VNEXTの会社紹介資料
2024/04/08
IT人材の不足やコストメリットから、海外に業務を委託するオフショア開発に目を向ける企業は少なくありません。
しかし、期待した効果を得られず、結果的に失敗してしまうケースがあります。
本記事では、オフショア開発初心者の方や一度失敗したことがある方に向けて、失敗する理由と成功させるために押さえておきたいポイントを解説していきます。
目次
|オフショア開発とは
まず、オフショア開発の概要をおさらいしておきましょう!
オフショア開発(offshore development)とは、システム・アプリ開発の業務などを海外の開発会社や海外子会社に委託することです。
オフショア(offshore)の意味は、岸(shore)から離れた(off)を合わせた言葉で、「海外で(開発をする)」ということを意図してIT業界では用いられています。
電化製品や衣類などを材料費や人件費の安い海外で製品を作り、日本で販売する方法をイメージするとわかりやすいです。オフショア開発もそれに近い形の委託方法です。
〜 なぜ、海外に開発業務を委託する企業が増えているのか? 〜
・人材のリソースを迅速で柔軟に調整が可能
・日本国内に委託するよりも、人件費や投資費用が安くコストの削減ができる
・コスト削減でも品質は変わらない
オフショア開発先の代表例は、主に賃金が安いベトナムやフィリピン、インドといった東南アジア諸国です。たとえば、ベトナムでは国を挙げてIT人材の輩出に力を入れているため、優秀なIT人材が年々増えています。アジア諸国では、IT業界は職業の中でもトップクラスの高い給与が得られるため、優秀な人材たちが集まる構造ができあがっているのです。
これらの理由から、エンジニアスキルは日本と変わらず、低コストといって品質が低いというわけではありません。オフショア開発は品質がよくないといったイメージは過去の話で、オフショア開発を利用する企業は年々増えています。
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|オフショア開発が失敗する5つの要因
オフショア開発には、「人件費が削減できる」「優秀な人材を確保できる」などのメリットがありますが、実際には失敗することも多くあります。
主な失敗事例として挙げられるのは、「成果物の品質が思ったより低く、多くの修正が必要だった」「スケジュールの遅延が発生し納期が守られなかった」などです。
では、なぜ失敗してしまうのでしょうか?ここからは、オフショア開発が失敗してしまう主な要因を5つ挙げて解説していきます。
〜 オフショア開発が失敗する5つの要因 〜
- プロジェクトの主旨や目的が共有できていない
- 円滑なコミュニケーションがとれていない
- 品質管理が徹底されていない
- 開発先の不得意な分野を依頼する
- 実績がない開発会社に依頼する
|要因①:プロジェクトの主旨や目的が共有できていない
・当たり前の感覚は通じない
日本人同士の仕事でもプロジェクトの主旨や目的が共有・理解ができていないと、足並みが揃わず品質やパフォーマンスに影響が出ます。
オフショア開発の場合も同じですが、日本と海外の文化や環境の違いから「当たり前の感覚」に違いが生じるため、より多くの時間をかけて、認識のすり合わせを行うことが重要です。
この部分を怠ると、「進行中に何度も衝突する」「納期スケジュールに間に合わない」「イメージと違う成果物になる」など、結果的に時間とコストがかかってしまい、失敗につながりやすいです。
|要因②:円滑なコミュニケーションがとれていない
・言語だけでなく、海外の文化や国民性が深くかかわる
オフショア開発は海外との取引になるので、言語の問題は発生します。
日本語を話せる相手であれば障壁は下がりますが、英語や現地語の場合はハードルが高くなります。通訳やブリッジSEを通して開発を進めるとしても、円滑なコミュニケーションがとれていなければ問題の把握ができず、結果的に想定とは異なる成果物ができあがる事態に陥ることになります。
また、日本では”言葉で伝えなくても汲み取ってくれる”ということがありますが、たとえば海外では”設計書に書いてあること以外はやらない”ことがほとんどです。「雰囲気や行間でわかってくれる」は通用しません。コミュニケーション不足から開発先の対応範囲や業務プロセスを把握せずに進めると失敗に陥りやすいです。
|要因③:品質管理が徹底されていない
・成果物の品質がよくないケース
オフショア開発では、プログラミングのスピードが速く、成果物が早く上がってくることが特徴です。
しかし、日本の開発現場のように開発者がテストコードを書くことが習慣化されておらず、テストを行う場合でも、日本のテスト基準を満たしていない場合が多くあります。
そのため、日本側でのテストが必要となり、テスト工数とバグ発見後の修正工数が発生し、結果的に「納期が遅れる」「コストが増加する」事例が多く発生しています
|要因④:開発先の不得意な分野を依頼する
・開発先によって得意な分野と不得意な分野がある
開発を依頼する場合は、あらかじめ開発先がどのような分野が得意なのかを把握しましょう。
たとえば、基幹系のシステム開発を依頼したいのに、ECサイト構築が得意な会社に依頼しても思ったような成果は得られないでしょう。
このように選んだ企業に実際に依頼をしたら相手側の不得意な分野で、想定していたレベルより低いものができてしまったなどの不具合が発生する恐れがあります。
|要因⑤:実績がない開発会社に依頼する
・安いからという理由だけで選ぶのはNG!
