日本語独特の表現ではなく、簡潔で分かりやすい日本語を使いましょう。手段としては、すぐに連絡が取れるチャットと、顔が見えるビデオミーティングの両方を使うことで認識のずれや課題の把握がしやすくなります。

 

《関連記事》

オフショア開発におけるコミュニケーション課題とは?|対策方法と解決のコツ

 

 

 

|ベトナムオフショア開発の成功事例 

以下では、弊社VNEXTでサポートした企業様の事例を、導入背景や効果、成功要因と合わせて企業様の声をもとにご紹介します。

 

 

|Sler:ECサイト開発 

まずは、SIerとして流通・物流分野における基幹システムの構築などを行っている企業様からご依頼をいただいたECサイト開発をご紹介します。

技術者が少なく開発リソースに課題があったものの、オフショア開発を導入したことで成功された事例です。

 

導入背景

同社のクライアントである国内大手飲食サービス企業からの依頼は開発途中のアプリを引継ぎ、完成させること。しかし同社には、アプリで使用するMagentoというプラットフォームを扱える技術者が少なかった。SIerとしてアジアを中心にしたオフショア開発の経験が豊富だが、これまで取引のあったパートナー企業にもMagentoを扱える技術者がほとんどいなかったため、対応できる企業を広く探す必要があった。

 

導入効果

Magentoを扱える技術者が豊富で迅速に開発体制を構築できた。上流工程、品質管理、テストは同社で行い、開発部分をVNEXTが担当。当初はプロジェクト単体での依頼だったが、リリース後は引き続き保守・改修と新機能の追加があるため、ラボ型開発へと切り替え継続的なリソースの確保とナレッジの蓄積ができている。

 

成功要因

同社にMagentoに対する知見があまり無い中で、それを補完できる技術者を集め、開発済みの箇所について良し悪しの判断を行った。日本の小売業界のシステム開発経験者がVNEXTのプロジェクトマネージャーを担当したため、スムーズに開発が進められた。

また、日本市場向けのECアプリのため、「なぜ、そのサービスがあるのか」「なぜこの機能が必要なのか」「どういう使われ方をしているのか」といった理解を深めるために、しっかりと時間を設け、事前のワークショップで理解を深めていったことで齟齬が生まれなくなった。

 

 

|IT人材派遣会社:人材マッチングシステム 

続いては、海外人材アウトソーシング事業を展開している大手IT人材派遣会社様の人材マッチングシステムの開発案件をご紹介します。

オフショア開発を導入したことで、コストを当初の想定から1/3に抑え、新たな顧客の獲得にも成功された事例です。

 

導入背景

海外エンジニアと日本国内企業のマッチングシステムがないため、海外エンジニアが日本で仕事をするチャンスが少ない。また、日本国内企業は人材不足だが、良質なエンジニアを採用できていない状況が続いているという課題がある。コストを抑えつつ、品質の高い人材マッチングシステムを開発し、この課題を解決したい。

 

導入効果

開発コストを1/3に抑え、ベトナム、ミャンマーのエンジニアと日本企業のオンラインマッチングを支援する初のWebサイトの開発に成功。双方の課題が解決できるプラットフォームとなり、新規顧客の獲得につながっている。

 

成功要因

開発フェーズでは開発コストの把握がしやすい請負型を提案し、仕様書からデザイン・開発・テスト・運用・保守の工程をサポート。設計を理解しているブリッジSEを常駐させることで、お客様とのコミュニケーションが円滑になるだけでなく、独立部署である品質管理部とのやりとりで品質を担保できた。

 

 

|フードサービス:予約アプリ 

最後は、全国にチェーン店をかまえる大手フードサービス企業様の既存アプリのリニューアル案件です。

オフショア開発により、お客様の課題である自社のエンジニア不足と、要望である開発コストを抑えることに成功された事例です。

 

導入背景

既存アプリでは予約機能のみが実装されており、ユーザーにリアルタイムな情報を届けることが難しい。また、アプリで得たユーザー情報と既存システムの連携ができておらず、顧客管理システムが散々になり業務不可もかかっている課題を抱えていた。



導入効果

アプリ開発に強いエンジニアの確保ができない状況を、それを補完する人材を確保をしたことで難しい機能も実装でき、イメージ通りのアプリが開発できた。リリース後、既存アプリ運用前と比べて顧客が30%増加した。また、顧客管理が一元化されたことにより、予約業務の効率化が図れている。

 

成功要因

既存アプリであるネイティブアプリ開発の実績とノウハウのあるエンジニアをアサイン。要件定義から参画したことで、既存アプリの設計や業務フローを把握し、フロントエンド/バックエンドの開発と運用、テスト、保守をサポート。スケジュールの遅延が発生しないよう、進捗状況を定期的にヒアリングし、必要に応じて体制の見直しを提案したことで当初の納期スケジュールよりも早く納品できた。

 

 

 

|まとめ 

ベトナムは、その豊富な技術力、コスト競争力、文化的な類似性などの要因から、日本企業にとって魅力的なオフショア開発先となっています。この関係は、両国間のビジネスパートナーシップを強化し、成長を促進する可能性を秘めています。

 

ベトナムでのオフショア開発は、多くの日本企業にとって利益をもたらす機会となっています。ベトナムの優れた技術力と豊富な人材は、高品質なソフトウェア開発やITサービスの提供を可能にし、コスト効率の向上に貢献します。さらに、文化的な類似性とコミュニケーションの容易さは、プロジェクトの円滑な進行を支援し、相互理解を深めます。

 

ベトナムは急速な経済成長を遂げる新興市場であり、そのオフショア開発産業も拡大し続けています。日本企業は、ベトナムの成長と共に市場のニーズに対応し、新たなビジネスチャンスを探求することができます。このような成長トレンドは、両国のビジネスコミュニティにとって前向きな展望を示し、相互の成功と繁栄をもたらすものと期待されます。

 

オフショア開発の導入を検討されている方は、ベトナムオフショア開発をおすすめします!

 

 

|ベトナムオフショア開発ならVNEXT 

弊社VNEXTは、15年以上オフショア開発を日本市場に展開しており、スタートアップから大手企業まで350社以上のパートナーと700件を超える開発実績があります。上流工程〜開発、運用・保守までトータルサポートしており、日本法人であるVNEXT JAPANが窓口となるため日本語でのスムーズなコミュニケーション体制も構築しています。

 

ベトナムオフショア開発を検討されている方は、一度お気軽にVNEXTまでお問い合わせください!

 

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