開発の実績がない会社に委託した場合は、要件を伝えるという基本的な部分でつまづくこともあります。そうなれば、「開発は終わったが、細かい不具合が続出して使えなかった」ということにもなりかねません。
ネット上で探して、良さそうだという理由だけで開発先を選ぶのは避け、問い合わせたり、導入事例・評価などを調べたりして、「この会社なら任せることができる」という会社を選びましょう。
|オフショア開発を成功させるための5つのポイント
ここまでオフショア開発の失敗要因を紹介しましたが、対策次第でオフショア開発は成功させることができます。
次は、オフショア開発を進める上で押さえておきたいポイントを解説していきます。
〜 オフショア開発を成功させるための5つのポイント 〜
- 開発の前にプロジェクトの主旨や目的の認識合わせを徹底する
- 開発先とのコミュニケーションを密にとる
- 品質を維持・向上させるための仕組みをつくる
- 自社のプロジェクトに合った開発会社を選ぶ
- 開発の実績と見積もりの詳細をしっかり確認する
|ポイント①:開発前にプロジェクトの主旨や目的の認識合わせを徹底する
・開発プロジェクトの背景や目的を事前に共有する
開発プロジェクトの背景や目的を事前に共有することは、開発先のメンバーの責任感やモチベーションの向上につながります。
「なぜ、このプロジェクトが立ち上がったのか」「目的は何か」「ユーザーはどんな人なのか」などを理解することで、自分達が手掛ける開発にどのような意味があるのか、具体的なイメージが沸きます。
また、キックオフの機会を設け、開発先のメンバーに直接「自分たちの思いや熱意」「期待をしていること」「在りたい姿」を伝えることで、より一層理解が深まり、モチベーションややりがいを感じられます。同時に、自分たちが再認識するきっかけにもなり、お互いの方向性を統一することができます。
|ポイント②:開発先とのコミュニケーションを密にとる
・オフショア開発の最大の難関はコミュニケーション
言語は日本語が通じるのか、英語や現地語なのかでコミュニケーション方法が変わります。
英語や現地語であれば「自社または開発先のメンバーに通訳を入れる」「ブリッジSEを入れてもらう」といった手段をとります。
また、相手と意思疎通をするためには「文化や国民性」の理解も必要不可欠です。オフショア開発はお互いがパートナーとなりプロジェクトを進行していくため、”お互いを知る”ためのコミュニケーションを意識してとりましょう。
伝え方や手段の工夫も重要です。伝え方としては、日本語独特の表現ではなく、簡潔で分かりやすい日本語を使いましょう。手段としては、すぐに連絡が取れるチャットと、顔が見えるビデオミーティングの両方を使うことで認識のずれや課題の把握がしやすくなります。
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|ポイント③:品質を維持・向上させるための仕組みをつくる
・品質維持につながる体制づくりが重要
仕様理解や進捗管理のサポートを行うため、オフショア先に日本人のプロジェクトマネージャーを立てるなどのチーム体制をつくりましょう。
オフショア開発メンバーのスキルに依存しては、プロジェクトの進行や成果物に影響が出てしまいます。
自社と開発先の双方で「役割分担」を明確にし、「問題の早期発見・改善施策を徹底し品質改善させる仕組み」がオフショア開発成功のポイントです。
|ポイント④:自社のプロジェクトに合った開発会社を選ぶ
・依頼するプロジェクトが得意分野かを把握する
前述のように、会社によって得意な分野が違います。自社のプロジェクトに合った会社を選ぶことも開発を成功させるポイントです。
プロジェクトの主旨や目的を共有し、相手が理解・把握・イメージができるように事前準備をしておきましょう。
開発会社のホームページには限られた情報しか掲載されていません。そのため、問い合わせや見積もりをする際に「RFP(提案依頼書)」を作成し、気になる会社に提出する、自社プロダクトに近しい開発実績を提出してもらうことをおすすめします。
|ポイント⑤:開発の実績と見積もりの詳細をしっかり確認する
・自社と似たような開発実績があるかを確認する
初めて取引を行う開発先を選ぶ場合は慎重に行いましょう。その場合、自社と似たような開発実績を持っている会社だと安心です。
すでに実績がある場合は、技術も確立されており、開発もほぼ問題なく行える可能性が高いです。逆に、実績がない会社だと開発に手間を取り、想定通りに行かない場合が出てくるかもしれません。
・納得ができる見積もり内容か、不備がないかを確認する
オフショア開発の大きなメリットはコスト削減であるため、どうしても値段が安価な委託先を選びがちです。
しかし、値段だけで委託先を選んでしまうと、サービス内容が想定していた内容と隔たりがあったり、思っていた内容と違ったりしてしまうということがあります。値段が安いということはそれなりの理由があると考えた方がよいでしょう。
見積もり内容で少しでも不安や懸念点があれば、しっかりと確認し、納得がいく内容で契約を結ぶことが大切です。
|まとめ:円滑なコミュニケーションがとれるかどうかが成功の鍵
オフショア開発で失敗する要因は何と言っても、「コミュニケーション不足」が一番に上げられます。コミュニケーション不足が、理解不足を招き、重大なミスにつながる恐れがあるからです。
国内の開発企業に委託するのとは違った面で気をつけることがたくさんあります。「察してくれるだろう」「クライアントの要望を読もうとしてくれるはず」「日本では常識」といった意識を持たない方が良いでしょう。
まずは、委託先と密なコミュニケーションをとり、互いの意識や考えを共有し、擦り合わせることから始めてみてください。それが「オフショア開発」成功の第一歩です。
下記の記事では、オフショア開発の成功事例と失敗事例をご紹介しながら、オフショア開発を失敗しないためのポイントなどを解説していますので、あわせてご覧ください!
▶︎ オフショア開発ってどうなの?オフショア開発の成功事例・失敗事例
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